スピンドル（ガクトコイン）は詐欺？現在の価格と騒動の真相とは

仮想通貨スピンドルをご存じでしょうか。「ガクトコイン」とも呼ばれており、一時期ニュースにもなったので聞き覚えのある方もいるでしょう。

スピンドル（ガクトコイン）には、詐欺なのではないかという疑惑があります。
本記事では、スピンドルの現在の価格や状況を踏まえて、疑惑の考察をしています。

スピンドルを含む仮想通貨関連の詐欺の手口や対策、実際にお金を騙し取られた場合の対処法も、合わせて確認しましょう。

スピンドル（ガクトコイン）とは？

スピンドル（ガクトコイン）とは、シンガーソングライターのGACKT氏を広告に起用したことで話題となった仮想通貨です。

スピンドルは、マッチングプラットフォーム「ZETA」の開発を目的とし、2018年にICOでの資金調達を実施しました。2019年には、BLUEBELT社との戦略的資本業務提携にも合意しています。

仮想通貨スピンドルの現在の価値を含め、過去の活動について詳しく見てみましょう。

2018年にICOでの資金調達を実施

スピンドルは、2018年5月に行ったICOで、およそ220億円の資金を調達しました。ICOとは、仮想通貨（暗号資産）を新たに発行し販売することで、投資家から資金を調達する仕組みです。

スピンドルがICOで資金調達に成功したのち、海外取引所に上場したことで、多くの投資家が取引を開始しました。

広告にGACKT氏を起用

スピンドルは、広告塔にシンガーソングライターのGACKT氏を起用していました。知名度の高いGACKT氏を広告に起用することで、仮想通貨スピンドルは一躍有名になり、別名ガクトコインと呼ばれています。

2018年当時、まだ仮想通貨が普及していない中で資金調達に成功したのは、広告塔であったGACKT氏の影響力があったからだと言えます。

マッチングプラットフォーム「ZETA」の開発

スピンドルの発行は、マッチングプラットフォーム「ZETA」の開発が目的でした。
ZETAは、さまざまな取引手法で利益を追及し資金運用するヘッジファンドと個人投資家とを繋ぐためのプラットフォームです。

ZETAは、スマートコントラクトの技術を使うことで、資産の少ない個人投資家でも取引に参加できるという特徴があります。スマートコントラクトとは、事前に決められたルールに従い、取引や情報に基づいてプログラムが実行されることを指します。

ZATEは第三者が取引に介入する必要がなく、資産の透明性と公平性を保ち、自由にヘッジファンドを選べる利点が注目されました。

2018年11月にリリースされましたが、2023年現在は情報発信が行われていません。

BLUEBELT社と戦略的資本業務提携を合意

スピンドルは、2019年3月にBLUEBELT株式会社と戦略的資本業務提携を結び、ZETAについて技術交換や開発協力を行いました。

業務提携の詳しい内容は以下の通りです。

業務提携により、投資環境の整備や透明性の高いプラットフォームが実現され、スピンドルのプロジェクトが進展することが期待されました。

参考：SPINDLE（スピンドル）、仮想通貨取引所BLUEBELTと戦略的資本業務提携を発表 ｜クリプトネイチャー【Crypto Nature】

スピンドルの現在の価格

スピンドルの現在の価格は、2023年7月時点で1スピンドルあたり0.00059円です。

仮想通貨価格トレッキングサイトCoinMarketCapによると、スピンドルの取引所上場後から現在までの価格の推移は、以下のようになっています。

参照：SPINDLE（SPD）価格・チャート・時価総額｜CoinMarketCap

スピンドルの販売価格は、ICO時には約30円でしたが、取引所に上場した後は最高で約4円でしか取引されていません。

2018年にスピンドルのプラットフォームZETAのα版がリリースされた時点で、価格は約0.1円となっています。2019年には更に0.006円まで下落し、仮想通貨のバブル期と言われる2020年から2021年にかけても価格は上昇しませんでした。

取引所により異なる価格が提示されることがありますが、現在はおおむね0.0006円程度で推移しています。プレセール時の30円から、スピンドルの価値はかなり下がったと言えます。

スピンドル（ガクトコイン）は詐欺の可能性が高い

スピンドルはプレセール時からかなり価値が下がっており、詐欺と捉えられても仕方がない状況です。

スピンドルが詐欺を疑われる要因となった出来事は、以下の通りです。

スピンドルがなぜ詐欺と言われているのかについて、確認しましょう。

共同創業者が行政処分を受ける

スピンドルの共同創業者である宇田修一氏の会社は、投資家保護上の問題行為が認められ、財務局から警告を受けています。関東財務局への報告書や資料の提出を求められましたが、宇田氏は一部の資料を期限までに提出しませんでした。

関東財務局は宇田氏に対し、業務改善命令と業務廃止命令の行政処分を行っています。

報道によって宇田氏に対する行政処分が周知された結果、スピンドルは投資家の信用を失うことになりました。

参考：宇田修一に対する行政処分について｜財務省関東財務局

運営会社が日本からイギリスへ拠点移動

スピンドルを運営・発行するBLACKSTAR&CO.は、2018年8月に本社をロンドンに移転し、日本のオフィスを閉鎖しました。移転理由については、以下のように発表しています。

本社移転の時期が通貨の暴落と一致していることから、実際は逃げたのではと疑われています。

最新情報が確認できない

スピンドルは過去にウェブサイトやSNSで情報を発信していましたが、現在は行っていません。

2023年7月現在は、公式サイトは存在せず、資金の用途や分配方法などが記載されているホワイトペーパーやMediumなどのサイトも閉鎖されています。公式情報の発信を確認できないため、スピンドルは活動を行っていないと予想されます。

GACKT氏の離脱

広告塔のGACKT氏の離脱も、スピンドルが詐欺を疑われる理由の一つです。

元総務大臣野田聖子氏は、2018年1月に金融庁に対し、スピンドルへの肩入れを指示していたと報道されました。野田氏とGACKT氏が以前から親交があったことで、総務大臣の職権乱用が疑われ、世間から批判が殺到しています。

報道後にGACKT氏が広告塔を辞退したことで、スピンドルへの不信感が助長され、価値の低下にも繋がっています。

スピンドルの将来性

スピンドルの将来性は、率直に言って期待できません。

将来性が期待できない理由は、ZETAプロジェクトの頓挫が予想されるためです。
ZETAプロジェクトの過去の動向と、現在の状況を確認しましょう。

ZETAプロジェクトの頓挫

ZETAプロジェクトは、開発が進んでおらず、事業の頓挫が予測されます。

2018年11月にZETAα版のリリースがされ、2018年には主に中国での活動報告がありました。翌2019年3月にBLUEBELT社との業務提携を発表していますが、以降は情報発信がありません。

スピンドルの運営会社であるBLACKSTAR&CO.やZATEプロジェクトの公式サイトも、削除されており、存在が確認ができませんでした。

仮想通貨スピンドル自体は市場に価格がでていますが、投資しても利益の還元は厳しいと言えます。

参考：BLACK STAR CAPITAL Ltd.のプレスリリース｜PR TIMES

スピンドルも？仮想通貨詐欺の主な手口

スピンドルも疑われている仮想通貨詐欺の被害は増え続けており、あとを絶ちません。

仮想通貨詐欺にみられる主な手口は、次の5つです。

スピンドルだけでなく、仮想通貨を利用した詐欺に遭わないために手口について確認しましょう。

ポンジ・スキーム

ポンジ・スキームは、出資金を運用しているように偽装し、新たに集めた資金を配当金として支払う手法です。実際に資金運用は行われず、新たな出資者が現れなければ、配当金の支払いが滞り、破綻する仕組みになっています。

ポンジ・スキームは、仮想通貨だけでなく、株式や不動産などさまざまな分野で古くから使われている手口です。

詐欺師は、時間をかけて信用を得ながらお金を騙し取り、潮時を見て逃亡するため、注意しましょう。

メールやSNSからの勧誘

近年増えているのは、メールやSNSを利用した仮想通貨詐欺です。

詐欺師は、メールやSNSのダイレクトメッセージなどでターゲットとのやり取りを開始します。最初は仮想通貨の話題を出さず、共通の趣味や興味などを口実にして近づいてきます。

詐欺師は、何度かやり取りして信頼が得られたと確信した段階で、本題である仮想通貨の話題を出し、投資を勧めてくるため注意が必要です。

特に増加しているのが、マッチングアプリを利用した詐欺です。マッチングアプリで知り合った相手にSNSへの移行を促した後、仮想通貨投資を勧め、お金を騙し取るケースも報告されています。

会ったことのない相手から紹介された仮想通貨や、覚えのない送信元から届いた投資案内などは、詐欺の可能性が高いため、手を出してはいけません。

フィッシング詐欺

仮想通貨詐欺の手口には、フィッシング詐欺もあります。フィッシング詐欺とは、本物に偽装したウェブサイトやアプリを作成し、ユーザーから個人情報や口座情報を盗む手口です。

本物に偽装した取引所サイトにアクセスし、ログインすると、個人情報が詐欺師に送信されます。偽アプリを利用した手口では、ダウンロードするとウイルスによって個人情報や通貨が盗まれます。

仮想通貨サービスを利用する際は、サイトのURLや公式サイトにリンクがあるアプリかを確認することが大切です。

ICO詐欺

ICO詐欺とは、資金調達を装ってお金を騙し取る手口です。

ICOとは、企業が独自の仮想通貨を発行し、資金を調達する手段を言います。企業が事業に成功すると、独自の仮想通貨の価値が上がり、投資家に還元される仕組みです。

ICOを利用した仮想通貨詐欺では、企業に事業の実態がなく、犯人は資金と称してお金を集めるだけで逃げてしまいます。ICOは8割が詐欺案件とも言われており、スピンドルを含め多くのICOは途中で頓挫しているので注意しましょう。

虚偽情報をニュースプレスに発表

仮想通貨詐欺には、詐欺師がメディアを騙して、虚偽情報をニュースプレスで発表させる手口があります。仮想通貨の価値や売るタイミングに関する虚偽情報を流し、誤った情報に基づいて投資が行われることで、詐欺師が結果的に利益を得る仕組みです。

本物のニュースサイトに掲載されているので、多くの人が信用してしまいます。プレスリリースされた記事内容を鵜吞みにせず、真偽を確認することが大切です。

仮想通貨詐欺から身を守る方法

仮想通貨詐欺から身を守る方法は次の通りです。

仮想通貨取引に関わる人が増えるにつれ、関連する詐欺事件が急増しています。詐欺師は、お金を騙し取るために巧妙な手口を用います。

仮想通貨詐欺の被害に遭わないために、対策を徹底することが重要です。

取引所の信頼性を確認する

仮想通貨詐欺に遭わないために、取引所の信頼性を確認しましょう。仮想通貨を購入する際に取引所を利用しますが、詐欺師が偽装した偽物の可能性があります。

仮想通貨に投資する際は、信頼性の高い取引所を選ぶことが必要です。情報の公開やセキュリティの強化、顧客サポートの充実など、利用者保護を優先した管理体制があることを確認してください。

日本では、暗号資産のサービスを提供する場合、金融庁の登録審査を受ける必要があります。無登録業者は、十分な管理体制が整っていない可能性があるため、利用するのは避けましょう。

偽物の取引所に騙されないように、サイトにアクセスする際はブックマークされているものを利用し、アプリが公式のものか確認しましょう。ログイン時にパスワードの入力を求められたら、疑わしい動作や画面に不審点がないか確かめることが必要です。

情報収集を行う

仮想通貨に関する情報収集を行うことは、詐欺から身を守るために重要です。

有名人が広告塔になっているからといって簡単に信用するのは、仮想通貨投資においてリスクが高い行為と言えます。

投資する時は、メディアや専門家の意見を参考にし、正確な情報を得るようにしましょう。詐欺やリスクについても、随時情報収集を行うことが大切です。

セキュリティ対策の徹底

仮想通貨詐欺に遭わないために、セキュリティ対策を徹底しましょう。

仮想通貨におけるセキュリティ対策は以下の3つがあります。

仮想通貨を保管するウォレットには、セキュリティの強いものを選ぶことが大切です。特に、オフライン環境で仮想通貨を保管できるコールドウォレットをおすすめします。オンライン環境での攻撃からウォレットを保護し、悪意あるソフトウェアに感染する可能性を低下させられます。

パスワードは、長く複雑で推測されにくいものを設定し、定期的に変更しましょう。二要素認証の設定も、セキュリティ強化に効果的です。

怪しいメールやSNSから送信されたリンクをクリックしないことも大切です。フィッシング詐欺や悪意あるソフトウェアによる攻撃の可能性があるため、送信元やリンクが正しいかを確認しましょう。

仮想通貨詐欺被害にあった場合の対処法

仮想通貨詐欺に遭った場合は、弁護士に相談し、被害の回復を図ることが重要です。

弁護士は状況確認や証拠収集を行い、被害者の損失額や精神的苦痛などを考慮して、詐欺の解決策を提案します。事前に被害状況や証拠となる画像をまとめておくことで、スムーズに対処してくれます。

被害回復を図るためには、詐欺返金に強い弁護士が在籍する事務所を選びましょう。

ART法律事務所は、詐欺返金に強く、実績と経験がある弁護士が揃っています。初回無料相談を24時間受け付けているので、仮想通貨詐欺に遭った場合は1度連絡してみましょう。

まとめ

本記事では、GACKT氏が広告塔を務めていたスピンドルの疑惑について考察しました。

スピンドルは、ICO時から大幅に価格が下落し、詐欺と疑われている仮想通貨です。現在スピンドルの事業が停止していることからも、投資することはおすすめしません。

スピンドルが実際に詐欺かということよりも重要なのは、仮想通貨詐欺の手口や、被害に遭わないための対策について知ることです。

仮想通貨詐欺に遭った時は、被害回復のために弁護士に相談しましょう。

ART法律事務所は詐欺案件に強く、経験豊富な弁護士が揃っており、初回相談は無料です。仮想通貨詐欺が疑われる時の相談先には、ART法律事務所をおすすめします。