親の介護は身体的にも経済的にも負担が大きく、「介護を放棄したらどうなるのか」と考えてしまう人も少なくありません。
実際に介護を放棄すると法的な責任を問われる可能性があるのか、お金がない場合でも利用できるサービスがあるのか気になるところです。この記事では、親の介護をしない場合の法的・社会的な影響から、経済的な負担を軽減する方法まで詳しく解説します。
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親の介護をしないとどうなる?

親の介護について法的な義務や社会的な責任がどの程度あるのか、正確に理解している人は多くありません。介護をしない場合の影響を具体的に見ていきましょう。
扶養義務は金銭的援助が原則
民法第877条により直系血族・兄弟姉妹は互いに扶養義務を負います。
また、義理の親には原則として介護義務はありません。配偶者の親族との関係が生じても、法的な扶養義務まで発生するわけではありません。
扶養義務の方法は、金銭的援助が原則となります。その他、同居や介護サービスの手配など多様です。必ずしも直接介護をすることを求められていません。
介護放棄で罪に問われることも…
介護を必要とする親を放置し、生命・身体に危険が及んだ場合は、「保護責任者遺棄致死罪」が適用されることがあります。
経済的な理由や家族関係の悪化など、やむを得ない事情がある場合は考慮されることもありますが、明らかな放置や虐待は厳しく処罰されます。親の生命に関わる状況を故意に作り出した場合には重い刑事責任を負うのです。
行政や警察の介入によって、親が一時的に保護施設に入所させられることもあります。虐待や放置の疑いがある場合、自治体が職権で高齢者を保護し、適切な環境での生活を確保する措置を取ることがあるのです。
自治体から「扶養照会」という通知が届くことも
親が生活に困窮し生活保護を申請した場合、自治体から「扶養照会」が子どもに届くことがあります。扶養照会とは、生活保護申請した人の親族に対して、支援が可能かどうか確認するための書類です。
扶養照会に対して経済的援助が難しい場合は、正直に状況を申告すれば無理に支援を強制されることはありません。
自分自身の生活が困窮している、借金がある、親との関係が悪化しているなどの事情があれば、扶養は困難として判断されます。
親の介護をめぐる家族間トラブルと対策

親の介護は家族全体の問題ですが、兄弟姉妹間での認識の違いや負担の偏りからトラブルが発生しやすい分野です。よくあるトラブルと対策について考えてみましょう。
よくある兄弟姉妹間のトラブル例
介護の押し付け合いや、金銭的援助のみで済ませようとするケースが多いです。長男だから、近くに住んでいるから、仕事をしていないからという理由で一人に介護負担が集中し、不公平感が募ってトラブルに発展することがあります。
介護者の疲弊や負担が大きくなり、介護放棄に至ることもあります。また、介護者自身が体調を崩したり、うつ状態になったりすることも珍しくありません。
遺産相続時に「誰がどれだけ介護したか」をめぐって揉めるケースも少なくありません。介護にかかった費用や労力を数字で表すことは難しく、相続分の調整で合意に達するのが困難になることがあります。
トラブルを避けるためには役割分担が大切
親の意向や経済状況、介護施設の利用希望など、具体的な条件を事前に確認しておくことが重要です。親自身がどのような介護を望んでいるのかを明確にしておきましょう。
兄弟姉妹間で納得できる役割分担や、金銭的な負担の分配を決めておくとトラブルを回避しやすくなります。物理的な介護を担当する人、金銭的な支援を行う人、手続きや連絡調整を担当する人など、それぞれの得意分野や事情に応じた分担を検討してください。
話し合いが感情的になった場合は一旦時間を置き、冷静な環境で再度協議することが有効です。介護の問題は長期間続くため、一度の話し合いで全てを決める必要はありません。状況の変化に応じて柔軟に対応していく姿勢も大切です。
専門家や第三者の介入も視野にいれるべき
家族だけで解決が難しい場合は、地域包括支援センターやケアマネジャー、介護事業者など第三者を交えて話し合うことが推奨されます。
専門知識を持った第三者が入ることで、感情的な対立を避けながら現実的な解決が可能です。
弁護士や司法書士、ファイナンシャルプランナーなどに相談すれば、法的・経済的な観点から適切なアドバイスを受けられます。相続対策や成年後見制度の活用、介護費用の準備など、専門的な知識が必要な分野では早めの相談が有効です。
介護サービス利用や施設入所についても、専門職の意見を取り入れることでスムーズな対応が可能です。積極的に専門家のサポートを受けましょう。
お金がなくても利用できる介護サービス

経済的な余裕がない場合でも、親の介護に必要なサービスを受ける方法があります。公的制度を活用した現実的な選択肢を確認しておきましょう。
介護保険と生活保護の活用
介護保険の要介護認定を受ければ、訪問介護やデイサービス、ショートステイなど多様なサービスが利用可能です。
65歳以上(第1号被保険者)原因を問わず、40歳以上65歳未満(第2号被保険者)は特定疾病が原因で認定を受けた場合に介護サービスを利用できます。
生活保護を受給している場合、介護サービスの自己負担分も「介護扶助」で補われるため、実質的な負担はありません。また、急迫した状況では、申請前でも必要な保護が行われることがあります。生活保護の申請手続きと並行してサービス提供が開始されることもあるのです。
施設入所の基本的な流れとは
施設選び→見学・仮申込→必要書類準備→面談→入所審査→契約→入居、
という段階を踏みます。
施設入所は時間がかかる場合が多いため、早めの準備と複数の施設への申込みが重要です。
要介護度や健康状況、経済状況に応じて、特養・有料老人ホーム・グループホームなど選択肢があります。特別養護老人ホームは費用が安く済みますが入所待ちが長い傾向があり、有料老人ホームは費用が高めですが比較的早く入所できることが多いです。
生活保護受給者も施設入所が可能で、費用面の心配は不要です。生活扶助や住宅扶助として施設利用料が支給されるため、経済的な理由で施設入所を諦める必要はありません。

行政措置による一時保護や入所
本人や家族の意思に基づかず、市区町村(自治体)が高齢者を一時的に施設に保護する「措置入所」が行われることがあります。老人福祉法に基づく、公的な保護措置です。
現在、本人や家族と施設との契約に基づく契約入所が大半ですが、例外的および緊急時の制度として措置入所が運用されています。生命に危険が及ぶ可能性がある場合や、虐待の疑いが強い場合には、通常の手続きを省略して迅速な保護措置が取られるのです。
介護費用が払えない・借金がある場合の現実的な選択肢

介護にかかる費用負担や既存の借金問題が重なると、経済的に行き詰まることがあります。そのような場合でも利用できる現実的な解決方法を確認しておきましょう。
自分に合った債務整理で借金問題を解決
任意整理は、弁護士が債権者と交渉し、利息や遅延損害金をカットして元金のみを分割返済する方法です。比較的短期間で解決できることが多く、家族に知られずに進められる可能性があります。
任意整理は裁判所を通さない手続きですが、個人再生と自己破産は、地方裁判所に申立てを行います。個人再生は、借金を大幅に圧縮し、原則3年で返済する方法であり、財産の処分は原則ないので、住宅を残したい場合にも有効です。
自己破産は、返済不能な場合に借金をゼロにできる方法です。財産の処分をしなければなりませんが、免責が認められれば借金の支払い義務がなくなります。

子どもが親の借金を返す必要はないものの…
親の借金は原則として親自身が返済すべきもので、子どもが保証人・連帯保証人でなければ返済義務はありません。
認知症などの症状がある親の債務整理が必要な場合は、家庭裁判所で成年後見の申立てをすることにより、後見人が法的手続きを進めることができます。
相続時に借金が発覚した場合は、相続放棄や限定承認で負債を回避できます。相続の開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所で手続きを行えば、親の借金を引き継ぐ必要はありません。
借金問題は弁護士・司法書士に相談しよう
債務整理は弁護士や司法書士に相談することで、最適な方法を選択できます。収入や借金の状況、家族構成などを総合的に判断して、最も適した債務整理方法を提案してもらえるでしょう。
借金の督促や返済が困難な場合は、早めに専門家に相談することが再出発への第一歩です。問題を放置すると状況が悪化する可能性が高いため、できるだけ早い段階での対応を心がけましょう。

まとめ

親の介護は法的な義務がありますが、必ずしも自宅での直接介護が求められるわけではありません。経済的な事情や家族関係の問題で介護が困難な場合でも、介護保険や生活保護などの公的制度を活用することで解決策を見つけることができます。
また、借金問題を抱えている場合は債務整理によって経済的な負担を軽減し、親の介護に必要な資源を確保することも可能です。
介護の問題は一人で抱え込まず、専門家や行政機関のサポートを受けながら現実的な解決方法を模索することが大切です。親の介護や借金問題でお困りの場合は、当サイトで紹介している専門の弁護士事務所や司法書士事務所への相談も検討してみてください。
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