結婚詐欺

結婚詐欺罪の成立要件とは?認められた事例と対応法を紹介

結婚詐欺罪の成立要件とは?認められた事例と対応法を紹介
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近年、結婚するとよそおい金銭を要求する詐欺が増えています。相手の恋愛感情につけ込み金銭を奪い取る結婚詐欺師の手口は悪質です。

被害を訴える場合、結婚詐欺が罪として認められるために必要な要件を理解することが大切です。

結婚詐欺の被害に遭った際の相談先もあわせて理解し、適切に対応できるように備えましょう。

結婚詐欺とは

結婚詐欺とは
結婚詐欺とは、実行する意思がないのにもかかわらず、結婚をほのめかし相手の金銭や資産をだまし取る行為を指します。

結婚詐欺師は、経済的に自立しており恋愛経験の少ない異性をターゲットにします。好意をよそおって近づき、ターゲットから信頼を獲得したころに、何かと理由をつけて金銭を要求する手口は結婚詐欺の特徴です。

ターゲットからお金をだまし取ったあと、音信不通となり犯人が姿をくらますケースが多くみられます。

結婚詐欺は、被害者にとって経済的ダメージと好意を利用されたことによる精神的苦痛をもたらす悪質な犯罪の一つです。

結婚詐欺罪の成立要件と刑罰

結婚詐欺罪の成立要件と刑罰
結婚詐欺罪が成立するためには、必要な要件があります。

刑法には「結婚詐欺罪」という名称はなく、「詐欺罪」として処罰が決まります。詐欺罪が成立するには相手が意図的に被害者をだまし、財産的に利益を得たことが立証されなければなりません。

詐欺罪の成立要件と刑罰を理解すれば、被害回復への手順もみえてくるでしょう。

結婚詐欺罪が成立する要件

詐欺罪が成立するには、以下の要件を満たす必要があります。

  • 最初から結婚の意思がなくだますつもりで被害者に接触している
  • 嘘の理由で金銭や資産をだまし取っている

意思がないにもかかわらず結婚の話を持ち出し、虚偽の理由で金銭をだまし取る行為は詐欺罪として認められます。

2つの要件をおさえることが、法律上で結婚詐欺が罪として認められるために重要です。

結婚詐欺罪の刑罰

結婚詐欺罪は、刑法第246条にもとづいて判断されます。

人をだまして財物を得たとして詐欺にあたる犯罪行為をおこなった際、10年以下の懲役の罰則が定められています。

3年以下の懲役には執行猶予がつきます。3年を超える懲役の場合は実刑となり、執行猶予がつきません。

詐欺罪は非常に重い罰則が科される可能性があり、逮捕や実刑のリスクが高い犯罪であることを覚えておきましょう。

結婚詐欺罪の成立要件を満たさない場合

結婚詐欺罪の成立要件を満たさない場合
結婚詐欺罪の成立要件を満たさない場合は、以下の2点があります。

  • 経済的な被害が生じていない
  • 詐欺師から金銭を請求していない

被害に遭い、相手を訴えたいと望んでも成立要件が満たされなければ、詐欺罪として認められません。

相手を訴える前に、詐欺罪として成立するケースであるか確認することが必要です。

経済的な被害が生じていない

金銭的な被害が発生していないケースでは、結婚詐欺罪の成立要件を満たさないと判断されます。詐欺罪は財産をだまし取る行為に対する罪であるためです。

結婚の約束が果たされないまま相手が失踪した場合でも、金銭的な被害がなければ詐欺罪にはなりません。結婚式場のキャンセル料や、同棲しているアパート代などの2人に関する費用に関しては、婚約破棄として慰謝料の請求を検討しましょう。

既婚者が独身と偽って交際し肉体関係をもっていた場合は、貞操権の侵害として損害賠償の請求が可能です。

詐欺師から金銭を請求していない

相手から金銭を請求していないケースでは、結婚詐欺罪の成立要件を満たさない場合があります。

詐欺罪は、被害者が相手に騙されていた状態で金銭を渡したという事実の証明が必要です。実際に経済的な問題がある相手に対して、支援をするために自ら金銭を渡したケースでは詐欺とは認められないでしょう。

「借金がある」と打ち明けられて同情した被害者がお金を渡した場合、相手の話が虚偽であると証明できれば詐欺として認められる可能性があります。

交際相手と金銭のやり取りをする際は、借用書を作成し証拠を残す対策をとるようにしてください。

結婚詐欺罪が成立した事例

結婚詐欺罪が成立した事例
結婚詐欺罪が成立した事例を2つ紹介します。

近年は、婚活パーティーやマッチングアプリなどを通じて結婚相手を探す人が増えています。事例にあげた詐欺師は、婚活サービスの利用者をよそおってまぎれ込み、ターゲットを巧妙な手口でだましていました。

結婚詐欺罪として認められた事例を確認し、相手を訴える前の参考にしてください。

事例①

結婚詐欺罪が成立した事例の一つとして、犯人が職業を偽って接触してきたケースがあげられます。

婚活パーティーで知り合った裁判官を名乗る男から、20万円をだましとられる被害が報告されました。男は裁判所の職員でしたが、実在する裁判官の名刺を渡し職業を詐称して女性に交際を持ちかけています。

男は、被害者の女性を信用させるために「結婚を前提に付き合おう」「職場には結婚の積み立てがある」と伝えていました。

動機として「女性が自分のことを職業で見ているようで反感を感じたため、お金をだまし取り憂さを晴らしたかった」と話しています。

加害者に下された判決は懲役2年執行猶予3年です。

事例②

結婚詐欺罪が成立した事例として、航空会社の従業員と偽った男が女性8人から計3500万円をだまし取ったケースがあります。

男は職業を偽って婚活パーティーに参加し、被害女性たちから信用を得た段階で「マンションを購入しなければ交際の継続がむずかしい」と嘘をついて金銭を要求していました。

一部の被害者には返金があったものの大部分が返済されておらず、被告人は執行猶予なしの懲役7年の実刑判決を受けています。

被害額が高額であることにくわえ、既婚を隠し女性を繰り返しだましていた点から常習性が高いとみなされ、重い量刑が下されました。

結婚詐欺の被害に遭った際の対応方法

結婚詐欺の被害に遭った際の対応方法
結婚詐欺の被害に遭った際の対応方法は、以下の3つがあげられます。

  • 詐欺罪として刑事告訴をする
  • 民事で金銭の返還請求をする
  • 証拠を集める

結婚詐欺の被害に遭った場合にはどう対応すればよいか不安に感じる方が多いでしょう。

被害の額が大きい場合、3つの手続きを同時にすすめた方が良いケースもあるため、あわせて理解しておきましょう。

詐欺罪として刑事告訴をする

結婚詐欺の被害に遭った場合、詐欺罪での刑事告訴を視野に入れましょう。

刑事告訴は、被害者が警察や検察に犯罪の事実を申告し、犯人に対して処罰をもとめる手続きです。告訴が受理されれば警察は捜査を進め、犯人が逮捕される可能性が高まります。

刑事告訴をした際、犯人にプレッシャーを与えられ、罪を軽くしたいと考えた相手から示談を申し出るケースも考えられるでしょう。

捜査の途中であっても、犯人から被害金の弁償や慰謝料などの支払いの意思があった場合は示談となります。

結婚詐欺の被害が明確であれば、犯人の逮捕が期待できる刑事告訴が望ましいです。

民事で金銭の返還請求をする

結婚詐欺で金銭的な被害を受けた場合、民事での手続きで返還請求をおこなえます。民事での手続きは、犯人へ直接的に返金や慰謝料を求める方法です。

民事での手続きは、内容証明郵便により返金を求める交渉をおこない、詐欺師が応じなければ支払の督促や民事訴訟を起こします。

判決後も返済がなされない場合には、相手の財産を差し押さえる強制執行の手続きも可能です。

刑事告訴と並行して民事での返金請求をおこなうことで、効果的に被害の回復が期待できるでしょう。

証拠を集める

結婚詐欺の被害に遭った際は、証拠の収集を徹底してください。刑事告訴や民事上の請求をおこなう際、犯人に対して実際に金銭を支払ったことを証明する証拠の提示が不可欠です。

相手にだまされて金銭を支払った証拠がないケースは詐欺として認められづらいため、告訴や返金を求める前には準備が必要です。被害に遭った際の情報を集めておくことで有利に動けます。

金銭の受け渡しが銀行振り込みなら、通帳や明細を保存しておきましょう。手渡しであれば領収書や、金銭をやり取りした経緯がわかるメール・LINEの履歴が有効な証拠となります。

結婚詐欺被害に遭った際の相談先

結婚詐欺被害に遭った際の相談先
結婚詐欺被害に遭った際の、相談先は以下の3つがあります。

  • 弁護士
  • 警察
  • 調査会社

結婚詐欺罪の成立のための手続きや流れは複雑で、専門的知識がない方にとっては理解がむずかしく、時間がかかるかもしれません。

具体的な対処法についての助言を受けるために、専門的な機関への相談を検討しましょう。

弁護士

弁護士は結婚詐欺の被害に遭った際、相談先の選択肢の一つです。

弁護士は、法的な知識をもとに相談者へ対して適切な助言と、裁判にむけた準備をおこないます。自力での準備もできますが、専門的な知識がない素人での手続きはむずかしいため、弁護士へ依頼することでスムーズに進められます。

詐欺師をすみやかに訴えることができるように、弁護士に相談する際は、犯人の情報や証拠の詳細を提示できるように準備しておきましょう。

結婚詐欺に強い弁護士からサポートを受けることで、裁判への不安を軽減しながら犯人を訴えられます。

警察

結婚詐欺の被害に遭った際は、警察も相談先としてあげられます。警察への相談により今後の動きについての助言を受けられます。

相談する際、警察から詳細を聞かれるため事前の準備が必要です。以下の内容を整理しておくと相談がスムーズにはこびます。

  • 相手と出会った場所
  • 詐欺師の特徴や行動パターン
  • 奪われた金銭の額や日付

情報を整理したあとは、警察に相談し被害届を提出してください。被害届が受理されれば捜査がすすめられますが、証拠が不十分であると受理されません。証拠を十分に集めてから警察に相談しましょう。

調査会社

調査会社は結婚詐欺の被害に遭った際に、おすすめの相談先です。

浮気調査や人探しのイメージが強い調査会社ですが、詐欺問題をあつかっているケースもあります。

相談する際は、詐欺案件についての経験が豊富で、信頼できる調査会社を選んでください。詐欺師の正体を尾行や張り込みをつかって調査するため、自力で調べるよりも多くの情報を集められるでしょう。

ほかの機関では対応してもらえなかったケースであっても、調査会社へ相談することで問題解決へ向けた助言を受けられます。

集めた情報は、刑事告訴や犯人に返金を求める際の証拠として活用できるため、調査会社への相談が有効です。

結婚詐欺被害のご相談は東京中央信用調査へ

結婚詐欺被害のご相談は東京中央信用調査へ

結婚詐欺被害の調査は東京中央信用調査へご相談ください。

東京中央信用調査は、結婚詐欺の案件について対応してきた実績をいかし、結婚詐欺罪の成立要件を満たすための証拠や情報をすみやかに収集します。

結婚詐欺は、ターゲットの結婚願望を利用しお金や財産をだまし取るため、被害者の精神的な負担が大きい悪質な犯罪です。

交際相手の行動から詐欺ではないかと不審に感じた際は、相談してみることで解決への道筋がみつかります。

東京中央信用調査ではLINEや電話で無料相談を受けつけているため、まずはお気軽にご連絡ください。

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