水害によって大切な車が全損してしまった場合、ローン返済はどうなるのでしょうか。車を失った上に借金だけが残るのは最悪の事態です。
本記事では、水害で車が全損した際のローン返済の取り扱いや対処法について詳しく解説します。水害による被害からの回復は簡単ではありませんが、適切な対応策を知っておくことで、少しでも状況を改善できる可能性があります。
車両保険の適用範囲や、災害時に利用できる特別な制度についても触れていきますので、ぜひ参考にしてください。
国が認めた「債務整理」という手続きを活用すれば、月々の返済額を減らしたり、日々の取り立てを止めたりすることができます。手続きはカンタンなので、まずは債務整理に強い専門家に無料相談してみましょう。
【悲報】水害で車が全損…ローン返済はどうなる?
水害で車が全損してしまった場合、多くの人が「ローンはどうなるのだろう」と不安に思うものです。結論から言えば、車が使えなくなってもローンの支払い義務は残ります。
しかし、状況によっては支払いの猶予や条件変更が可能な場合もあります。まずは、水害時のローン返済について詳しく見ていきましょう。
ローン契約は続く
水害で車が全損しても、ローン契約自体は継続されます。つまり、車が使えなくなってもローンの支払い義務は残るということです。
とはいえ、災害でローン契約中の車が水没して使えなくなってしまった時、その後の支払い義務を免除してもらったという話を聞いたこともあるのではないでしょうか。
これは、この後紹介するような特約や保険といったものを利用してようやく達成しているものであり、根本的にローン契約自体がなくなるわけではありません。
災害があろうと車が水没して使えなくなろうと事故で全損しようと、返済義務が残りますので十分に注意しなければなりません。
GAP保険に未加入の場合は自己負担が発生
GAP保険とは、「ギャランティード・オート・プロテクション保険」のことで、自動車の盗難や事故による全損時に、車両の実質的な現金価値と未払いローン残高との間の差額をカバーする保険です。
通常の車両保険では、車の時価額までしか補償されません。ローン残債が時価額を上回る場合、その差額は自己負担となります。
GAP保険に加入していれば、通常の車両保険では補償されない差額部分もカバーできます。車両の価値がローン残高よりも低くなる場合に、所有者をリスクから保護する役割を果たす心強い保険といえるでしょう。
支払いの猶予は可能な場合もある
ローン会社によっては、災害時の特別措置として支払い猶予や返済条件の変更に応じてくれる場合があります。というのも、こうした不可抗力による車の水没については、ローン会社側もあまり強硬な態度に出てしまうと文句が出ることや、返済がそもそも不可能であることを十分に理解しているからです。
ただし、一律して「災害が起こったらカーローンの返済を免除します」といった仕組みがあるわけではありません。あくまでもケースバイケースということを覚えておきましょう。
【要確認】水害時の車両保険適用範囲
水害時の車両保険の適用範囲は、災害の種類によって異なります。自分の加入している保険がどのような補償内容なのか、事前に確認しておくことが大切です。
洪水・台風の場合
一般的な車両保険では、洪水や台風による水没は補償の対象となります。台風や豪雨、洪水などの自然災害による損害は、車両保険の補償範囲に含まれています。
保険の契約内容や保険会社によって、具体的な補償内容や条件が異なる場合がありますので、詳細は保険証券や契約書を確認してみましょう。
地震・津波の場合
ほとんどの車両保険では、地震や津波による被害は補償対象外であることが一般的です。通常の車両保険は、地震や噴火、津波による損害をカバーしていません。
自然災害による損害を補償するためには、別途「地震・噴火・津波危険車両全損時一時金特約」などの特約に加入する必要があります。
地震や津波による被害を補償したい場合は、保険証書や契約内容を確認し、特約の加入を検討しましょう。
補償額の上限
車両保険の補償額は、事故発生時点での車の時価額が上限となります。これは、車両保険の支払額が事故時の市場価格に基づくためです。
新車を購入した直後や、車の減価償却が進んでいる場合には、車の時価がローン残債を下回る可能性があります。
車の価値は時間とともに下がっていきますが、ローン残高はそれほど早くは減りません。この場合、保険金だけではローンを全額返済できないことがあるため注意が必要です。
水害で車が全損した際の対処法
水害で車が全損してしまった場合、取るべき対処法がいくつかあります。状況に応じて適切な方法を選択することが重要です。
GAP保険加入の有無を確認する
まずは、前述したGAP保険に自身が加入しているかどうかを確認しましょう。GAP保険に加入していれば、車両保険の支払額とローン残債の差額が補償されます。
加入していれば、かなりの金額が補償されるため、自己負担を避け、経済的な負担を軽減できるでしょう。
ローン会社と交渉する
被災し返済自体が難しい場合、まずは支払いを猶予してもらえないかローン会社に交渉してみましょう。災害時の特別措置として、返済猶予や条件変更を申し出ることができます。
被害が甚大な場合は政府等から配慮するよう声明が出ることもあります。交渉の際は、丁寧に状況を説明し、誠意を持って対応することが大切です。
専門家に相談する
複雑な法的問題が絡む場合は、支払える見込みがない場合は司法書士や弁護士といった専門家のアドバイスが役立ちます。専門家は、任意整理や個人再生といった法的手続きを含め、さまざまな相談に乗ってくれます。
専門家に相談することで、自分では気づかなかった解決策が見つかる可能性もあるでしょう。法的問題に直面した場合は、問題の性質に応じて適切な専門家に相談することをおすすめします。
【知っておきたい】災害時に利用できる自然災害債務整理ガイドライン
災害時には、通常とは異なる特別な制度が利用できる場合があります。その一つが自然災害債務整理ガイドラインです。
自然災害債務整理ガイドラインとは
災害救助法が適用された自然災害の被災者は、自然災害債務整理ガイドラインを利用できます。
自然災害で被災した債務者が、法的倒産手続きを経ずに債務整理を行うためのガイドラインです。
このガイドラインは、2015年9月に策定され、被災者が生活や事業を再建する支援を目的としています。被災者は、調停を通じてローンの減額や免除を受けることが可能です。また、弁護士への依頼費用などが発生しないため、被災者に優しい制度設計がなされています。
自然災害債務整理ガイドラインのメリット
「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」を利用しても、通常の債務整理とは異なり個人信用情報に事故情報としての記録が残らないため、新たなローンを組む際に影響が少なくなります。
さらに、債務の減額や免除を受ける可能性があり、被災者の生活再建を支援するために柔軟な対応が期待できるでしょう。もちろん、弁護士などの支援を無料で受けられる点も大きなメリットです。
自然災害債務整理ガイドラインのデメリット
自然災害債務整理ガイドラインは災害救助法が適用された地域の人が対象です。それ以外の人は原則として利用できません。
ガイドラインを利用できない場合でも、金銭的な支援が必要であれば、被災者生活再建支援制度など、生活再建のための公的支援制度を利用するという手もあります。
自然災害債務整理ガイドラインを利用できないものの債務整理をすべき場合は、司法書士や弁護士に相談しましょう。依頼者の代わりに業者と交渉し、手続きを進めてくれます。
まとめ
水害で車が全損した場合でも、ローン返済義務は消滅しません。しかし、GAP保険に加入していれば自己負担額が抑えられたり、支払いの猶予を検討してもらえたりすることもあるなど、状況に応じてさまざまな対処法があります。
まずは自分の加入している保険の内容を確認し、必要に応じてローン会社との交渉や専門家への相談をしましょう。
また、災害救助法が適用された地域では、自然災害債務整理ガイドラインという債務を抱えた被災者支援の制度も利用できる可能性があります。弁護士など専門家の支援を無料で受けられ、債務整理を実行しても信用情報機関に事故情報として登録されることはありません。
水害による被害から立ち直るのは簡単ではありませんが、適切な対応を取ることで状況を少しでも改善できるでしょう。困ったときは一人で抱え込まず、専門家や公的機関に相談することが大切です。
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