自然災害に見舞われた方の債務問題を解決する手段として、自然災害債務整理ガイドラインがあります。被災者が法的手続きを経ずに債務整理を行えるものです。
災害によって経済的困難に直面した際、このガイドラインをどのように活用できるのか、詳しく見ていきましょう。
国が認めた「債務整理」という手続きを活用すれば、月々の返済額を減らしたり、日々の取り立てを止めたりすることができます。手続きはカンタンなので、まずは債務整理に強い専門家に無料相談してみましょう。
【救済】自然災害債務整理ガイドラインって何?
自然災害債務整理ガイドラインは、災害被災者を救済するための特別な制度です。法的手続きを経ずに債権者と合意形成ができるという特徴があります。制度の概要について詳しく見ていきましょう。
災害被災者向け債務整理制度?
自然災害債務整理ガイドラインは、自然災害によって経済的困難に陥った方を支援するために作られました。「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」として知られ、2016年4月から運用されています。
債権者と債務者の合意に基づいて債務整理を行う準則として機能し、被災者の生活再建を後押しする役割を果たしています。破産手続きなどを経ずに、金融機関との話し合いで債務整理が可能です。
法的手続きなしで債権者と合意できるってホント?
自然災害債務整理ガイドラインの最大の特徴は、破産手続きなどの法的手続きを経ずに、金融機関との話し合いで債務整理ができる点です。債権者と債務者が合意すれば、裁判所を介さずに債務の減額や免除が可能になります。
これにより、被災者は迅速かつ柔軟な債務整理を行えるのです。また、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた場合にも適用される特則も設けられています。
利用できる人は?
自然災害債務整理ガイドラインの利用対象は、個人(非事業者)または個人事業主に限定されています。つまり、一般の方や自営業の方が対象となります。
住宅ローンや事業性ローンなどの既往債務を抱えたままでは、再スタートが困難な被災者を支援するために設けられました。破産手続きや再生手続きなどの法的手続きを避け、信用情報に影響を与えずに、債務の減額や免除を受けることができます。
法人の債務は対象外となっているため、株式会社などの法人格を持つ事業者は利用できません。
個人事業主の方は、事業用の借入れも対象となる可能性があります。
【被災時専用】ガイドライン利用のメリットとは
自然災害債務整理ガイドラインを利用することで、被災者にはいくつかのメリットがあります。信用情報への影響や将来の借入れ可能性など、重要な利点を詳しく見ていきましょう。
信用情報に傷がつかない?
自然災害債務整理ガイドラインを利用した債務整理は、破産手続きとは異なり、いわゆる「ブラックリスト」に載ることはありません。これは非常に大きなメリットです。
信用情報に傷がつかないため、将来的な借り入れの可能性を残すことができます。生活再建や事業再開の際に新たな資金調達が必要になった場合も安心です。
手元に残せるお金は?
自然災害債務整理ガイドラインを利用すると、預貯金などの財産の一部を「自由財産」として手元に残すことができます。個別の被災状況や生活状況に応じて異なる場合がありますが、基本的に生活再建のために必要な最低限の財産を保持できるよう配慮されています。
専門家の無料サポートは?
自然災害債務整理ガイドラインを利用する際は、弁護士等の「登録支援専門家」が無料で手続きを支援してくれます。専門家は中立かつ公正な立場で債務整理の手続きをサポートします。
法律や財務の専門知識を活用し、被災者が適切に債務整理を行えるよう導いてくれるでしょう。
【条件】ガイドライン利用のハードルは高い?
自然災害債務整理ガイドラインは、誰でも利用できるわけではありません。利用の際は、いくつかの条件を満たす必要があります。
対象は?
自然災害債務整理ガイドラインの対象となるのは、災害救助法が適用された自然災害の影響を受けた個人です。直接被災地にいない方や、適用地域以外に住んでいる方も対象となる可能性があります。
例えば、被災地に不動産を所有していて被害を受けた場合や、被災地での事業に影響が出た場合なども対象となることがあります。
返済困難の基準は?
ガイドラインを利用するには、災害の影響で既往債務の返済が困難になった、または困難になることが確実と見込まれる必要があります。
具体的には、収入や売上の大幅な減少が生じた場合などです。
単に返済が遅れているだけでは不十分で、災害との因果関係が求められます。
「誠実さ」の証明は必要?
ガイドライン利用には、債務者の誠実性も重要な条件です。弁済について誠実であり、財産状況を債権者に適正に開示していることが求められます。
また、過去に期限の利益喪失事由に該当する行為がないことも重要です。ただし、債権者の同意がある場合は例外となることもあります。
【手順】ガイドライン利用の流れをチェック
自然災害債務整理ガイドラインを利用する際の手順を理解することは、スムーズな債務整理を行う上で非常に重要です。各段階でどのような行動が必要か、詳しく見ていきましょう。
最初の一歩は「申し出」から
ガイドライン利用の最初のステップは、最も多額のローンを借りている金融機関に手続き着手を申し出ることです。この際、借り入れ状況、年収、資産などの情報提供が必要となります。
金融機関は申し出を受けて、ガイドライン適用の可否を判断します。ガイドラインの利用に同意が得られたら、次の手続きに進みましょう。
専門家のサポートは?
金融機関の同意が得られたら、地元弁護士会を通じて専門家支援を依頼しましょう。弁護士、公認会計士、税理士、不動産鑑定士などの専門家が支援してくれます。
専門家のサポートは無料で受けられるため、積極的に活用することをおすすめします。
法律や財務の専門知識を持つ専門家は、適切な債務整理を行う上で非常に心強い味方となるでしょう。
債務整理の申出方法は?
専門家のサポートを受けながら、必要書類を提出し、正式に債務整理を申し出ます。この際、債務整理の内容を盛り込んだ調停条項案の作成が必要です。
調停条項案には、債務の減額や返済計画などの具体的な提案が含まれます。専門家の助言を受けながら、債権者と債務者双方にとって納得できる内容を作成することが重要です。
調停成立までの流れは?
調停条項案に全債権者の同意が得られたら、簡易裁判所へ特定調停を申し立てましょう。裁判所で調停が成立すれば、正式に債務整理が成立します。
調停条項が確定すれば、それに基づいて債務の減額や返済が行われることになります。この過程で問題が生じた場合は、専門家のアドバイスを受けながら対応することが大切です。
ガイドライン利用の注意点まとめ
自然災害債務整理ガイドラインの利用には、いくつかの重要な注意点があります。より円滑な債務整理手続きを進めるために、債務免除の範囲や手続きにかかる時間、専門家の活用法など、具体的なポイントを見ていきましょう。
債務免除の範囲は?
債務免除の範囲については、債権者との協議によって決定されます。債務者の財産状況や将来の収入見込みなどが考慮され、個別のケースごとに判断されます。
完全に債務が免除されることもあれば、一部の金額が減額されるだけの場合もあるため、事前に専門家に相談し、自身の状況を詳しく説明することが大切です。債権者側も被災者支援の観点から柔軟な対応を取ることが多いですが、自動的に全額免除になるわけではありません。
手続きにかかる時間は?
ガイドラインに基づく債務整理の手続きには、一定の時間がかかります。債権者との交渉や調停手続きに時間を要するためです。
特に、複数の債権者がいる場合は、全ての債権者から同意を得る必要があるため、さらに時間がかかることがあります。手続き開始から完了までの期間は、ケースによって大きく異なりますが、数ヶ月から半年以上かかることも珍しくありません。
途中で諦めてしまうと、せっかくのチャンスを逃してしまう可能性も考えられます。焦らずに粘り強く交渉を続けることが大切です。
専門家の活用法は?
自然災害債務整理ガイドラインの手続きは複雑で、法的知識も必要です。そのため、専門家の支援を受けることが非常に重要となります。
特に弁護士や司法書士への相談がおすすめです。専門家に相談することで、最適な債務整理の方法を見つけられる可能性が高まります。
多くの場合、無料の専門家支援を利用できます。最大限に活用することで、最適な債務整理を進めることができるでしょう。
まとめ
自然災害債務整理ガイドラインは、被災者に寄り添った救済制度です。法的手続きを経ずに債務整理ができる点や、信用情報に傷がつかない点など、多くのメリットがあります。
一方で、利用条件や手続きの複雑さなど、注意すべき点もあります。専門家のサポートを最大限に活用し、自身の状況に合わせて慎重に検討することが大切です。
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