ポンジスキームという言葉があります。これは世界的に古くからある典型的な詐欺の手口となっており、いわゆる高額配当を約束された上でお金を投資した後、胴元かドロンしてお金が返ってこなくなるといったタイプの詐欺です。
このポンジスキームについて特に近年、日本国内で爆発的に猛威を振るっているなど社会問題となりつつあります。
そこで、ここではポンジスキームについて改めて解説するとともに、詐欺被害の回復方法に関しても解説していきます。
ポンジスキームとは?
まずはじめに、そもそもポンジスキームとは何なのかを簡単に説明していきます。
ポンジスキームの概要
ポンジスキームとは、古くはアメリカで生まれたスキーム(手法・手口)で、天才詐欺師との異名をとったチャールズ・ポンジが使っていた手法です。
この手法は、出資を募る際に「出資金に応じて運用益を配当金として支払う」と言って、資金を集めるのが最大の特徴です。
しかし、実際の運用はせずに、新しい出資者からの出資金を配当金としてまるで自転車操業のようにクルクルと回して支払いながら、将来的にはいつか破綻することを分かっていながらお金を騙し取るものです。
これは、アメリカでは非常に有名な手法でしたが、最近では暗号通貨で同様の手口の詐欺をはたらく者が目立ちます。
ポンジスキームの被害
年々被害が拡大しています。
直近だとエクシアジャパンという会社に端を発する一連の出資案件が「日本における戦後最大級のポンジではないか」という声も聞かれており、ニュースでもこの手の話題を聞くことが増えてきました。
そもそもポンジスキームでは、元本保証はありません。出資金が戻ることも中々ありません。
・・・また、ポンジにおける投資詐欺では、投資に関する金融知識がなくても、誰でも簡単にドリームが掴める雰囲気を醸し出していくため、かなりの人数が被害に遭う傾向にあります。
また、ポンジスキームの場合は「実際に配当が受けられたり退会時に元本保証が受けられた人が存在する」というのもタチの悪さとして挙げられます。
・・・では説明します。
例えば以下の様な状況があったとしましょう。
商品名:さんば共済
会員数:現在8000人、ただし月に500人ずつ拡大中
ドロンしたいタイミング:会員数1万人のタイミング
上記の状況でお金がどんどん入ってきている時に、仮に闇瀬古がポンジではないか?と気付き退会を申し出たとしましょう。
この時、運営の赤字家はこう言います:
ここで闇瀬古はポンジであるにも関わらず、お金が儲かります。そしてある時、知り合いから声を掛けられます。
・・・と、ここで新規会員が獲得できてしまいます。
こうなると闇瀬古としても
・・・という流れになるわけです。
これはポンジスキームを実行している側としても「いまは目標に向けて儲かっているタイミングなので、多少の退会者が出るのは織り込み済み!むしろ儲からせて広告塔にしよう」という考えなどが働いたものと考えられます。
つまり、ポンジスキームはドロンするまでの間であれば比較的配当も退会保証も受けやすい(運営側としては100人が獲得できるなら1人くらい金を握らせても痛くない)ということで、こういった行動に出ることがあり、これがポンジスキームを発覚させづらくしているのです。
また、毎月数%の配当金が支払われると相手を信頼し、より高額な投資をしてしまうこともあります。ダウンシステムが入っているケースもあり、これが詐欺を拡大させる最大の要因です。
ポンジスキームの摘発事例
過去に発生したポンジスキームの摘発事例として、有名なのは以下のような事例でしょう。
豊田商事事件
こちらは、昭和の事件史に必ずと言ってよいほど出てきます。
1980年代前半に発生した、豊田商事による金の地金を用いた悪徳商法(現物まがい商法)を手口とする組織的詐欺事件のことです。
「豊田商事問題」とも呼ばれており、高齢者を中心として被害者は全国で数万人におよびました。被害総額は2000億円近くとも見積もられている大事件です。
ポンジスキームの走りともいえる事件で、最終的には首謀者が刺殺されるという衝撃の幕引きとなりました。
安愚楽牧場事件
安愚楽牧場も、ポンジスキームの事件として有名です。
日本における和牛預託商法の最大手であった畜産会社「安愚楽牧場」による和牛預託商法は、7万人もの被害者を出しました。
日本国内でも有数のポンジ・スキームの実行者としても知られますが、首謀者の素性などについては今でも多くが謎に包まれている事件です。
最終的な被害回復率(破産時の最終配当率)は5%程度となりました。つまり、1000万円出した人に返ってきたのはわずか50万円ということです。
ポンジスキームの被害を受けた場合の対処法
では、ポンジスキームの被害を未然に防ぐためにはどうすればよいのか、その方法を具体的に見ていきましょう。
法的手段を取る
「法的手段」は王道であり、確実にやっておきたい方法のひとつです。
相手が違法行為を働いている以上、こちらもそれ相応の対応をしなければ、相手側に言いくるめられ返金もないまま泣き寝入りとなるリスクが高まります。
したがって、返金要請や損害賠償請求などの何かしらのアクションを起こすことも踏まえ、法律の専門家に相談しながら対応するとよいでしょう。
ちなみに、弁護士であれば詐欺被害に関してもある程度取り合ってもらえることが多いため、まずは弁護士に相談してみるとよいでしょう。
当サイトでも過去にいくつかの弁護士事務所を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
警察に通報する
正味実効性はさほどありませんが、何もしないよりはマシとも考えられます。とりあえず警察に相談するというのもひとつの選択肢でしょう。
とはいえ警察は基本的に民事不介入なので、実際に動いてくれるかどうかは微妙なところです。何もせず泣き寝入りするくらいなら、ダメ元で相談してみる価値はあるでしょう。
被害者が多ければ多いほど、警察も無視できません。場合によっては動いてくれることもあるといえます。
なお、警察に相談した履歴があることは、業者側にとっても大きなプレッシャーになります。
ポンジに強い調査会社に相談する
ポンジスキームは詐欺ともつかないケースが多く、グレーで雲隠れしてしまうケースも多いのです。
警察や弁護士でも対応しきれないような深いところに業者の経営陣が潜り込み、逃げてしまうケースも散見されます。
そういった場合、ここはやはり専門家の力を借りるのがベターでしょう。そこでおすすめしたいのが、ポンジやIT時代の詐欺被害・調査に強い調査会社です。
こういった業者はあらゆる業界に精通しており、豊富な知識を持つ優秀なスタッフが在籍しています。きっと力になってくれるでしょう。もしお困りなら、一度問い合わせてみてはどうでしょうか。
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ポンジスキームから身を守る方法
では、実際にどうやったらポンジスキームから身を守れるのか、その方法を具体的に見ていきましょう。
【出オチ】うまい話に食いつかない
出オチで恐縮ですが、これは非常に重要なポイントです。
この手の詐欺の手口は、とにかく「甘い話」を持ってきます。例えば「月収100万円稼げる」とか「1億円儲かる」といった具合に、いかにもうまそうな話をしてくるのです。
そして、こうした話を持ち掛けてきた時点で、相手はあなたをカモとして見ています。もし仮に「怪しいな」と感じたら、その時点できっぱりと断るようにしましょう。
そもそも、ポンジスキームの勧誘は「最初にお金を払う」というパターンが多いので、この時点ですでにおかしいことに気付くはずです。
SNSの情報をチェックする
次に紹介する方法は、ネット上の評判を確認することです。
具体的には、Twitterなどで「#ポンジ」というハッシュタグをつけて検索するとよいでしょう。そうすると、ポンジに関するポストが業者名を含めて大量に出てきます。有益な情報につながるかもしれません。
個人情報の管理に気を付ける
最も重要なのは、自分の個人情報をしっかり管理することです。なぜなら、注意していても、ふとした瞬間に情報が漏れてしまう可能性があるからです。
たとえば、雑談の中で収入や年収、財産についてつい、ポロっと漏らしてしまうこともあるでしょう。そうしたミスによって、ポンジスキームに狙われてしまう危険性があります。だからこそ、普段から個人情報の管理には十分注意しておく必要があるのです。
まとめ
今回は、ポンジスキームについて詳しく解説してきました。この記事を読んで、少しでもポンジスキームへの理解を深めていただけたら幸いです。
弁護士などに相談することによって返金が受けられたり、様々な方法で被害回復ができる可能性もあります。
ポンジスキームの被害にあった方は一刻も早く専門知識がある方に相談することが重要です。以下のリンクでは当サイトがおすすめしている弁護士事務所を紹介しているので確認してみて下さい。
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