勝手に連帯保証人にされていた！支払い義務を負わない正しい対処法とは？

「勝手に連帯保証人にされていて急に連絡が来た・・・」

こんなことが起これば、ほとんどの方がビックリして固まってしまうでしょう。しかし、勝手に連帯保証人にされていた場合、支払い義務を負わずに済む方法があります。

対応を間違えると借金を背負うことになるため、注意しなければなりません。

そこで今回は、勝手に連帯保証人にされていたときの正しい対処法を紹介します。保証義務がないとされている理由も併せて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

勝手に連帯保証人にされた場合でも保証義務はない！

勝手に連帯保証人にされ、不安に感じている方は多いでしょう。結論から言えば、勝手に連帯保証人にされた場合は保証義務がありません。

以下で、その理由を詳しく解説します。

【合意がない】場合は原則無効

まず始めに、合意が成立していない場合は原則として連帯保証人の契約は無効です。勝手に連帯保証人にされてしまうケースには、以下のようなものがあります。

以上のような条件に当てはまる場合は合意がないものとされるため、原則として連帯保証人にはなりません。

【無権代理】は原則無効

民法113条に記載されている無権代理により、代理権のない人が勝手に代理して保証人契約を結んだ場合も原則無効です。

例えば、印鑑を勝手に持ち出されたり、勝手に署名されたりした場合には無権代理が適用されます。代理人は間違いなく本人から頼まれたものであると証明できなければなりませんが、その本人に契約等の意思がない場合は代理人として認められません。

【追認】すると保証義務が発生

勝手に連帯保証人になった場合でも、追認を行うと保証義務が発生するので注意が必要です。民法125条により、以下の6つの事実があった場合は追認をしたものとみなされます。

また、民法119条に追認に関する事項が記載されています。

無効な行為は、追認によっても、その効力を生じない。ただし、当事者がその行為の無効であることを知って追認をしたときは、新たな行為をしたものとみなす。
引用：民法

当事者が無効であることを知りながら追認をした場合、新たな行為をしたものとみなされます。つまり、勝手に連帯保証人にされたと知りながら、追認にあたる行為をすると本当に連帯保証人になってしまうのです。

よくある例としては、請求に対して一部を支払ってしまうなどです。これにより連帯保証人とみなされ、全額支払う必要が出てきます。

【表見代理】が認められないよう注意

民法109〜112条には、表見代理と呼ばれる項目があります。

追認を行わなかった場合でも、表見代理が成立する場合は連帯保証人として借金を肩代わりしなければなりません。以下のような場合、何らかの代理権を与えていたと判断される場合があります。

このようなケースでは表見代理が成立し、第三者は代理行為があったと主張できます。結果として、支払い義務を負うことになるでしょう。そうならないためにも、疑われるような行為は普段から避けておくのが無難です。

勝手に連帯保証人にされたときの対処法

勝手に連帯保証人にされた場合、さまざまな対処を行う必要があります。以下で、4つの対処法を解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

請求の内容を確認

まずは、請求の内容を細かく確認しましょう。契約書や届いた書類などを見て確認するべき項目は、以下の通りです。

「誰から」「いくら」請求されているのかを確認し、詳しい請求内容や支払い期限を把握しておきましょう。自分が置かれている状況を整理するためにも、この作業は非常に重要です。

また、絶対に無視はしないでください。すでに連帯保証人として請求を受けている状況では、否定をしないと連帯保証人として認めたこととなってしまいます。

経緯の事実確認

請求の内容が確認できたら、連帯保証人にされた経緯を確認しましょう。相手との関係性や過去の接触状況などを整理し、表見代理にあたる行為がなかったか思い返してみてください。

なぜ勝手に連帯保証人にされたのかを把握することで、状況が少しずつ見えてくるはずです。事実確認の際は、その相手に対して何か渡したり、名前を書いてしまったりしていないか併せて確認してみましょう。

内容証明郵便を送付

自分の置かれている状況が確認できたら、債権者に内容証明郵便を送付します。合意が成立していないこと、連帯保証人になる意思がなかったことを伝えてください。

書類を送付する際は、必ず内容証明郵便を選びましょう。普通郵便の場合、送付をした証拠が残らないため、万が一の場合に証明できません。内容証明郵便であれば、「誰に」「何を」送付したのかを証明できます。

ケースバイケースの対応

勝手に連帯保証人にされていた場合、多くのケースでは無効になりますが、裁判になる可能性もゼロではありません。裁判の内容によっては、支払い義務が発生してしまうこともあります。

対処法は状況によってケースバイケースであり、正しい対処をしなければ状況が悪化することもあるでしょう。支払い義務が認められたものの、支払いが難しいときは最終手段として債務整理を検討しましょう。

債務整理を行なえば支払額を減らしたり、期間に猶予を持たせたりできます。その際は、法律のプロである弁護士や司法書士に相談してください。借金問題の解決実績が豊富な事務所に相談すれば、状況にあわせて最適な解決手段を提案してくれるはずです。

勝手に連帯保証人にされたら弁護士・司法書士に相談すべき理由

勝手に連帯保証人にさせられた場合、できるだけ早く弁護士や司法書士に相談しましょう。1人で悩んでいても解決できず、問題が大きくなってしまう可能性もあります。

ここでは、弁護士や司法書士に相談すべき理由を解説します。

有効なアドバイスがもらえる

弁護士や司法書士に相談すれば、有効なアドバイスが貰えます。連帯保証人として支払い義務を負う必要がない理由や法的根拠、その証明方法について詳しく教えてくれるはずです。

弁護士や司法書士は法律のプロであるため、法的な観点から支払い義務を負わずに済む方法を一緒に考えてくれるでしょう。

対応を一任できる

内容証明の送付や訴訟など、大変な手続き関係を一任できるのも大きなメリットです。書類の作成や訴訟は上手く行わなければ不利になる可能性もあるため、弁護士や司法書士に任せた方が安心でしょう。

自分では分からない手続きや書類の作成も一括で行ってくれるので、不安になることなく話を進められます。

万が一の場合は債務整理も

万が一、連帯保証人として支払い義務を負うことになった場合でも、弁護士や司法書士に相談すれば債務整理の提案をしてくれるはずです。

支払えない額の保証義務が認められた際は、債務整理を行って無理のない範囲で返済を行いましょう。最初から弁護士や司法書士に相談していれば、債務整理の手続きや交渉もスムーズに進められます。

まとめ

今回は、勝手に連帯保証人にされていた場合の対処法や無効になる条件について詳しく紹介しました。一般的に勝手に連帯保証人にされていた場合の契約は無効となり、支払い義務を負う必要はありません。

しかし、追認を行ったり表見代理が成立したりするケースでは、支払い義務が発生してしまいます。自分の知らないところで連帯保証人にされて困っている方は、1人で悩まずに弁護士や司法書士に相談するのがおすすめです。

正しい対処法を教えてくれるほか、万が一支払いの義務が発生した場合の債務整理手続きにも応じてくれます。ぜひ、以下のリンクから相談してみてはいかがでしょうか。