お子さんがいる場合、できるだけ多くの学びの機会を子どもに与えるため、学資保険に加入されている方も少なからずおられます。
子どもが学校を卒業し、親元を離れるまで、多額の費用がかかります。それに備える意味でも学資保険は有効です。
自己破産を行う場合、子どもの学資保険を含め各種保険の取り扱いはどのようになるのでしょうか。
学資保険以外の各種保険の影響や注意点についても解説していきます。
国が認めた「債務整理」という手続きを活用すれば、月々の返済額を減らしたり、日々の取り立てを止めたりすることができます。手続きはカンタンなので、まずは債務整理に強い専門家に無料相談してみましょう。
自己破産を行うと学資保険は即解約?
学資保険は、子供の将来を考え、将来的に必要な教育費を事前に積立てることができる保険です。
しかし、自己破産を行った場合、学資保険は解約の必要がある可能性があります。ただし、すべてのケースで解約が必要なわけではありません。
原則として解約返戻金が20万円を超える学資保険は解約が必要
原則として、解約返戻金が20万円を超える場合は、学資保険の解約が必要となります。
これは、破産手続きにおいて、破産者の債務を債権者に分配するために、保険会社からの返戻金を破産財団に組み入れる必要があるためです。
解約返戻金が20万円以下であれば高確率で残せる
一方で、解約返戻金が20万円以下であれば、高い確率で保険は残すことができます。
これは、破産手続きにおいて、売却・換価して20万円を超える財産が処分の対象となるためです。そのため、解約返戻金の額が20万円以下の財産は残せるのです。
ただし、財産処分の対象になるのは、1つの保険だけではなく他の保険も含めて、解約返戻金の総額が20万円を超える場合です。学資保険以外にも保険に入っている場合は注意が必要です。
子供名義でも支払い主が破産者であれば解約が必要
原則として、自己破産において処分されるのは破産者名義の財産に限られます。
しかし、学資保険の場合は、子供名義であっても、支払い主が破産者であれば解約が必要となるケースがあります。
子供の名義の学資保険は、実質的には破産者の財産と判断されることが少なくありません。これは、子供が自分で学資保険を積み立てることは通常できないためです。
結果として、親である破産者の財産と判断され、解約を求められる可能性があります。
自己破産時に学資保険以外の保険への影響
自己破産を行なった場合、学資保険以外の保険にも影響が出る事があります。
この項目では、自己破産時の学資保険以外の保険への影響を説明します。
健康保険
自己破産をしても、健康保険は解約されることはありません。健康保険は、自己破産をしても引き続き利用できます。
その代わり支払い義務も免除されません。滞納している健康保険がある場合は、自己破産後も免責されないため支払いが必要です。
生命保険
自己破産の際、生命保険にも影響が出ることがあります。
生命保険は学資保険と同様に財産と考えられます。そのため、解約返戻金の金額によっては生命保険の解約が必要になる可能性があります。
また、解約を免れたとしても、自己破産したあとに、保険料を払えるだけの余裕がなくなるケースも考えられます。そのようなケースでは、結果として生命保険を解約する必要が出てきてしまいます。
自動車保険
通常、自動車保険は掛け捨てのものが多いため、破産手続きをしても解約の必要はなく保険を継続することができます。
交通事故の加害者となった場合、任意保険に加入していないと、自賠責保険を超える部分は被害者に支払わなければなりません。
そのため、破産手続きをする場合でも、自動車を運転する上では任意保険に加入し、継続することを強くおすすめします。
自動車保険自体は継続が可能ですが、価値が20万円以上の車は処分する必要がある点には注意が必要です。
自己破産時に学資保険を解約しなくても良い方法はある?
自己破産時には財産を換金する必要があります。解約返戻金のある学資保険もその財産の一つにあたるため、解約を求められるケースがあります。
しかし、やり方によっては、実際には解約する必要がなくなる場合があります。この項目では、学資保険を解約しなくても良い方法を解説します。
契約者貸付を使って、学資保険の解約差戻金を20万円未満にする
契約者貸付という方法を使うことで、解約返戻金を最小限に抑えることができます。
契約者貸付制度とは、解約返戻金を担保にし、保険会社からお金を融資してもらえる制度です。借りられるお金の上限は、解約返戻金のおよそ7~8割が一般的です。
貸付を受けた分だけ、解約返戻金が減ることになります。
結果として学資保険の解約差戻金を20万円未満にすることで学資保険の解約を免れる事ができます。
自由財産の拡張を使う
原則として、学資保険の解約返戻金が20万円以上の場合は解約が必要です。
しかし、「自由財産拡張の申立て」をすることで、解約返戻金が20万円を超える学資保険でも残すことができる可能性があります。
自由財産の拡張については、破産管財人や裁判所の判断によって決まります。そのため、申し立てをすれば必ず認められるわけではないことに注意が必要です。
自己破産以外の債務整理を利用する
自己破産以外の債務整理を利用する事で、学資保険の解約が不要になります。自己破産以外の債務整理には、任意保険と個人再生があります。
任意整理
任意整理とは、債務者(お金を借りている側)と債権者(貸している側)が利息の軽減などを目的に交渉することを指します。このように交渉を行うことで、債務者にとって返済が容易になることを狙っています。
任意整理は裁判所を通さない手続であり、持っている財産の処分も必要ありません。
任意整理をする際には、債権者に対して「取引履歴」を請求することが必要です。この取引履歴には、借り入れ当初からの借入金額や借入日、返済額などの履歴が記載されています。
取引履歴を取得した上で、利息制限法に基づいて引き直し計算を行うことで、借金の減額を狙います。また、将来利息の減額や支払い期限についても交渉し返済可能な状況になるようにします。
しかし、任意整理は誰でも利用することができるわけではありません。安定した収入があること、今後3年または5年の間に完済を目指せること、今後も返済する意志があることが条件となります。
個人再生
個人再生は、借金を大幅に減額して無理なく返済できるようにする手続きであり、借金を5分の1~10分の1程度に減額し、原則として3年間(最長で5年間)で返済することになります。その手続きは自己破産と同様、裁判所で行う必要があります。
個人再生の場合は、生命保険や車などの資産を持ったまま手続ができることも特徴の一つです。また、一定の要件を満たす場合には、自宅を手放することなく個人再生をすることができます。
ただし、個人再生を利用するには、安定した収入があるなど、十分に返済できる見込みがあることが必要です。
個人再生では財産の処分は不要ですが、所有している財産分以下には借金が減額されません。そのため、学資保険の解約返戻金の額によっては、減額されたあとの借金の金額が大きくなる可能性があります。
まとめ
この記事では、自己破産における学資保険の扱いについて包括的に解説しました。
自己破産をした場合、学資保険は財産とみなされるため、没収の対象となりますが、適切な手続きを踏むことで自由財産として認められる可能性があります。
学資保険は、子どもの学習の機会を奪わないための大切な資金源となります。学資保険を守るためにも、債務整理に強い司法書士や弁護士といった専門家への相談がおすすめです。
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