最近、金融庁と裁判所により違法性が指摘された給与ファクタリングに代わり、新たに「後払いツケ払い現金化」と呼ばれるサービスが注目されています。
後払いツケ払い現金化のサービスでは、先に現金を受け取れるものの、後から商品代金を支払わなければなりません。
そのため、代金を支払う段階になってお金が足りないというケースもしばしば見られます。
給与ファクタリングの場合は、サービスの違法性を理由として、業者に対する支払いを行わなくても良いとする裁判例が登場しました。
では、後払いツケ払い現金化のケースでは、法律上、業者に対する支払いを免れることはできるのでしょうか?
この点に関しては、法律の観点からさまざまな難しい問題が存在します。
具体的な状況によっては、業者に対する支払いを免れることができるかもしれませんので、疑問がある場合は弁護士に相談してみましょう。
この記事では、
- 後払いツケ払い現金化の代金を業者に対して支払う義務はあるのかどうか
- 後払いツケ払い現金化の代金を払えない場合はどうすれば良いのか
- 後払いツケ払い現金化業者から取り立てを受けたときの対処法
について、弁護士が詳しく解説します。
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1. 後払いツケ払い現金化とは?
まず、後払いツケ払い現金化とはどのようなサービスであるのかについて、簡単に概要を押さえておきましょう。
1-1. 購入した商品の転売などによって現金を受け取るサービス
後払いツケ払い現金化とは、当面の生活費や借金の支払いなどに困っている人を対象とした、即日現金を受け取ることができるサービスです。
お金に困っている一般消費者に対して、即日現金を交付することを目的としている点では、消費者金融や給与ファクタリングと共通しています。
しかし、後払いツケ払い現金化に特徴的な点として、利用者に対して支払われる現金は、
- 業者から購入した商品を転売することによる「売却代金」
- 業者から購入した商品をレビューすることによる「レビュー報酬」
などの名目で支払われます。
後払いツケ払い現金化のサービスは、給与ファクタリングで問題となった貸金業法などの法規制に抵触しないようにするため、このような仕組みを取っていると言われています。
1-2. 商品代金は後払い
後払いツケ払い現金化の利用者は、業者などから商品を購入する必要があるため、業者に対して代金の支払い義務を負います。
しかし、この商品代金の支払いについては、一定期間が経過した後の後払いとされます。
つまり、後払いツケ払い現金化の利用者は、商品代金を支払うよりも先に転売代金やレビュー報酬を受け取れます。
これにより、実質的に一定期間お金を借りているような効果を得ることができるのです。
2. 後払いツケ払い現金化の2つの方式|仕組みを解説
後払いツケ払い現金化には、大きく分けて「転売方式」と「ディストリビューター方式」の2種類があります。
それぞれの具体的な仕組みについて見ていきましょう。
2-1. 転売方式
転売方式では、業者から何らかの商品を購入した後、その商品を第三者に転売することによってお金を受け取ります。
転売方式で後払いツケ払い現金化のサービスを提供している業者では、転売先のあっせんまで行っているケースがほとんどです。
そのため利用者としては、売却先探しに手間を取ることはありません。
つまり、転売という形式を取っているものの、実態としては
「その場で転売代金を受け取り、後から商品代金を支払う」
というお金のやり取りが行われるだけでサービスが完結するようになっています。
2-2. ディストリビューター方式
ディストリビューター方式でも、業者から何らかの商品を購入する必要がある点では、転売方式と変わりません。
しかし、ディストリビューター方式の場合は、利用者は購入した商品についてのレビューを書きます。
そして、そのレビューを見た第三者が商品を購入することによって、業者から利用者に対するキックバックとしてのレビュー報酬が支払われるという仕組みです。
レビュー報酬が支払われる条件については、契約の内容によってさまざまですが、たいていの場合、レビュー報酬の支払い条件は即時に充足されるように設計されています。
そのため、レビューを書くという点以外は転売方式とほとんど変わらず、
「その場で転売代金を受け取り、後から商品代金を支払う」
というお金のやり取りだけで、サービスが完結します。
3. 後払いツケ払い現金化のメリットは?
後払いツケ払い現金化は、手軽に利用できるという点では、利用者にとって大きなメリットがあるといえます。
3-1. 即日現金を手にすることができる
後払いツケ払い現金化の最大のメリットは、やはり即日現金を手に入れることができるという点にあります。
たとえば給料や売掛金などは、支払日が月に1回などと決まっています。
月々の資金繰りが厳しい人にとっては、少しでも早くお金を手に入れたいという場合もあるでしょう。
その場合は、後払いツケ払い現金化は非常に便利なサービスになります。
3-2. 信用情報の審査がないため金融ブラックでも利用できる
後払いツケ払い現金化と同じように、お金に困った人がすぐにお金を手に入れるために利用できるサービスは、他にもいくつかあります。
典型的には消費者金融などが代表例でしょう。
消費者金融では、貸付けの際に、利用者の信用情報に関する審査が行われます。
信用情報とは、「過去に借金や料金などの不払いを起こしたこと」に関する情報をいいます。
たとえば、
- 金融機関から借りたお金や、携帯電話の料金などを期限どおりに支払わなかった
- 任意整理をして債務を減らしてもらった
- 個人再生をした
- 自己破産をした
などの過去がある場合、消費者金融の業者はそのことに着目して、その利用者にはお金を貸しません。
この状態を「ブラックリストに載っている」「金融ブラック」などと表現します。
金融ブラックの状態では、消費者金融からお金を借りることができないので、資金調達の方法は自ずと限られてしまいます。
しかし、後払いツケ払い現金化のサービスでは、利用者の信用情報に関する審査は通常行われません。
そのため、金融ブラックの状態でも、後払いツケ払い現金化を利用することは可能です。
4. 後払いツケ払い現金化の注意点は?
ツケ払い現金化は、簡単に利用できるというメリットの反面、利用の際に注意しなければならない点もあります。
ここからは後払いツケ払い現金化を利用する際にどういった点に注意すべきなのか解説します。
4-1. 手数料が非常に高額
まず、後払いツケ払い現金化のサービスを利用する際には、実質的な「手数料」を負担しなければなりません。
この「手数料」は、実際には手数料という名目で課されるものではありません。
しかし、後払いツケ払い現金化の仕組み上、以下の差額が実質的な「手数料」となり、利用者の負担となることに注意が必要です。
<後払いツケ払い現金化の実質的な手数料>
①転売方式の場合
商品購入代金-転売代金=実質的な手数料
②ディストリビューター方式の場合
商品購入代金-レビュー報酬=実質的な手数料
後払いツケ払い現金化の実質的な手数料は、多くの業者で非常に高額(高率)に設定されています。
消費者金融の場合、貸付けであることから出資法の規制が適用されるため、金利は上限でも年率20%とされています。
しかし、後払いツケ払い現金化の場合は、「貸付けではない」ことを根拠として、出資法の規制は適用されないという前提でサービスが運用されています。
そのため、年率20%という出資法上の制限にかかわらず、年率に直すと数百%、数千%という高率の(実質的な)手数料を課しているケースも多く見られます。
後払いツケ払い現金化の実質的な手数料が高率になる原因は、商品を購入してから代金を支払うまでの期間が短く設定されているという点にあります。
それほど手数料が高額には見えない場合であっても、商品代金の支払期限が近い時期に設定されているケースでは、年率に直すときわめて高率になってしまいます。
利用者としては、気づかないうちに高額(高率)の手数料を取られてしまっているということがないように、契約条件を事前に十分チェックすることが大切です。
4-2. 商品代金の取り立てが過酷なケースがある
利用者が支払期限までに商品代金を支払わない場合、業者から利用者に対して取り立てが行われます。
利用者が商品代金を支払わないからといって、業者は何をしてもいいわけではなく、取り立てを行うにしても、法律に則った方法による必要があります。
しかし、後払いツケ払い現金化の業者の中には、法律を無視した過酷な取り立てを行う悪徳業者も存在しているようです。
たとえば、
- 異様な回数の取り立て電話をかけて精神的に追い詰める
- 自宅の付近までやってきて大声で取り立てを行う
- 自宅の郵便受けに脅迫まがいの督促状を投函する
などの取り立て行為は、違法の疑いがあります。
しっかりした金融機関で借り入れを行う場合には、このような違法な取り立てが行われることはありません。
しかし、後払いツケ払い現金化の業者は玉石混交で、法律を守るという意識が欠如しているという業者が存在することも事実です。
後払いツケ払い現金化のサービスを利用する際には、こうした過酷な違法取り立てが行われるリスクがあることを念頭に置いておく必要があるでしょう。
4-3. 貸金業との関係でグレーな面がある
後払いツケ払い現金化は、給与ファクタリングのサービスが金融庁や裁判所から指摘された違法性などを踏まえて、貸金業法上の問題が生じない仕組みにて運営されている・・・ことになっています。
しかし、法律的な観点から厳密に考えていくと、後払いツケ払い現金化のサービスが貸金業法との関係で全く問題がないと言い切れるかについてはグレーな面があります。
後で詳しく解説しますが、今後後払いツケ払い現金化のサービスについても、給与ファクタリングなどと同様に、貸金業法との関係での問題が指摘される可能性を現時点で否定することはできません。
いずれにしても、後払いツケ払い現金化のサービスを利用する際には、貸金業法との関係は違法スレスレのサービスであるということを認識しておく必要があるでしょう。
5. 後払いツケ払い現金化は合法?給与ファクタリングとの比較
後払いツケ払い現金化は、すでに何度か触れたとおり、主に貸金業法・出資法との関係で法的な問題を生じる可能性があります。
後払いツケ払い現金化とよく比較されるサービスが、「給与ファクタリング」です。
後払いツケ払い現金化と給与ファクタリングは、貸金業法・出資法の規制が問題になるという点でも共通しています。
以下では、両者を比較しながら、後払いツケ払い現金化が本当に合法なサービスであるのかということを考えてみましょう。
5-1. 後払いツケ払い現金化と給与ファクタリングの仕組みは似ている
給与ファクタリングでは、利用者が会社に対して有する給与債権を業者に譲渡し、その債権譲渡代金を利用者が前もって受け取ります。
そして、会社から利用者に対して給与が支払われたら、利用者はその全額を業者に対して引き渡します。
給与ファクタリングは、利用者は実質的に給与を前借りできる代わりに、業者は給与額面と債権譲渡代金の差額を儲けるという仕組みになっています。
この給与ファクタリングの仕組みは、後払いツケ払い現金化の仕組みとかなり似ているといえるでしょう。
5-2. 給与ファクタリングは貸金業法・出資法との関係で違法と判断
給与ファクタリングについては、金融庁から2020年3月5日付のノーアクション・レターにおいて、貸金業法・出資法上の貸付けに該当するとの見解が示されました。
また、同月24日付の2件の東京地裁による判決でもほぼ同じ論理構成により、給与ファクタリングを貸金業法・出資法上の貸付けに該当するとしたうえで、違法性を認定しています。
金融庁と東京地裁が問題視したのは、給与ファクタリングの仕組みの点です。
給与ファクタリングでは、まず業者が利用者に対して、債権譲渡代金という形でお金を渡します。
そして、利用者は会社からもらった給料を、業者に対して支払います。
このように、業者と利用者の間で直接金銭が行き来する仕組みに着目して、金融庁と東京地裁は「給与ファクタリングは経済的に見て貸付けと同じなので、貸金業法・出資法上の貸付けに該当する」と判断しました。
給与ファクタリングが貸金業法・出資法上の貸付けに該当する場合、法的には以下の2つの問題点が生じます。
- 貸金業法上の「貸付け」を業として営む行為は、「貸金業」に該当します(貸金業法2条1項)
- 貸金業を行うためには、内閣総理大臣または都道府県知事の登録を受けなければなりません(同法3条1項)
しかし、給与ファクタリングの業者は、給与ファクタリングは貸金業に該当しないという前提に立っていたため、貸金業者としての登録を保持しているケースはほぼありませんでした。
そのため、上記の金融庁および東京地裁の見解によって、ほぼすべての給与ファクタリング業者が貸金業法に違反していると考えられることになりました。
また、「貸付け」に対しては出資法上の上限金利が適用されます。
出資法上の上限金利は、貸金業者が利用者の足元を見て過酷な利率を課さないよう、法律上の制限を設ける目的で規定されています。
貸金業者に対して適用される出資法上の上限金利は、「年率20%」です。
しかし、多くの給与ファクタリング業者が利用者に課していた手数料は、年率に直すと数百%、数千%という非常に高率なものでした。
そのため、給与ファクタリングのサービスのほとんどは、出資法との関係でも違法と判断されることとなったのです。
5-3. 後払いツケ払い現金化を違法と言いづらい理由とは?
後払いツケ払い現金化は、金融庁・東京地裁により違法と判断された給与ファクタリングに代替するサービスとして位置づけられるものです。
そのため後払いツケ払い現金化は、給与ファクタリングが違法と判断されたポイントを意図的に外すように設計されています。
給与ファクタリングが貸付けに該当すると判断された大きなポイントは、「利用者と業者の間でお金が直接行き来している」という点です。
この点に関して、後払いツケ払い現金化の2つの仕組みがどのように考えられるかを見ていきましょう。
転売方式では、利用者がお金を受け取るのは業者からではなく、転売先の第三者からになります。
つまり、転売方式の場合は、利用者と業者の間でお金が直接行き来する関係にはありません。
ディストリビューター方式は、転売方式に比べると少しわかりにくくなります。
というのも、ディストリビューター方式の場合は、利用者は業者から直接レビュー報酬を受け取るからです。
しかし、ディストリビューター方式では、利用者は「商品のレビュー」という作業を行い、その作業の対価としてレビュー報酬が発生します。
つまりディストリビューター方式では、業者から利用者に支払われるのは「レビュー報酬」、利用者から業者に支払われるのは「購入代金」であり、両者は全く別物なので、「借りたお金を返す」という関係は成り立たないという説明がされています(難しいですよね)。
このように後払いツケ払い現金化は、少なくとも形式上は、貸金業法などへの抵触を回避する形で設計されているので、給与ファクタリングと同じ論理で違法と断ずるのは難しいでしょう。
6. 転売方式の後払いツケ払い現金化が違法となる場合とは?
とはいえ、後払いツケ払い現金化についても、給与ファクタリングのケースと同じように、取引の実質に着目して貸付けであるという判断が下される可能性は残っています。
まずは転売方式の後払いツケ払い現金化について、無登録貸金業として違法と判断される可能性が高い場合について解説します。
6-1. 業者と転売先が一体とみなされる場合は違法の疑いあり
転売方式の場合、貸付けではないという説明が成り立つためには、業者から購入した商品を別の第三者に売却することが必要になります。
もし業者自身が商品を買い戻すとすれば、業者と利用者は最初から商品を売買する気がなく、後払いツケ払い現金化は売買に偽装した貸付けであると判断される可能性が高くなります。
では、業者が転売先を紹介するケースで、業者と転売先が実質的に一体とみなされる場合はどうでしょうか。
これは事実上、業者が商品を買い戻しているのと同じです。
典型的には、業者と転売先の間に支配関係(株主が共通など)がある場合などが考えられます。
このようなケースでは、後払いツケ払い現金化が貸付けとみなされる可能性が高いといえるでしょう。
6-2. 業者も工夫をしている|詳しい調査は弁護士・司法書士に相談を
転売方式の後払いツケ払い現金化の違法性を追及するには、取引当事者の関係などにも遡って、事実関係を詳しく調査する必要があります。
業者の側も、後払いツケ払い現金化のサービスが違法と判断されないように、さまざまな工夫をしています。
もし業者の違法性を指摘したいと考えるならば、弁護士か司法書士に相談して専門的な検討を行うことが必要でしょう。
7. ディストリビューター方式の後払いツケ払い現金化が違法となる場合とは?
次に、ディストリビューター方式の後払いツケ払い現金化が、無登録貸金業として違法と判断される可能性が高いケースについて見ていきましょう。
7-1. 目的物が明らかに無価値の場合は売買と認められない場合あり
業者から利用者に対して譲渡される商品が無価値である場合には、売買自体に意味がなく、単に利用者と業者の間でお金を貸し借りするためだけに売買を仮装したと判断されかねません。
このような場合には、後払いツケ払い現金化が貸付けであると判断される可能性が高いでしょう。
7-2. レビュー作業と対価が見合っていない場合も違法の疑いあり
ディストリビューター方式では、業者から利用者に対して支払われるお金は、商品レビューに対する報酬ということになっています。
しかし、実際に行われるレビューは、何のひねりもない感想を1行だけ書くようなごく簡単な内容であることも多くなっています。
このように、利用者が実質的には何もしていないと判断されかねないような形骸化したレビューに対して、高額なレビュー報酬が支払われている場合には、後払いツケ払い(現金化)が実質的に貸付けであると判断される可能性が高いでしょう。
7-3. 転売方式よりも違法の可能性は高い|弁護士か司法書士に相談を
ディストリビューター方式では、利用者と業者の間で直接お金がやり取りされるため、
違法性が疑われるポイントは転売方式よりも多いといえるでしょう。
取引の仕組みを詳しく分析するため、弁護士か司法書士に相談することをおすすめします。
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8. 後払いツケ払い現金化を違法と判断した裁判例はある?
後払いツケ払い現金化には、給与ファクタリングのように、サービス自体の違法性を認定した裁判例はあるのでしょうか。
8-1. 新しいサービスなので、現状裁判例はない
後払いツケ払い現金化自体は新しいサービスなので、後払いツケ払い現金化の違法性が争われた裁判例は、現状まだ出てきていないという状況です。
8-2. 給与ファクタリングと同様、司法のメスが入る可能性あり
しかし、すでにさまざまな側面から解説したように、後払いツケ払い現金化には給与ファクタリングと同様、貸金業法や出資法との関係で問題があり得ることは否定できません。
また、後払いツケ払い現金化が給与ファクタリングの代替的なサービスとして機能していることは、金融庁や裁判所も十分認識しているものと思われます。
実際に以下の記事では、金融庁が注意喚起しています。
そのため、今後貸金業法などの観点から、金融庁から後払いツケ払い現金化に対する公的な見解が示されたり、裁判所において後払いツケ払い現金化の違法性が争われたりする可能性は十分あるといえるでしょう。
その結論次第では、給与ファクタリングがたどった経緯と同じように、後払いツケ払い現金化のサービスも大きな影響を受けるかもしれません。
9. 後払いツケ払い現金化において問題となるその他の違法行為とは?
後払いツケ払い現金化に関する中心的な法的問題は、すでに解説したとおり、貸金業法および出資法との関係の論点です。
しかし業者が後払いツケ払い現金化のサービスをどのように運営しているかによっては、他にも違法行為が存在する可能性があります。
具体的に、後払いツケ払い現金化について問題になりやすい違法行為について見ていきましょう。
9-1. 消費者契約法違反
消費者契約法10条は、民法などの規定に比べて消費者の権利を制限し、または消費者の義務を加重する条項であって、信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものは無効となる旨を定めています。
たとえば、どんなことが起こっても利用者は業者に対して損害賠償を請求できないという条項は、信義則に反して利用者の利益を一方的に害するものとして違法無効となる可能性が高いでしょう。
これ以外にも、業者にあまりにも一方的に都合が良い規定については、消費者契約法違反として違法無効になる可能性があります。
9-2. 契約内容の公序良俗違反
民法90条により、公の秩序または善良な風俗(公序良俗)に反する法律行為は無効とされています。
たとえば、あまり想定されないことではありますが、売買の目的物が禁制品である場合などが考えられます。
また、手数料率があまりにも高率である場合には、利用者を搾取する内容の取引として、公序良俗違反に該当する可能性もあるでしょう。
公序良俗違反が問題となるのは極端なケースに限られますが、後払いツケ払い現金化の業者に対する主張の選択肢の一つとして、念頭に置いておきましょう。
9-3. 暴力的な取り立て
利用者が商品購入代金を支払うことができない場合に、暴力的な取り立てをすることが違法であることは言うまでもありません。
たとえば取り立ての際に殴る蹴るなどの暴行を働いた場合、暴行罪(刑法208条)や傷害罪(刑法204条)として、業者が罪に問われることになります。
また、実際に暴行が行われなかったとしても、暴力団などの後ろ盾を用いて脅迫まがいの取り立てを行った場合には、恐喝罪(刑法249条1項)に該当する可能性もあります。
また、こうした犯罪行為が行われた場合には、利用者は業者に対して民法上の不法行為に基づく損害賠償請求を行うこともできます(民法709条)。
もし後払いツケ払い現金化の業者からこのような暴力的な取り立てを受けた場合には、速やかに警察に通報するとともに、弁護士か司法書士に相談をしましょう。
10. 後払いツケ払い現金化の代金が払えない場合は弁護士・司法書士に相談
後払いツケ払い現金化のサービスを利用したものの、商品代金が支払えなくなってしまったという場合には、早めに弁護士か司法書士に相談することをおすすめします。
10-1. 法的に難しい論点が多いので弁護士・司法書士と協力して準備を
これまで解説してきたように、後払いツケ払い現金化は法的にグレーなサービスであるものの、実際にその違法性を主張しようとすると、非常に専門的な事前検討が必要になります。
複雑かつ専門的な論点について、裁判官に対して説得的な主張を展開するためには、弁護士か司法書士のサポートを受けることが不可欠といえるでしょう。
10-2. 債務整理も視野に|弁護士・司法書士に依頼して手続き負担を軽減
また、どうしても後払いツケ払い現金化の商品代金を支払えない場合には、債務整理を行う方法も考えられます。
債務整理は、業者との交渉や裁判所における破産手続・個人再生手続を通じて、合法的に債務の金額をカットしたり、支払いスケジュールを延長してもらったりする方法です。
債務整理を行う場合は、業者との直接交渉が生じたり、裁判所に提出する膨大な資料を準備したりする必要があります。
債務整理の手続きを利用者だけで行うのは非常に大変ですので、弁護士か司法書士に依頼をして負担を軽減することをおすすめします。
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11. まとめ
後払いツケ払い現金化は、給与ファクタリングと似た部分も多いですが、貸金業法・出資法との関係で違法であるということを論理的に説明することは一筋縄ではいきません。
しかし、弁護士・司法書士とともに具体的なサービスの内容を検討すれば、違法性のある部分を発見できる可能性があります。
業者側の違法性を指摘することができれば、業者との交渉や裁判手続きを有利に進められるでしょう。
後払いツケ払い現金化の商品代金が支払えずに困っている方は、お早めに弁護士か司法書士にご相談ください。
・先払い買取
・後払いツケ払い現金化
・経費精算ファクタリング
・給料ファクタリング
・クレジットカード現金化
これらのサービスを使っもた人や督促に悩んでる人は、下の記事を参考にしてや!
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