急激に進む物価高や燃料費の高騰など、国内の社会経済状況は厳しいものになってきています。そのようななか、借金問題に苦しむご家庭の件数も増加傾向にあります。
そして、時には自分自身の借金ではなく、親の借金によって家計が苦境に陥るケースも見られます。親の借金は、まずその全貌が把握しにくいことも多々あり、それが問題解決を難しくしている面もあります。
そこで今回は、親の借金の調べ方や、親の借金を債務整理したいときの対処法について詳しく説明していきます。
国が認めた「債務整理」という手続きを活用すれば、月々の返済額を減らしたり、日々の取り立てを止めたりすることができます。手続きはカンタンなので、まずは債務整理に強い専門家に無料相談してみましょう。
親の借金の調べ方
まずは、親に借金があるのかどうか、あるならばその金額がどれぐらいなのか調べる必要があります。
親の借金の調べ方のポイントは大きく以下の3つになります。
- 個人信用情報機関に問い合わせる
- 郵便物を確認する
- 注意:連帯保証や個人からの借金は調べづらい
以下、順に説明していきます。
個人信用情報機関に問い合わせる
個人信用情報機関とは、個人の借入状況や返済状況などの情報を登録し管理している機関です。CIC、全国銀行個人信用情報センター、JICCの3つがあります。
- 氏名
- 生年月日
- 性別
- 住所
- 電話番号
- 勤務先(会社名)
- 契約内容
- 支払状況
- 延滞情報
- 事故情報
- 債務整理情報
個人信用情報機関への問い合わせは、それぞれの機関によって若干異なりますが、基本的にはインターネットもしくは郵送で開示手続きを行うことになります。
そしてこれが最も重要なポイントですが、個人信用情報機関からの信用情報の取得は、その本人しかできません。つまり親の信用情報は親本人が問い合わせる必要がある、ということです。
郵便物や着信履歴を確認する
郵便物を確認することでも、親の借金の有無を知ることができます。
郵便物の中に、督促状や催告書、支払い請求書などが混じっているか確認をしましょう。これらは裁判所や消費者金融、カード会社などから送られてくるものです。督促状や催告書、支払い請求書などが届いたら、まずはその内容を確認しましょう
ただし、これらの郵便物は一般的に「信書」と呼ばれるものであり、封筒には「親展」と刻印がされています。このような郵便物は宛先名本人しか開封することはできません。つまり親本人が開封する必要があります。
また、見慣れない着信履歴があれば消費者金融からの電話だったというケースもあります。知らない電話番号はネットで検索すると、どこからの電話なのかある程度調べることができます。
注意:連帯保証や個人からの借金は調べづらい
ここでひとつ注意点があります。
借金の種類の中でも、金融機関などを介さない個人からの借金や、連帯保証によるものは、その実態が調べづらいものです。
個人からの借金は、金融機関の口座を介さずに借り入れや返済をしていたら、借金の金額の実態をつかむことが困難です。友人のような親しい間柄での借金の場合、借用書すらちゃんと作成していないケースもあります。
連帯保証は、債務者が破綻して実際にその借金が親の身に降りかかってきた時に初めてその実態が明らかになる傾向があります。
これらは、親から正直に説明してもらうしかありません。
【原則】親の借金を子供は債務整理できない
親の借金問題の大原則として、親の借金の債務整理を子供がすることはできません。
これは親に限ったことではなく、債務整理は原則として、その債務者本人の意思でのみ行うことができます。
例外は、親が例えば認知症を患うなどして判断能力が不十分になった場合です。この場合は、成年後見制度を利用して、親の財産管理や債務整理、契約締結を成年後見人が行うことができます。
親の借金を債務整理させたいときの対処法
上で述べたように債務整理は親本人しかできません。ですから、債務整理そのものを子どもが実施するという対処法は選べません。
その代わり、親の債務整理を促したり精神的にサポートすることはできます。以下のようなサポートをしてあげることをおすすめします。
- 親にかわって、債務整理に関する情報を集める
- 債務整理の相談に乗ってくれる司法書士を探す
また、保証人や連帯保証人等でない無い限り、原則、存命の親の借金を子供が肩代わりする義務はありません。しかし、親の借金を任意で肩代わりすることはできます。
肩代わりした借金は、後日親から返してもらうといった方法は取れますが、借金が多額であるなどの場合はやはり債務整理をおすすめします。
親に債務整理を促すコツ
親に債務整理を促すコツとしては、以下の3つがあります。
- コツ1.メリットを伝える
- コツ2.デメリットを伝える
- コツ3.精神面でもサポートする
以下、順に説明していきます。
コツ1.メリットを伝える
まず1つ目のコツですが、債務整理をすることによるメリットを伝えましょう。
以下のようなメリットを伝えることをおすすめします。
- 借金の返済総額が減る
- 月々の返済額を減らすこともできる
- 難しい手続きは司法書士や弁護士が全部やってくれる
- 手続き費用は安いところもある
さらに、債務整理の種類(任意整理、個人再生、自己破産)それぞれのメリットも整理しておくとより良いです。
コツ2.デメリットを伝える
2つ目のコツとしては、債務整理をしないことによって発生するデメリットを伝えることが挙げられます。
メリットだけでは動かないタイプの親ならば、デメリットを強調することをおすすめします。
- 借金を放置すると督促や差し押さえのリスクがある
- 差し押さえされると一気に財産がなくなる
さらに、債務整理の種類(任意整理、個人再生、自己破産)それぞれのもつデメリットも整理しておき、必要に応じて伝えるとより良いです。
コツ3.精神面でもサポートする
借金問題は、金銭的な負担はもちろんのこと、精神的にも大きな負担がかかります。つまり借金問題を抱えている親は、精神的なサポートを必要としているといえます。
債務整理は、依頼をすれば司法書士や弁護士が難しい手続きは全部やってくれるとはいえ、それでもいざやろうと思えば腰が重くなるものです。
「困ったら子どもである自分が助けるから」と促したり、あるいはプライドの高いタイプの親であれば「この借金問題の解決に親の力を貸して欲しい」などと伝えたりしつつ、精神面でのサポートをしていきましょう。
親の借金は相続対象:回避する方法は?
親が存命なうちに債務整理ができずに、親の借金が残った場合のことについて説明します。
まず前提として、子どもには親の借金を払う義務はありません。ただし、借金を相続してしまった場合、返済の義務が生じます。財産と同様、借金もまた相続されるものなのです。
そのような借金を背負うことを回避するためには、相続放棄や限定承認という選択ができます。財産の総額と借金の総額を照らし合わせるなどして、適切な選択をしましょう。
ただし、相続手続きの期限などには注意が必要です。
親の借金の相続問題や、その適切な手続きについては、個人だけではその判断が難しいこともあります。債務整理や相続問題に詳しい司法書士や弁護士に相談することをおすすめします。
まとめ
今回は、親の借金の調べ方や、親の借金を債務整理したいときの対処法について詳しく説明してきました。
親に借金があることが判明した時には、できるだけすみやかに対処しましょう。
債務整理に関する知識や必要な手続きについては、個人だけでは難しい点も多々あります。そんな時には、債務整理に強い司法書士に相談することが問題解決への近道です。
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