昔からあるテンプレな詐欺になんて騙されないと思っていても、詐欺の手口は日々進歩しています。
これはとても意外なことですが、一般的な競馬予想詐欺やギャンブル系の詐欺の被害に遭う方の内訳として多いのが、実はある程度ギャンブルを経験している玄人の方なのです。
そこで、ここでは競馬予想サイトのうち、悪質なサイトがよく使う巧妙な詐欺手口を解説します。
【最新】競馬予想サイトの詐欺手口一覧
競馬予想サイトではどのような詐欺が横行しているのでしょうか。実例とあわせて紹介していきます。
高額な情報料の請求
競馬予想サイトでのよくある手口です。
一般会員は1000円程度と安価ですが、プラチナ会員数100万円、VIP会員1千万円超えなど、会員ステージが上がるごとに高額な価格設定がしてあることがあります。
いかにもすごい情報が入るように装い、高額の情報料を請求するという悪質な方法です。高額払い戻しを期待する利用者を言葉巧みに騙して、見込みのない情報を高額で売りつけてくる手法です。
例として、業者から
「レースで〇〇〇〇万円の配当金が出たので支払いたいが、まず手数料として配当金の〇〇％を支払ってほしい」
と言われたので、その通りに支払ったところ、
「同じ投票をした人が４人いるので、他の４人の振り込みが完了しないと配当金は支払えない」
と言われてしまったというケースも存在します。
また、無料プランに登録させ、そこから有料・高額プランへの移行を促すこともあります。
無料プランの予想がたまたま的中すれば、有料・高額プランへの誘導しやすくなり、無料プランで予想を外したとしても「より質の高い情報が手に入るようになる」などと謳って誘導する悪質な方法です。
https://tobashi-shakkin.com/sagi-henkin/horse-racing-scam/
予想ソフトの販売
競馬予想ソフトの商品ページの解説では「AIが自動でレース結果を予想」や「回収率100％以上」、「安定して利益を出し続ける」など魅力的な言葉が並んでいます。
これについては、実際にソフトを使っている人がSNSにいたとしても、「生涯成績はプラス」と言うだけで具体的な回収率などの数値を見せてくれず、実際にソフトを使用してレース結果を当てるまでの流れをリアルタイムで見せてくれないのが実情です。
無料で使用できれば実際に使用して、的中率や回収率を計算することも可能ですが、無料お試し期間すら設けていないのが現実です。
また、レースの着順を自動予想するという謳い文句のソフトを売りつける悪徳業者が存在します。
十数万から100万円を超えるものまでととても高価ですが、「毎レースで稼ぎが出せるので元はすぐ取れる」などとうまい話を持ちかけ購入させます。
これは断言できることですが、生き物である騎手と馬によるレースである競馬が、市販される機械のみによって予想できるというのは信憑性に乏しく、実際のところ高い的中率を叩き出すことは不可能に近いものがあります。
ただ、詐欺師は競馬で稼ぎたいと思っている人に近づき、言葉巧みに丸め込んで高額なソフトを買わせる手法が横行しています。
これらのソフトに関して「当たらない」と返金を求めたところで「使い方が違う」「このレースは的中している」と様々な理由をつけて、返金に応じることはほぼありません。
他のギャンブルへの誘導
他のギャンブルへの勧誘の可能性も考えられます。
競馬でこれだけ勝てるから、競輪、競艇、パチンコ…様々なギャンブルでの予想サイトや予想ツールへ勧誘するといったことも起こりうることが現実です。
競馬以外にもギャンブルを行っている方は、そういった勧誘が来ても断るようにしましょう。
【悪質】代理購入呼びかけ
こちらはとても悪質な手法です。
予想を提供するのではなく、馬券を代理購入してその配当金を分配すると謳い、あたかも金融商品かのように装ってお金を騙し取る、投資詐欺が現在確認されています。
具体的な手法としては、競馬情報会社を騙って高齢者宅に電話をかけ、「馬券の代理購入をしている」という話を持ちかけます。そして、「代理で買っていた馬券が当たった！」と伝えて相手を喜ばせたところで、手数料を要求してくるといった内容です。
他人に代わって馬券を購入すると、それがノミ行為ではなくても「業として勝馬投票券の購入の委託を受け、又は財産上の利益を図る目的をもつて不特定多数の者から勝馬投票券の購入の委託を受けた者」が処罰される、競馬法第31条に抵触する場合があります。
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競馬予想詐欺の実例まとめ
競馬予想詐欺の実例について、まとめて解説していきます。今回は、当サイトへ情報をお寄せいただいた方からのタレコミを元に解説していきます。
※個人情報および取材源の秘匿のため、ある程度の再構成を加えていますが、大筋は事実をベースにしてお届けします。
事例1：父親へ届いた謎の手紙で大損害を受けた事例
青森県にお住まいのAさんは、長年にわたって実家暮らしの38歳。
ある日、入院中の父親宛に謎の手紙が届きました。差出人の名前は個人名で差出住所は東京都新宿区。そして住所の宛名もかなり古いもので、現在の市区町村名とは異なるものでした。
入院中の父からは「開けて構わない」と言われたため、Aさんは代理として手紙を開封しました。
するとそこには印字された直筆のような手紙が入っており、長年の無沙汰を詫びるような内容で、なおかつ「また競馬の予想師として新たにスタートすることになった。ついては長年ご愛顧いただいたお客様やそのご子弟様に対して格安で情報を提供したい」といった文言が並んでいました。
タイミングが良かったのか悪かったのか、Aさんはもともと大の競馬好き。親子二代にわたってお馬さん大好き親子でした。
父親の実績や功績で何かが得られるならと、Aさんはなけなしの資金を投入して競馬予想情報を有料で購入しました。
有料情報に基づいて馬券を購入したところ全く当たらず、いわゆる鉄板レースでさえ外すような有様。
Aさんは業者に連絡をするも「あくまでも予想情報なので」と取り合ってもらえず、高いレッスン料だと諦めようとしていた矢先に、今度は怒涛のごとくAさん宛の競馬関係のダイレクトメールや営業電話がかかってくるようになってしまいました。
事例2：誠実な業者が態度を一変！？
東海地方にお住まいのBさん。
以前から、とある競馬予想集団のSNSをチェックしていました。ファンとしてある程度リプライなどをしていたものの、やはり気になるのはその業者・集団が出している有料情報。
本当に稼げるのかどうかダイレクトメッセージで質問してみたところ、とても丁寧で誠実な返信が来たといいます。
これに気をよくしたBさんは有料情報として98,000円の情報を購入し、競馬の予想に着手しました。
しかし、レースに参加しても参加しても予想が当たらず、資金繰りは一気に悪化します。
そこで元々返金保証も出ていたこちらの業者に連絡をしてみたところ、
「保証を使おうとするような失礼な輩はあなたが初めて」
「誠実に対応しているのに喧嘩を売ってきたのはあなた」
「いい加減にしてもらえないと、威力業務妨害で訴えることになる」
など、法的な対応を取ることを匂わせた、とても恐ろしいメッセージが返ってきました。Bさんは完全に心が折れてしまい、現在も泣き寝入りを続けています。
事例3：知り合いから競馬シミュレーションソフトを買った結果…
最後にご紹介するのは和歌山県にお住まいのCさんです。
Cさんは学生時代、サークルで顔見知り程度だった女性からある日突然連絡があり、Zoom飲み会をやろうと誘われました。
直接会うわけではないから安全だろうと、Cさんは彼女とのZoom飲み会に参加しました。話がとても盛り上がり、「今度は直接会いたい」という話となり、結果的に感染対策に留意しつつ、後日近所のファミレスで食事をすることになりました。
その時、相手がとても羽振りの良さそうな生活をしていて、どのように稼いでいるのかとCさんは気になってしまったのです。
そこで相手に聞いてみたところ、最近は競馬女子をしているという回答がありました。競馬のシミュレーションソフトを購入し、それで予想を的中させて稼いでいるというのです。
Cさんは、すっかり彼女の羽振りの良さにノックアウトされてしまい、予想ソフトを購入することとなります。
当然予想は全く当たらず、彼女ともそのうち音信不通となってしまい、Cさんは完全な赤字を経験することとなりました。
もちろん、ソフトの販売元にも問い合わせましたが、「予想は100%を保証するものではない。代理店がどのように言っているかは分からないが、とにかく返金は受け付けられない」と返り討ちに遭いました。
これって競馬予想詐欺？よくある質問
ここでは競馬予想詐欺が疑われるようなシチュエーションについて、よくある質問形式で解説していきます。
Q１:外れたら賭けた分を全額返金すると謳っているのですが…
A:全額返金される保証はどこにもありません。
基本的にギャンブルの性質上、当たり外れはどうしても存在するため、外れた際に全額返金するのはビジネス上理にかなっていません。
よって全額返金保証を付けることは、自信があるかのように見せつけるための方法のひとつと考えてよいでしょう。
Q２:競馬予想サイトは運営会社の情報（運営会社名、所在地、責任者、電話番号、メールアドレスなど）の掲載があるので、信用してもいいですか？
A:信用できるか判断する最低条件です。
一般的な事業体はインターネット上で商売をする際、運営会社から所在地・責任者や電話番号メールアドレスなど全てフルセットで記載して、初めて信頼できる業者かどうか判断の土俵に乗ると言ってよいでしょう。
よって、競馬予想サイトがこの手の情報を掲載しているからといって安心するのは、かなり早とちりが過ぎます。
Q３:怪しいサイトにJRAの公式という表現やロゴが掲載されています。大丈夫なやつですか？
A:あまり意味がありません。
JRAの公式ロゴや公式という表現は勝手に記載するケースが後を絶たず、JRAも日々巡回しているものの、なかなかその手が回っていないという現実があります。
よって、怪しいサイトであればあるほどJRAの公式表現をよく使うため、注意してください。
まとめ
競馬予想サイトの詐欺は日々進化をしています。今回紹介した詐欺手口は身近なところで横行しています。自分は引っかからないとは思わずに、気をつけて競馬ライフを楽しみましょう。
また、どうしても競馬予想サイトの詐欺に遭遇してしまうケースもあります。
そういった場合は一分一秒でも早く弁護士に相談し、被害回復のため動いていきましょう。
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