インターネットやSNSなどの広告で「借金救済制度」という言葉を目にしたことのある人も多いのではないでしょうか。借金に苦しんでいる人にとって、借金救済制度は魅力的に見えるかもしれません。しかし、実際にはどのような制度なのか、本当に借金がなくなるのか心配ですよね。
良い面だけでなく、しっかり制度の仕組みを理解することで後悔する可能性も減るでしょう。この記事では、借金救済制度の基本的な仕組みや種類、利用条件、メリット、デメリットなどを見ながら、本当に効果があるのかどうか解説します。
国が認めた「債務整理」という手続きを活用すれば、月々の返済額を減らしたり、日々の取り立てを止めたりすることができます。手続きはカンタンなので、まずは債務整理に強い専門家に無料相談してみましょう。
借金救済制度って何?
借金救済制度とは、借金の支払いが困難な人々が法的に救済される手続きです。広告により表現の方法がそれぞれ異なりますが、いずれも「債務整理」を意味します。
ここでは、借金救済制度の基本的な知識について詳しく解説します。
借金救済制度の基本
借金救済制度は多重債務に悩む人々を救う法的手続きで、任意整理、個人再生、自己破産、特定調停、過払い金返還請求の5つの方法があります。それぞれ借金の負担を軽減し、再生の道を提供する点で共通しています。
「国が認めた借金救済制度」などという文言を使っていることから、「新しい制度なのでは?」と思うかもしれませんが、債務整理は以前からある手続きです。
あくまでも宣伝文句であり、特に新しく制定された制度ではないので注意しましょう。
具体的な救済方法の種類
借金救済制度には様々な方法があり、状況に応じて選ぶことが重要です。
任意整理は債権者と交渉し、利息や遅延損害金をカットし毎月の返済額を減少させる手続きです。安定した収入がある人に向いている方法で、個人再生や自己破産などと比較しても手続きが簡単に終わるというメリットがあります。
個人再生は裁判所を介して借金を大幅に減額し、3~5年の新しい返済計画を作成する手続きです。マイホームを維持したまま借金を減額できるというメリットがあります。
自己破産は支払いできないということを裁判所に認めてもらい借金全額が免除される手続きですが、資産を失うリスクや職業制限があるため注意が必要です。
特定調停は裁判所を通した手続きで、調停委員が債権者と債務者の間に入ることで和解を目指します。費用が安く済み、財産も残せるというメリットがあります。
過払い金返還請求は過去に払いすぎた利息を取り戻す手続きです。払う必要のないお金が戻ってくるため、その資金を返済にあてたり生活費に充当したりできます。
このように、借金救済制度にはさまざまな方法があるため、自身の状況に一番適した方法を選ぶことが大切です。
利用するための条件
借金救済制度を利用するためには、各制度の条件を満たさなければいけません。例えば任意整理の場合は安定した収入が必要で、毎月一定の返済が見込める人に適しています。
個人再生は借金総額が5000万円以下が条件で、通常3~5年で完済する計画が立てられます。自己破産は返済が困難であることを裁判所に認めてもらう必要があり、資産の多くを失うリスクや職業制限があることも覚悟しておかなければいけません。
各制度の条件を理解し、状況に合わせてどの制度を選択すればいいのか検討しましょう。
借金救済制度のメリット
借金救済制度を利用することで借金の大幅な減額や免除が可能となり、生活再建の兆しが見えてきます。
ここでは、借金救済制度の具体的なメリットについて解説します。
借金が減ったり免除されたりする
借金救済制度を利用すると借金の大幅な減少や全額免除が可能です。自己破産をすれば支払い義務そのものが免除されますし、その他の方法でも元本の減額や利息や遅延損害金のカットで月々の負担が軽減されます。返済金額が減少すれば生活費に回せる資金が増え、生活にも余裕が生まれます。
債務整理の方法によってそれぞれ仕組みが異なりますので、自分の債務状況に合わせて借金の負担を軽減させることが大切です。
生活を立て直せる
借金救済制度を利用すると負担の大きい返済から解放され、生活を立て直す一歩を踏み出せます。自己破産では無収入や生活保護受給中でもほぼ全ての借金が免除されるため、新たなスタートを切ることができるでしょう。
月々の返済額が減少すれば家計に余裕が生まれ、家族のための生活費に回すお金が増えて生活の質が向上。個人再生を利用すればマイホームを維持しながら手続きを進められます。返済に追われて地獄のような日々を送る必要がなくなります。
精神的な負担が軽くなる
借金の返済に追われる生活は、精神的なプレッシャーとなり、日常的に大きなストレスをもたらします。借金救済制度を利用すれば借金返済のストレスから解放され、精神的な負担を大幅に軽減できるでしょう。
個人再生ではマイホームを維持しながら返済計画が進められるため、家族の生活環境も守れます。過払い金請求を行えば払いすぎた利息を取り戻し、借金を減らしたり新たな生活に活用することも可能です。生活に余裕が生まれ、ピリピリした日常からもおさらばできます。
借金救済制度のデメリット
借金救済制度には多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。利用を検討する際は、デメリットについても理解しておくことが重要です。
信用情報に傷がつく
借金救済制度を利用すると、信用情報機関に事故情報として登録されます。これは俗に「ブラックリスト」に載ることを意味し、最長で10年間クレジットカードやローンの利用が制限されます。また、新しい車や家を購入する際も、審査に通りにくくなるというデメリットも。
そのほか、クレジットカードの新規作成ができなくなる、携帯電話の分割払い契約ができなくなるなど細かい部分でも支障をきたすことがあります。利用する制度によっても異なりますが、この状態が一生続くわけではなく、一定期間が過ぎれば信用は回復しますので覚えておきましょう。
官報に名前が載る
個人再生や自己破産の場合、手続きが完了すると官報に名前が掲載されます。官報とは政府が発行する公的な広報誌であり、多くの人に読まれるわけではありませんが、名前が載ることで知人や職場に知られるリスクがあります。
実際に官報をチェックしている人はごく一部で、インターネットで検索すれば簡単に出てくるというものでもありません。金融機関の各部署の人や不動産業者、闇金業者や名簿業者などが閲覧することが多いです。それでも不安な場合は、官報に名前が記載されない任意整理を検討するのがおすすめです。
特定の職業に就けなくなる
自己破産を利用すると、一定期間特定の職業に就けなくなります。弁護士や公認会計士、司法書士、税理士などの資格制限がかかる職業の場合は、破産手続きが完了するまで業務を行うことが禁止されるため、職業選択の自由が制限されます。
また、保険代理店や警備業、宅地建物取引業者などにも制限が生じる可能性が高いです。自己破産を検討する際には、職業や将来のキャリアプランへの影響を考慮することが必要です。
よくある質問とその答え
借金を抱えている人の中には、借金救済制度について不安や疑問を抱えている人も多いでしょう。ここでは、借金救済制度に関するよくある質問について分かりやすく解説していきます。
借金救済制度を利用すると家族に知られますか?
個人再生や自己破産であれば官報に名前が掲載されるため家族に知られる可能性があります。借金救済制度を利用する際、多くの方が心配するのは家族への影響です。任意整理や特定調停は官報への名前の掲載はないので、そこからバレるリスクは低いです。
しかし、弁護士や司法書士が家族に連絡する可能性もあるため、手続きを進める際は家族としっかり相談しておくことをおすすめします。家族への影響が心配な方も、まずは専門家に相談することから始めてみましょう。
借金救済制度を利用するための費用はどれくらいですか?
借金救済制度を利用する際には費用も考慮しなければいけません。任意整理の費用は約5~15万円で、個人再生の場合は裁判所の費用も含め約50~80万円かかることがあります。自己破産の費用は約30~130万円と幅広いです。特定調停は裁判所に自分で手続きを行うため、実費のみで約1万円、過払い金返還請求は成功報酬型で100万円の過払い金が戻ってきた場合は20~25万円の報酬金を支払うことになります。
借金に困っている方は、費用の捻出も難しいケースがほとんどです。手続きに必要な費用を事前に確認することが重要です。費用の支払いが難しい場合でも、まずは専門家に相談してみましょう。
借金救済制度を利用するとどれくらいの期間で完済できますか?
借金救済制度を利用すると完済までの期間が短縮されます。任意整理や個人再生では、3~5年で完済する計画が一般的です。自己破産の場合は、手続きが完了すれば即座に借金が免除されます。どの制度が最適か見極めるためにも各手続きの特性と所要期間を理解し、専門家に相談することが大切です。
まとめ
借金救済制度は「債務整理」のことで、任意整理、個人再生、自己破産など様々な方法があります。借金を大幅に減額したり全額免除したりすることができるため、生活を立て直し、精神的な負担も軽減されるでしょう。
一方で、信用情報への傷、官報への掲載、特定職業への就職制限などデメリットもあるので注意が必要です。借金問題の解決には専門家のアドバイスが大きな助けとなります。まずは当サイトで紹介している司法書士や弁護士事務所に相談することをおすすめします。他の記事でも詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
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