裁判所で集計している司法統計によると、自己破産の申し立て件数は2015年頃から徐々に増えてきています。
コロナの影響が出始めた2020年からの状況は速報値しか公開されていませんが、今後はどうなるのかが気になる人も多いでしょう。
そこでこの記事では、2021年にコロナの影響を受けて自己破産の件数がどうなっていくのかを独自予測してお届けします。
合わせて、ここ20年間の自己破産申し立て件数の推移(2000年~2020年)も紹介するので、参考にしてみてください。
国が認めた「債務整理」という手続きを活用すれば、月々の返済額を減らしたり、日々の取り立てを止めたりすることができます。手続きはカンタンなので、まずは債務整理に強い専門家に無料相談してみましょう。
【結論】コロナで自己破産は増える?
新型コロナウイルスの影響は自己破産の件数にまで影響すると考えられるのでしょうか。
結論としては、コロナで自己破産は増加すると予測できます。
上の表は裁判所が公表している司法統計からデータを集計した2000年~2020年までの自己破産の申し立て件数です。2020年の件数は現時点で月報しか発表されていませんので、月報(速報値)から集計しています。
実際にコロナの流行が認知された2020年の自己破産件数が、前年に比べて4000件ほど増加しているのが分かります。
年報として公表されるときには件数が増えるため前年よりも増えていることはほぼ間違いないと言えるでしょう。
2000年~2020年までの自己破産申し立て件数を棒グラフで表すとこのような形となります。
自己破産件数は上限金利が高く闇金が大流行した2013年にピークを迎え、その後徐々に減少しましたが、2020年コロナの影響で増加しています。
2020年は持続化給付金や緊急小口資金など多くの保証があったので持ちこたえることができた人も多いと思いますが、コロナが落ち着き保証がなくなれば一気に自己破産を選ぶ人が増えると予想できるでしょう。
コロナ禍による影響を受けて収入が減ったり、対策のために出費が増えたりすると収支バランスが崩れて生活費が不足し、借金が膨れてしまっている人は増えているのです。
つまり、コロナで自己破産は増えると考えざるを得ないのです。
コロナで2021年の自己破産が増加する理由
それでは実際にコロナの影響によってなぜ自己破産のケースが増加すると考えられるのかを見ていきましょう。
2021年に入って感染拡大開始から1年が経過し、世の中ではどのようなことが起こっているのでしょうか。自己破産につながる代表的な事情を分かりやすく解説します。
勤め先の倒産
https://www.inshokuten.com/foodist/article/5991/
自己破産が増加する原因として大きいのは勤め先の倒産です。
コロナの影響によって事業継続が難しくなり、倒産している企業が見られてきました。
当初は持ちこたえていたものの、資金不足や資金調達の困難によって経営を続けられない状況になってきているのです。
勤め先が倒産したら収入が途絶えてしまい、新しい仕事を見つけなければなりません。
しかし、コロナの影響で業務を圧縮している現場も多く、すぐに転職先を決められずに苦労しているケースが目立っています。
雇い止め
https://www.sankeibiz.jp/workstyle/news/210127/ecd2101270546006-n1.htm
勤め先が倒産せずとも、雇い止めが行われて収入が途絶えてしまうケースが往々にしてあります。
アパートやアルバイトで生活を支えていた人にとっては致命的で、給料が全くなくなってしまって家計のやりくりが困難になります。
パートやアルバイトの募集もあまり活発ではないのですぐに次の仕事を見つけられず、生活を続けていけるお金がなくなって自己破産に向かうという可能性が高まっています。
内定取り消し
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200915/k10012619061000.html
新しい仕事を手に入れようと就職活動をしていたケースでは、内定取り消しから自己破産へという流れが起こり得ます。
人材を新たに雇えるような状況ではなくなった企業も多いため、内定を取り消して人件費がかさむのを防ごうとする傾向があるのです。
新卒だけでなく転職をしようとしていた人も内定が取り消されている事例。が多々あります
予定されていた収入が入らず、借金を返せなくなるというケースがあり得るのは容易に想像できるでしょう。
家庭不和からくるストレスで浪費
https://www.sankei.com/life/news/210122/lif2101220074-n1.html
コロナの影響で家庭不和がしばしば起こっているのも自己破産が増加すると考えられる理由です。
突然の解雇や倒産、リモートワークの導入などの影響で勤めていた人が自宅にいるケースが増えました。
生活リズムにも変化が生じていることが多く、家庭生活は激動の時期になっています。その変化に家族がついて行けず、ストレスが肥大化して浪費生活を始めているケースがよくあります。
最終的には借金をしてでも無駄遣いを続けてしまい、自己破産しか解決策がないと思うようになる場合もあるでしょう。
2020年の自己破産数が意外と増えてない!?隠れ破産者が多い理由
今後コロナによる自己破産件数がさらに増加すると考えられる状況ではありますが、2020年の自己破産件数をみると、思ったよりも増えていないのではないかと思う人もいるでしょう。
たしかに「リーマンショックを超えるコロナ恐慌」と言われている割には、自己破産件数は2020年で約4000件しか増えていません。
しかし、隠れ破産をしている人が多いことがわかってきています。
隠れ破産とは、統計上はカウントされていないけれど、実質的には自己破産と同じような状況のことを指します。
このようなケースが増えているのはなぜなのでしょうか。
資金面で自己破産出来ない
隠れ破産になる原因として最もよくあるのが資金的に問題があって自己破産の手続きすらできない状況に陥っていることです。
自己破産は弁護士などの法律の専門家に相談し、裁判所に申し立てて行う法的手続きです。そのため、裁判所にも費用を払わなければならず、弁護士にも報酬を支払うことが必要になります。
自己破産の場合には総額にすると30万円から50万円くらいかかるのが相場で、手続きを始めるときに用意しなければなりません。
お金に苦しんでいる状況ではこのような多額の資金を準備するのは困難でしょう。そのため、自己破産しようと思ったときには資金的に手遅れというケースがしばしば発生しているのです。
持ち家を手放したくない
自己破産をするとほとんどの資産が没収されることになります。
持ち家がある場合には家も高額財産として没収されますが、どうしても手放したくないという気持ちがあって自己破産をしないケースも多々あります。
せっかく手に入れたマイホームを失いたくない、親から相続した思い出の家だから守りたいといった理由が典型的です。
メンタルがやられている
メンタルに問題が生じていて自己破産をせずに隠れ破産になっているケースも増えています。
冷静に考えれば返済は不可能な状況に陥っていても、それが当然になっていて自己破産を考えることすらない場合もあります。
何とかして工面したお金をうまく返済に使ってシノいでいくのが生活の一部になっていて、もはや気に留めていないことすらあります。
このような冷静さを失った精神状態になって、最終的には病院に通っている債務者もいるのが現状です。
悪質な債権者が自己破産させないでいる
自己破産をしたいと思ったのに、闇金のような悪質な債権者に止められてしまって動けずにいるケースもしばしばあります。
債権者としては自己破産をされてしまうと全額を回収するのは困難です。自己破産をしようという動きがあると、デメリットを訴えかけて止めようとするのが基本です。
ひどい場合には脅迫まがいのことをして自己破産させまいとするケースもあるのが実態です。
もしあなたが後払いツケ払い業者や給料ファクタリングなどの闇金業者に脅されているなら、下の司法書士事務所に相談してください。
闇金の督促や嫌がらせを最短即日で止めることが可能です。
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【対策】カネに困ったら自己破産しか道はないんか?
自己破産はもはや借り入れの返済や支払いなどができなくなってしまった人のための救済措置です。
ただ、お金に困ってしまったときには自己破産するしか道はないのでしょうか。
実は他にも対策は存在しているので、借金問題をどのような方法で打開可能か確認しておきましょう。
新規の借り入れ
お金に困ったら消費者金融などから新たに借り入れをして工面する打開策があります。
カードローンやキャッシングのように気軽に借りられるサービスは、困ったときにすぐに現金を用意できるので魅力的ですが、お金に困っている状況の人は既に借り入れをしている場合が多いでしょう。
総量規制の影響で年収の1/3までしか貸金業者は融資を行えず、銀行もこの規制に準じた貸付をするようになってきています。借金の金額が増えると返済するのが困難になるからです。
そのため、新規融資を申し込んでも他に借り入れがあると断られるケースが多く、借りられたとしても極めて少額になってしまうのが普通です。
2020年から「後払いツケ払い現金化」というサービスが人気を集めていますが、その実態は闇金と変わらないので利用しないでください。
後払いツケ払い現金化について弁護士が解説した記事はこちら!
社会福祉制度
公的なサービスを使ってお金を工面する解決策もあります。
知らない人も多いのですが、日本では社会福祉制度として様々な局面でお金の悩みを解決できるように公的サービスが整えられているのです。
典型例として挙げられるのが生活福祉資金貸付制度です。
自立的な生活を営むのに必要な資金を手に入れるのが難しい世帯を支援する制度で、低金利融資や無担保融資にも対応しています。
ただし、低所得世帯、書会社世帯、高齢者世帯を主な対象としていて、資金の金額や用途も限られています。
審査が厳しいのでなかなか利用できるケースがないのが問題点でしょう。
生活保護
生活保護もお金に困っている世帯のための社会福祉制度として有名です。
生活保護制度は困窮している人に健康で文化的な最低限度の生活を保障するのが目的で、本当に他に資金を調達する手段がなく、仕事もしようとしているケースでなければ利用できません。
生活扶助や教育扶助、介護扶助や生業扶助などの幅広い受給目的が認められていますが、資産調査や実地調査を含む厳しい審査を受けなければなりません。公的資金による返還不要の支援なので審査を通れる可能性は一般的にはあまり高くありません。
【正解コレやで!】減額制度の利用で立ち直る
正解はこれです!
借金で困ってしまったときには自己破産によって帳消しにしようとせず、減額して支払えるようにするという考えを持つのがオススメです。
お金がなくて苦しいときの打開策として正解なのは、任意整理という減額制度を活用する方法です。
任意整理は債務整理の一種で、弁護士や司法書士に消費者金融などの債権者との間に立ってもらい、借金の返済スケジュールや毎月の返済額などの交渉をしてもらう法的措置です。
任意整理は収入や支出の状況を考えて、無理なく返済できる計画を立てて債権者と交渉し、合意を経て今後の返済を進めていく仕組みになっています。
任意整理をすれば今後はお金の悩みが緩和され、前向きな気持ちで生きていけるようになるでしょう。
自己破産のように何十万円もの費用を最初から負担する必要はなく、少額費用で対応してもらえるのも魅力です。
弁護士や司法書士に任意整理をしたいという意向を伝えれば借金の督促もすぐに止まるので、まずは無料相談をしてみることをオススメします。
まとめ
新型コロナウイルスによって自己破産が増える勢いは加速するでしょう。
さらに隠れ破産が急速に増加していく可能性が高いことも、昨今の借入者の状況から示唆されています。
もう借り入れをして資金の工面をしているなら、本当にそのままで大丈夫なのかをよく考えてみましょう。
窮地に立たされてから打開しようとしても困難になってしまいます。
早い段階でもう返済が厳しい状況にあると気付けば、自己破産をせずとも任意整理(債務整理)で対応するのが賢明です。
持ち家の人も自宅を失うことがない方法なので、不安があったら弁護士や司法書士に相談してみましょう。
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