投資詐欺ポンジスキームとは？手口や騙されないための対策4選

投資詐欺でよく用いる「ポンジスキーム」は昔から使われてきた詐欺の手法です。

最近では投資詐欺をする人が増え、詐欺被害に遭う人が増えています。騙されないためには、どのようにして詐欺師を見分ければ良いでしょうか。

本記事ではポンジスキームの概要や手口、ポンジスキーム詐欺の対策4選について詳しく解説します。

「ポンジスキームについて詳しく知りたい」「ポンジスキーム詐欺の対策を知りたい」とお考えの方は参考にしてください。

投資詐欺ポンジスキームとは？

ポンジスキームとは、投資詐欺でよく用いられる手法です。ポンジスキームは違法であり、多くの国で詐欺行為として規制されています。

また、最近では暗号通貨でも同様の手法を用いた詐欺が多発しており、被害者があとを絶ちません。

ポンジスキームの概要や事例について、詳しく解説します。

ポンジスキームの概要

ポンジスキームの名前の由来は、アメリカの天才詐欺師チャールズ・ポンジが行った手法（スキーム）から生まれました。

好条件を謳って出資者から資金を集めますが、運用はしていません。最初の数ヶ月に支払われる配当は、複数の出資者から集めた出資金で賄われています。

実際にリターンを返すことで、出資者に本物の投資と信じ込ませることが目的です。

配当は自転車操業のため、最終的には支払いが滞り、連絡がつかなくなります。

ポンジスキーム詐欺の事例

過去に起きたポンジスキームの代表的な事例を紹介します。

どちらも高額な被害の事件です。

フリッチクエスト

投資コンサルティング会社フリッチクエストが、架空の投資話で出資金を騙し取った事件です。

出資者から集めたお金は200億円とされており、実際に運用していたのは約1％でした。残りの出資金の行方は分かっていません。

出資者へは「海外の資産運用会社に投資すれば月利4％の配当金を出す」「元本の7割を保証する」などと投資話を持ちかけ、約4700万円を騙し取ったとされています。

一部の出資者へは、月1回開いていたイベントで他の出資者からの出資金を現金で手渡していた事件でした。

スカイプレミアム

スカイプレミアム（福利厚生サービスの会社）が提供していた投資サービス「ライオンプレミアム（FX投資商品）」があります。過去の運用利回りが30％を超えたこともあるという高利回り商品が問題になった事件です。

ライオンプレミアムは、最低出資額が100万円でした。出資者も比較的始めやすい金額だったため、出資金が集まりましたが実際にはFX取引運用はされていませんでした。

現在も出資者への出金・返金がなされず、投資資金を回収できていません。

ポンジスキーム詐欺の手口

ポンジスキーム詐欺師の手口は、以下の4点です。

詳しく解説します。

元本保証を謳う

詐欺師が「元本を保証します」と話した場合は注意が必要です。

定期預金といった一部の運用方法を除いて、ほとんどの投資商品は元本保証されることはありません。

「必ず儲かる」「元金を下回ることはない」などと、利益の確約をほのめかすように謳ってきたら気をつけましょう。ポンジスキームである可能性が高いです。

高利回りを提示する

ポンジスキームの手口として、年利30％や月利5％などの高利回りを提示してくる傾向があります。

現実的な利回りだと出資者から出資金を集められないため、高利回りを謳い出資者を募る仕組みです。

運用データを精密に作り込んでくる詐欺師もいるので、注意しましょう。

少額からの出資をすすめる

ポンジスキームではいきなり高額出資を募るのではなく、少額からの出資をすすめてきます。低リスクで気軽に始められるため、出資者を安心させるためです。

一時的に配当を支払われると、出資者は完全に信じ込み、さらに増額する傾向にあります。

少額投資を始めても、早く回収したい欲求に掻き立てられてしまいます。

少額出資でリターンがあっても気をつけましょう。

高額の紹介料を支払う

ポンジスキームの多くは、「紹介システム」を採用しています。既存顧客が出資者を紹介すると、紹介料を受け取れる仕組みです。

先に投資を始めている出資者は、高額の紹介料に目がくらみ、被害者を増やしていきます。

紹介料が高額であった場合、ポンジスキームを疑いましょう。

ポンジスキーム詐欺の対策4選

ポンジスキーム詐欺に騙されないためには、以下4つの対策があります。

それぞれ詳しく紹介します。

元本保証を謳っていないか確認する

定期預金の一部の運用方法を除き、元本が保証されている投資案件はありません。法律でも、元本保証は禁止されています。

元本保証と聞くと出資者は安心して投資をしてしまいますが、ポンジスキームの罠のため注意しましょう。

元本保証を謳っている投資は詐欺ですので、決して投資してはいけません。

利回りが年間10％を超えていたら注意する

投資話を持ちかけられたときに、「年利10％以上は儲かります」という内容の場合、ほぼ詐欺と思ってください。

投資の世界で、必ず年利10％以上が確定することはありません。価格は常に変動しており、利益が出ることもあれば出ないこともあります。

詐欺師の甘い話には乗らないようにしましょう。

決算書やデータバンクを調査する

ポンジスキームに遭わないためには、決算書やデータバンクの情報をみましょう。

ポンジスキームは自転車操業で成り立っているため、基本的に銀行がお金を貸すことはありません。

銀行がお金を貸しているからといって100％安全という訳ではありませんが、貸せないには必ず理由があります。

投資詐欺に遭わないためには、決算書やデータバンクを確認することが大切です。

見知らぬ人からの紹介を受けない

身元が分からない人からの投資話は、絶対に受けないようにしましょう。

身元を公開していても真偽は定かではないため、信頼せずに相手の個人情報を調べることが大切です。

自分で調べた内容と相手が伝えてきた内容に齟齬があった場合、詐欺師の可能性が高いです。

ポンジスキームに騙された場合の相談先

ポンジスキームで騙されたお金を取り戻すためには、できるだけ速やかに返還請求をすることが重要です。

警察では刑事事件として立証されたとしても、お金を取り戻すことはできません。そのほかの機関も相談には応じてくれますが、具体的な対応は自分で行う必要があります。

弁護士であれば、被害者の代理人として詐欺師と交渉することができます。

詐欺被害の経験が豊富な弁護士へ相談することで、騙されたお金を取り戻せる可能性も高くなりますので、一度相談されてみてはいかがでしょうか。