近年では、奨学金の返済に苦しんで債務整理を考えている方も多いです。
奨学金は学生時代には支えとなりますが、卒業後に返済が重荷になりがちです。そのため債務整理を検討するケースもありますが、奨学金の支払い義務も免除されるかどうか気になる方も多いでしょう。
そこで本記事では、奨学金と債務整理の関係や保証人への影響について詳しく解説します。
国が認めた「債務整理」という手続きを活用すれば、月々の返済額を減らしたり、日々の取り立てを止めたりすることができます。手続きはカンタンなので、まずは債務整理に強い専門家に無料相談してみましょう。
【前提】返還義務のある奨学金と給付型奨学金の違いは?
奨学金には大きく分けて、返還義務のあるものと給付型の2種類があります。債務整理を考える前に、まずはこの違いを押さえておきましょう。
返還義務のある奨学金の特徴とは?
返還義務のある奨学金は、文字通り「借りたお金」です。代表的な例として、日本学生支援機構の第一種奨学金(無利子)と第二種奨学金(有利子)が挙げられます。
第一種奨学金は無利子ですが、第二種奨学金には利子がつきますので注意しましょう。またどちらの奨学金でも長期間にわたって返済を続けることになるので、借りる際はよく考える必要があります。
他にも様々な機関や地元の組織、会社などが独自に奨学金を扱っているケースもあるため、利用を検討している場合には詳しく調べておきましょう。
給付型奨学金はどんな制度?
一方給付型奨学金は、返還不要の奨学金を指します。給付型奨学金は返還の心配がないため、必要な学生にとっては大きな支えとなるでしょう。しかし、採用にはかなり高いハードルがありますので、返還義務のある奨学金と併用するケースも多いです。
奨学金の返還が困難になったらどうする?
奨学金は卒業後に返済し始めますが、「返還が困難になったらどうすればいいの?」という疑問を感じる方も多いでしょう。
そのような場合に備えて、日本学生支援機構では返還期限猶予制度や減額返還制度が用意されています。これらの制度を利用すれば、計画的な返還を目指すことが可能です。
返還期限猶予制度とは、経済的に困難な状況になった場合に返還を一時的に止められる制度です。一方減額返還制度とは、返還額を減らせる制度を指します。
債務整理すると奨学金はどうなる?種類別に徹底解説
奨学金の返済が苦しくなった場合には、債務整理を検討するケースも多く見られます。
・・・債務整理には、任意整理や個人再生、自己破産の方法が挙げられますので、それぞれの方法では、奨学金がどのように扱われるのか詳しく解説します。
任意整理で奨学金は減額できる?
任意整理の場合では、奨学金の減額効果は限定的と言えます。
任意整理は、債権者と直接交渉して債務の減額や分割払いの変更を行う方法です。一般的な借金ならば、利息のカットや元金の一部減額などが期待できます。
しかし、奨学金の場合は通常の借金と比較して金利が低いため、利息カットのメリットが少なくなるのです。
そもそも日本学生支援機構は、減額に応じにくい傾向があります。返還猶予制度や減額返還制度があるため、任意整理での減額に消極的なのです。
個人再生で奨学金はどう扱われる?
個人再生は裁判所が関与して債務の一部を免除してもらう制度であり、奨学金も減額の対象となる可能性があります。
しかし、どの程度減額されるかは裁判所の判断によります。一般的な借金の場合には、収入に応じて返済額が決まりますが、奨学金の場合には特別な配慮がなされることもあるのです。
例えば、「教育を受けたことで得られる将来の収入増加」を考慮して、減額幅が小さくなるケースが考えられます。「奨学金のおかげで良い仕事に就けたのだから、しっかり返しなさい」という論理から、あまり減額されなくなるのです。
自己破産で奨学金は免除される?
自己破産はあらゆる債務を解消できる方法ですが、奨学金に関しては注意が必要です。
原則として、自己破産しても奨学金の返済は免責されません。重度の障害で働けなくなった場合などには免責されるケースもありますが、基本的に支払い義務はなくなりませんので気をつけてください。
保証人への影響は?
奨学金の返還に問題が生じた場合には、保証人への影響にも注意しましょう。保証人の種類によってどのような影響があるのか異なりますので、詳しく解説します。
機関保証を選んでいる場合の影響は?
機関保証を利用している場合には、保証に対する影響はありません。機関保証とは、保証会社が保証人の役割を果たす制度を指します。奨学金を借りる際に保証料を支払うことで、個人の保証人を立てる必要がなくなるのです。また、返還が滞った場合には、保証会社が代わりに返還します。
しかし、保証会社は代位弁済後に奨学金を借りている本人に請求することになりますので、気をつけましょう。
人的保証を選んでいる場合はどうなる?
人的保証を選んでいる場合には、連帯保証人に影響が及ぶ可能性が非常に高いです。人的保証とは個人の保証人を立てる方法であり、奨学金では連帯保証人と保証人がそれぞれ必要になります。
特に連帯保証人は、奨学金を借りている本人と同等の返済義務を負うため、重大な責任が課されることになります。
連帯保証人と保証人では、求められる条件が異なる点にも注意しましょう。連帯保証人は、一般的に両親のどちらかが請け負います。また、年齢制限があり、貸与終了時に奨学生が満45歳を超える時点で60歳未満であることも条件となっています。
一方、保証人は4親等以内の親族が条件ですので、叔父や叔母などが請け負うケースが多いです。保証人になるには収入証明書を出す必要がありますが、収入が少なくても保証人になれます。ただし、債務整理中の人は保証人になれません。
なお、父母が離婚していても保証人になることは可能です。例えば、父親が連帯保証人になって、別居している母親が保証人になることもできます。
保証人が返還を求められるケースとは?
保証人が返還を求められるケースは、主に奨学生本人が返還不能になった場合です。
例えば本人が行方不明になったり、長期間返還を怠ったりした場合には、奨学金を貸し出している機関は保証人に請求します。保証人の資産状況によっては、差し押さえのリスクもあるでしょう。
保証人になる場合には、リスクをしっかり理解しておく必要があります。
債務整理後の奨学金返還はどうなる?対応策は?
次に、債務整理後における奨学金返還についてご紹介します。具体的な対応策を解説しますので、ぜひご覧ください。
返還猶予制度を利用するには?
返還猶予制度とは、経済的困難や失業などの理由で返還期限の猶予を申請できる制度です。最長10年間まで猶予可能ですが、返還義務自体はなくならない点に注意してください。
減額返還制度の活用方法は?
減額返還制度とは、収入が減少した場合に返還月額を減額できる制度です。
最長15年間まで適用可能であり、返還負担を大幅に軽減できます。例えば、月々の返還額が2万円だった場合には1万円程度にまで減額できる可能性があるでしょう。
しかし、減額した分は返還期間が延びることになります。そのため、「今は少ししか払えないけど、将来的には全額返せる」という人向けの制度と言えるでしょう。
借金問題に強い専門家への相談が重要?
債務整理と奨学金返還の両立には、専門的な知識が必要です。そのため、借金問題に強い専門家への相談がおすすめです。
特に認定司法書士など経験豊富な専門家へ相談すれば、よりスムーズに問題を解決できることもあります。様々なトラブルを経験していますので、最適な解決策を見つけられるでしょう。
ただし、奨学金におけるトラブルの場合にはその問題に特化した弁護士や司法書士などに相談することをおすすめします。性質上通常の借金と扱いが異なり、債務整理を行っても免責されないなどの特徴があるため、できれば同様の問題解決を経験している方に依頼するといいでしょう。
また返済額が過大請求されているケースも多く見られますので、過払い金の返還請求も見据えて対応することが重要です。
まとめ
奨学金は通常の借金とは異なる特殊な性質があるため、債務整理をしても基本的に免除されません。奨学金の種類や債務整理の方法によって対応が変わり、保証人への影響も考慮する必要があります。
債務整理を考えている場合は、まず奨学金を借りている機関の返還猶予制度や減額返還制度の利用を検討してみましょう。それでも難しい場合は、借金問題に詳しい専門家に相談することをおすすめします。
経済的な困難は誰にでも起こりうることです。そのため、困ったときでも一人で抱え込まず、専門家などに相談して適切な対応を講じることが求められます。
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