「自己破産」という言葉に、人生が終わったような不安を感じる方は少なくありません。自己破産をすれば「官報」にその事実が掲載されてしまうため、周囲に知られることを恐れて、なかなか決断できないという方も多いのではないでしょうか。
しかし、「官報に載る=周囲にバレる」というイメージにとらわれ、自己破産をためらっていては、いつまで経っても借金問題が解決することはありません。そこで、この記事では、自己破産における官報掲載の仕組みや、実際に周囲に知られるリスクについて詳しく解説します。借金問題で悩んでいる方は、ぜひ最後までお読みください。
国が認めた「債務整理」という手続きを活用すれば、月々の返済額を減らしたり、日々の取り立てを止めたりすることができます。手続きはカンタンなので、まずは債務整理に強い専門家に無料相談してみましょう。
官報にはどんな情報が載るのか

自己破産の手続きを行うと、官報に個人情報が掲載されます。掲載は法律で定められており、債権者の権利を守るために必要な手続きとなっています。
官報とは、国が発行する唯一の機関紙で、法律や政令をはじめ、各種公告を広く国民に周知する役割を担っています。毎日発行され、年間200万件以上の情報が掲載される媒体です。
破産に関する情報は、全体のごく一部に過ぎません。政府からの重要なお知らせや、企業の決算公告など、様々な情報が日々掲載されています。
以下では、官報に載る個人情報の詳細やタイミングについて解説します。
官報に載る個人情報の内容
自己破産を申し立てると、裁判所は官報の公告欄に申立人の情報を掲載します。
最初に掲載されるのは事件番号で、「令和〇〇年(フ)第〇〇〇〇号」という形式になります。「フ」という文字は、裁判所が自己破産を表すために使用する符号です。
続いて、破産手続開始の決定日が記載され、その後に債務者の氏名と現在の住所が掲載されます。住所の記載は、債権者が債権の届出を行うために必要な情報なので、現在住んでいる場所のみが掲載対象です。引っ越し前の住所や、住所の変更履歴などは掲載されません。
その他に、自己破産手続きに代理人として弁護士が付いている場合は、その弁護士名と在籍している事務所が掲載されます。
このように、官報に掲載される個人情報は必要最小限に抑えられています。
官報に掲載されるタイミング
自己破産の手続きでは、官報への掲載が2回行われます。
1回目は破産手続開始の決定から約2週間後です。債権者向けの重要な情報として、破産手続開始の事実と債権の届出期間が掲載されます。債権者の中には、官報に掲載された情報をもとに債権届出書を提出するケースもあります。
原則として、申立時にすべての債権者を一覧化した書類を提出しなければならないのですが、申立人の記憶違いなどによって漏れてしまう債権者も現実にはいます。詳しくは後述しますが、そうした債権者を保護する目的でも官報への掲載は必須とされているのです。
2回目の掲載は免責許可決定が出たタイミングです。免責許可決定とは、破産前の借金の支払い義務が原則としてなくなることを意味します。この掲載により、債権者に対して支払い義務が消滅したことが正式に通知されます。
自己破産の手続きは、破産開始から免責許可決定まで通常4~6か月ほどです。この期間は、裁判所の指示に従って必要な手続きを進めていくことになります。

掲載が必要な理由
官報への掲載は破産法で定められた法的な要件です。債権者が適切に権利を行使できるよう、情報を公開する必要があります。
公告制度の目的は、多数の債権者に対して平等に情報を提供することです。債権者は官報を見ることで、債務者の破産手続開始を知り、債権の届出をすることができます。
債権者の中には、債務者と連絡が取れなくなっているケースもあります。官報による公告は、そうした債権者に対しても情報を伝えるために掲載がされているのです。
破産手続きの透明性を確保し、債権者と債務者の利害を適切に調整するために、官報への掲載は欠かせない制度となっています。
インターネットで官報の破産者情報は検索できるのか

インターネット官報で閲覧できる情報は限定的です。ここでは、インターネット官報で破産者情報を検索することができるのかについて解説します。
インターネット官報の仕組み
官報は独立行政法人国立印刷局が運営する公式サイトで閲覧できます。ただし、無料で見られるのは当日分と過去90日分に限られています。それ以前の情報を確認したい場合は、有料サービスへの登録が必要です。
インターネット官報は、毎日の官報をPDFファイルとして公開するサービスです。当日分と過去90日分を無料で閲覧できますが、それ以前の情報を見るには有料サービスに登録する必要があります。
PDFファイルは目次から該当ページを探す必要があり、個人の名前で検索することはできません。
膨大な情報の中から特定の情報を見つけ出すのは、非常に困難となっています。
有料版の官報情報検索サービス
会員制の有料サービスでは、名前による検索が可能となっています。図書館に設置された専用システムでも検索できますが、具体的な情報がなければ簡単には見つかりません。
有料版の官報情報検索サービスは、主に金融機関や法律事務所などの専門機関が利用しています。一般の個人が気軽に利用できる環境ではありません。
図書館の専用システムも、利用時間が限られており、司書に利用目的を説明する必要があります。
目的外利用や、個人情報の収集を目的とした利用は認められていません。
インターネット検索での制限
一般的な検索エンジンでは、個人情報は表示されないような仕組みになっています。非公式サイトによる情報公開は、個人情報保護の観点から規制対象となります。
検索エンジンの運営会社は、プライバシー保護の観点から、破産情報を含む個人情報の検索結果を表示しない方針を採用しています。
仮に非公式サイトが破産情報を掲載したとしても、個人情報保護法違反となる可能性があります。運営者は法的責任を問われる可能性があるため、そうしたサイトが継続して運営されることは考えにくい状況です。
官報から自己破産がバレる可能性はどのくらいか

日頃から官報を閲覧する人は限られています。官報を定期購読しているのは、官公庁や金融機関、法律事務所などの専門機関がほとんどです。職務上の必要性から購読している機関がほとんどで、個人で購読している人はごくわずかです。
ここでは、官報から自己破産がバレる可能性について解説します。
紙の官報での検索の難しさ
官報販売所は各都道府県に1箇所程度しかなく、情報確認するには目視で行わなければなりません。図書館での保存期間も場所によって異なり、過去の情報を探すのは容易ではないでしょう。
図書館で官報を閲覧する場合も、日付を指定して該当の号を請求する必要があります。何月何日に掲載されたという情報がなければ、探し出すことは極めて困難です。
紙の官報は縦書きで、小さな文字で情報が掲載されています。長時間かけて目視で確認する必要があり、特定の個人を見つけ出すのは現実的ではありません。
インターネット官報でバレる可能性
無料で利用できるインターネット官報には検索機能がなく、有料版の利用にも制限が設けられています。個人情報の拡散は法律で禁止されており、簡単に情報が広まることはありません。
有料版の官報情報検索サービスも、利用者の身元確認が厳格に行われます。不正な目的での利用や、個人情報の収集を目的とした利用は禁止されています。
データのダウンロードや印刷にも制限があり、大量の情報を一度に取得することはできない仕組みになっています。

実際のリスク評価
周囲に知られる可能性は極めて低く、一般の方が官報に触れる機会はほぼないでしょう。プライバシー保護の観点からも情報拡散は規制されており、心配するほどではありません。
そもそも官報による情報公開は、あくまでも債権者の権利を守るための制度です。一般の人が破産情報を知る手段として使われることは想定されていません。
自己破産を決断するのは簡単なことではありませんが、官報への掲載だけを理由に断念するというのはあまりおすすめできません。なぜなら、官報経由で自己破産を知られるリスクは限定的であるためです。そして、官報のリスク以上に借金問題を放置しておくリスクのほうが高く、経済的な負担を背負い続けることのほうが酷になるでしょう。
以上の理由から、官報掲載によるリスクを懸念することよりも、借金問題を解決へ導くことのほうが優先度は高いと言えます。

まとめ

自己破産の官報掲載について、周囲に知られる心配はほとんどないと考えてください。むしろ、借金問題を放置することで生活がより厳しくなるリスクの方が深刻です。
借金問題は、誰にでも起こり得ることです。経済状況の変化や予期せぬ出費により、返済が難しくなることは決して珍しくありません。大切なのは、問題に気づいた時点で適切な対処を行うことです。
そのため、一人で抱え込まず、借金問題の解決に詳しい司法書士や弁護士に相談することをお勧めします。専門家に相談することで、ご自身の状況に合った最適な解決方法が見つかるはずです。
多くの事務所では、初回相談を無料で受け付けています。まずは気軽に相談してみることから始めてはいかがでしょうか。
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