過払い金請求は、払いすぎた利息が戻ってくる魅力的な仕組みです。しかし、過払い金請求は本当にメリットしかないの?と不安に感じる人もいるでしょう。実は過払い金請求には知っておきたいデメリットやリスクもあります。
そこで今回は、過払い金請求のデメリットやリスク対処法について詳しく解説します。過払い金について疑問がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
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過払い金って何?基本情報を押さえよう
過払い金は、本来なら支払う必要の無かったお金が返ってくる仕組みです。借金に悩んでいる人にとって、少しでもお金が戻ってくるのはかなり大きな救いとなるでしょう。そこでまずは、過払い金とは一体何なのか、基本情報を知ることが大切です。過払い金が発生する理由や、実際に過払い金を支払う手順について詳しく解説します。
過払い金とは
過払い金とは、利息制限法で定められた上限金利を超えて支払った余分な利息のことを指します。かつて多くの貸金業者が、法定利率を無視し高金利でお金を貸し出していました。しかし、法律が改正されたことで利率が見直され、違法に支払われた利息を返してもらえるようになったのです。
過去に借金があった場合も、現在も借り入れがある場合も過払い金を回収できる可能性があります。過払い金が返還されればそれを借金に充てることができるため、借金の減額に繋がります。
なぜ過払い金が発生するのか
金利の上限を定めた法律には「利息制限法」と「出資法」の2つがあります。利息制限法の金利の上限は15~20%ですが、出資法は29.2%が上限と定められていました。利息制限法の上限を超えていても、出資法の上限を超えなければ刑事罰の対象とはならない「グレーゾーン金利」による金利を設定して違法な金利を取っていた貸金業者がたくさん存在していたのです。
しかし、2006年12月に貸金業法の改正が決まり、出資法の上限金利を利息制限法の上限金利と同率の20%まで引き下げることが決まりました。現在はグレーゾーン金利は撤廃されていますが、かつてグレーゾーン金利で借り入れを行い、支払いすぎていた金利が過払い金として請求できるというわけです。
過払い金請求の手順
過払い金請求を行う場合はまず、過去の借り入れの取引履歴を取り寄せ、過払い金の有無とその金額を確認する必要があります。取引履歴は、貸金業者から取り寄せることができます。取引履歴は、依頼してから1~3ヶ月程度かかることもあるため、早めの準備が大切です。
取引履歴を入手したら、次は過払い金の引き直し計算をしましょう。取引履歴をもとに、15~20%の法定金利に引き直し計算をして過払い金の請求額を算出します。過払い金が確認できたら、貸金業者に対して「過払い金返還請求書」を作成して郵送します。請求書には、過払い金の返還を求める正当な内容と金額を明記することが大切です。
貸金業者は請求を受けると調査を行い、返還の可否を判断します。返還に応じた場合は過払い金が返ってきますが、返還金額について協議や交渉が行われ、業者が返還に応じない、返還額に納得できないというケースもあるでしょう。その場合は、裁判所へ訴訟を提起することになります。貸金業者がすんなり返還に応じない場合は、司法書士や弁護士などの専門家にサポートを依頼するのがおすすめです。
過払い金請求のデメリット
過払い金請求は大きなメリットがある一方、注意すべきデメリットも存在します。ここでは、過払い金請求に伴う信用情報への影響やクレジットカードの使用制限、自力での請求の難しさについて詳しく解説していきましょう。
信用情報に傷がつくリスク
過払い金請求を行う際に注意すべき点の一つが、信用情報に関するリスクです。返済中の借金に対して過払い金請求を行う場合、信用情報機関に「事故情報」として登録される可能性があります。これが登録されると、新たなクレジットカードの発行や各種ローンの審査が通りにくくなることがあります。
完済後に過払い金請求を行う場合は、信用情報に影響はありません。信用情報に傷をつけたくない場合は、返済中の過払い金請求は慎重に検討することが大切です。
クレジットカードが使えなくなる可能性
クレジットカードの過払い金請求を行った場合、カード会社によってはカードが解約されてしまうことがあります。請求が終了するまでの間、カードの利用が停止する場合もあります。カードが解約されてしまうと支払いも止まるため、他の支払い方法を準備しなければいけません。クレジットカードを日常的に使っている人にとっては、かなりのデメリットとなるでしょう。
解約される理由としては、過払い金請求によってクレジットカード会社が裁判所に提訴されるリスクを避けるためです。クレジットカードが止まると困る場合は、過払い金請求をする前に他の支払い手段を準備しておきましょう。
自力での請求は難しい
過払い金請求は、自力で行うことも可能ですが、手続きが複雑なため専門知識が求められます。自分で過払い金請求を行う場合、まず取引履歴を取り寄せ、過去の支払い金額を正確に計算し直さなければいけません。この「引き直し計算」自体が難解であり、誤った計算をしてしまうと正当な過払い金を取り戻せない可能性もあります。
また、過払い金返還請求書の作成や貸金業者との交渉も一筋縄ではいきません。貸金業者は過払い金の返還を避けたいと考えることが多いため、交渉は厳しくなることが予想されます。訴訟に発展した場合も、法律に精通した知識が必要になるため一人では非常に困難です。
過払い金請求を効率的に進めるためには、弁護士や司法書士などの専門家のサポートを受けることをおすすめします。
過払い金請求のリスクとその対処法
過払い金請求には、時効や訴訟などのリスクも存在します。ただお金が戻ってくるというだけでなく、リスクがあることを理解しておくことも大切です。ここでは、過払い金請求のリスクと対処法について詳しく解説します。
時効に注意
過払い金請求には時効があり、最後の取引から10年間となっています。多額の過払い金が存在しても、10年経過すると請求権が消失してしまうため、早めに手続きを進めることが非常に重要です。時効を確認するには、取引履歴や契約書を確認するのが基本です。
貸金業者に取引履歴の開示を求めると詳細な取引履歴がわかります。手元に取引履歴がある場合は、すぐに確認してみましょう。早めに専門家に相談すると、適切なアドバイスが受けられ、時効に対する適切な対応が可能となります。
訴訟のリスク
貸金業者と合意に至らない場合、訴訟を提起する必要があります。訴訟が長期化すると、過払い金の返還が遅れる可能性や心労も伴います。訴訟には裁判費用がかかるため、経済的負担も考慮する必要があるでしょう。
こうしたリスクを最小限に抑えるためには、適切な証拠を集めることと専門家のアドバイスを受けることが重要です。弁護士や司法書士に依頼すれば、適切な書類作成や交渉が可能になり、訴訟が有利に進む確率が高まります。和解交渉を有利に進めるためにも専門家のサポートが有効です。
専門家の力を借りる
過払い金請求を成功させるためには、専門家の力を借りることが非常に有効です。弁護士や司法書士には過払い金請求に関する知識と経験があります。自力ではうまく進められない交渉や書類作成も専門家に任せることで、スムーズに進めることができるでしょう。
専門家に依頼すると、請求の過程におけるリスクを最小限に抑え、より多くの過払い金を取り戻すことが期待できます。過去の取引履歴を入手したら専門家に相談し、必要な手続きを代行してもらうのがおすすめです。
過払い金に関する よくある質問とその答え
過払い金請求に関する疑問や不安を抱えている方も多いでしょう。ここでは、よくある質問とその答えを解説します。ブラックリストやクレジットカードの利用停止、自力での請求が可能かどうかについても詳しく見ていきましょう。
過払い金請求をするとブラックリストに載りますか?
返済中の借金に対して過払い金請求を行う場合、信用情報機関に事故情報として登録される可能性があります。これはいわゆるブラックリストであり、新たなクレジットカードの発行ができなくなったり、ローンの審査が厳しくなったりします。
しかし、全ての借金を完済後に過払い金を請求するのであれば、ブラックリストに載ることはありません。少しでも不安がある場合は、専門家に相談すれば適切な判断ができます。
過払い金請求をするとクレジットカードは使えなくなりますか?
過払い金請求を行ったクレジットカード会社のカードは解約されることが一般的です。これにより、現在利用中のクレジットカードが使えなくなるリスクがあります。特に定期的な支払いをこのカードで行っている場合、支払い方法を変更しなければいけません。
解約されたカードの再発行も難しくなるため、新たなクレジットカードが必要になります。別のクレジットカードを用意して、今後の支払いをスムーズに続けることが大切です。
過払い金請求は自分でできますか?
過払い金請求は自分でもできますが、専門知識が求められるため専門家への相談がおすすめです。過払い金請求は手続きが非常に複雑で、専門知識が求められます。自分で行うと、取引履歴の確認や過払い金の計算に苦労することも多いでしょう。貸金業者との交渉もスムーズに進まなくなることが多いです。
専門家に相談すると、過払い金の有無や金額を正確に判断してもらえるだけでなく、交渉や訴訟手続きも代行してもらえます。依頼する際の費用も、成功報酬型のサービスを利用すれば経済的な負担が軽減できます。
まとめ
過払い金請求はメリットがある一方で、信用情報への悪影響やクレジットカードの使用制限など、生活に支障をきたす可能性があります。時効や訴訟のリスクもあるため、専門家に相談するのがおすすめです。
過払い金は借金問題を解決するための有効な手段のひとつです。弁護士や司法書士に相談し、自分の状況にあった適切な方法を見つけることが、借金返済の第一歩となるでしょう。当サイトでもおすすめの弁護士や司法書士を紹介しています。ぜひ、参考にしてみてください。
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