「闇金」からの「押し貸し」って本当にあるの？被害に遭ってしまった場合の対処法は？

こんな感じで、自身の銀行口座に見知らぬ銀行口座からお金が振り込まれてた経験はありませんか？

そこで本記事では、闇金の手口の一種である押し貸しについて、その手口の実態や原因、実際に押し貸しに遭った場合の対処法について解説していきます。

闇金からの押し貸しとは？その手口

「闇金からの押し貸し」とは、読んで字のごとく、こちらが「お金を貸してほしい」と依頼してもないのに、闇金業者から無理やりお金を貸してくる（押し付けてくる）手口のことを言います。

闇金の押し貸しを、自分は頼んでないからと放置してしまうと、法外な利息の支払いを要求されてしまいます。

闇金から押し貸しをされる原因

闇金から押し貸しが行われるのは、何かしらの理由で、銀行口座の情報、口座名義人の連絡先を把握されているケースがほとんどです。理由としては、よく知りもしない相手にその手口は成立しないことが挙げられます。つまり、銀行口座番号などを適当にギャンブル感覚で入力して送金しているわけではないのです。

押し貸しの被害に遭うよくある原因として、以下の2つが挙げられます。

過去に闇金と関係があった場合

押し貸しに遭ってしまう最も多い原因として、過去に闇金との関係があった人ということが挙げられます。
実際のところ、過去に取引している場合、顧客として口座番号も連絡先（電話番号やＳＮＳ・メール）も把握されているでしょう。

過去に関係があった闇金業者からの押し貸しは、以下のようなパターンが多く見られます。。

その理由として、闇金行為の勧誘が常に逮捕・摘発のリスクと背中合わせであるということが挙げられます。つまり、新規の顧客を探すよりも、すでに知っている顧客から、より多くの利息を搾取する方が、安全かつ効率が良いのです。

過去に詐欺の被害にあったり、個人情報が流出した場合

もう一つの原因として、過去に闇金との関係が一切なくても、他で何かしらの詐欺に遭ったことがある場合が挙げられます。
闇金のような悪徳な業者は、裏で様々な業者や組織と繋がっている場合がほとんどです。その中には、詐欺グループなども含まれるケースもあります。つまり、悪徳業者の間で顧客情報などの名簿が共有されている可能性が、少なからずあります。そのため、過去に詐欺の被害に遭ったことのある人はカモ候補になってしまうということです。

補足

補足として、近年ネットのオークションで個人情報が狙われるという被害が急増しています。例えば、ネットオークションでは大手のヤフオクでも、取引が成立し、相手に口座番号などの情報を教えてしまったことで、後になってまったく知らないところからお金が振り込まれたというケースもあります。

ネットオークションで闇金業者がターゲットにしているのは、急ぎでお金が必要な出品者だと推測される、即決提示や振込期限を短く指定している出品者です。その場合、即決で落札し、振込先の口座などの情報を入手し、押し貸しを仕掛けてきます。

闇金から押し貸しされたお金は使っても大丈夫？

闇瀬古

何も知らん人がいきなりお金振り込まれてたら、ラッキーって思いそうやなぁ。

キン助

身に覚えのない入金は、闇金じゃなかったとしても、要注意やで？

闇金からの押し貸しに対して、不適切な対応を取ってしまうと大変なトラブルに巻き込まれてしまう可能性があります。順を追って解説します。

闇金からの押し貸しは返済義務がない

結論から言うと、闇金への借金や闇金からの押し貸しは、返済する義務がありません。
その理由と注意すべき点は以下の通りです。

闇金による貸付行為は「不法原因給付」

まず大前提として、民法第708条に記された「不法原因給付」というものがあります。

簡単に解説すると、不法原因給付とは、貸金業の登録を行なわずにお金を貸し付ける行為などで渡した（貸し付けた）お金は不法な原因で給付したお金となるため、貸した人は利息も元本も返金の請求をすることができません。

つまり、闇金から借りたお金・押し貸しで振込されたお金は、返済の義務がありません。

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返済しないと厳しい取り立てや執拗な嫌がらせが始まる

闇金から押し貸しで振り込まれたお金は、返済の義務がないと上で述べました。しかし、いくら返済義務がないといっても、払わないと闇金の厳しい取り立てや執拗な嫌がらせが始まります。

毎日のように家まで取り立てに来たり、夜中から朝にかけて電話が鳴り続け、家族や職場にも電話をかけられることになります。

闇金から押し貸しで振り込まれたお金を、返金せずに使ってしまうと、そのような状況になりかねないため、「返済義務もないし勝手に振り込まれてきたから使う」というような軽い行動は絶対にしないようにしましょう。

闇金から押し貸しされたお金を使うと犯罪になる

結論から言えば、闇金からの押し貸しではなく、誤送金・入金ミスだった場合、それによって得たお金を使い込んでしまうと、それは「窃盗罪」などの罪に問われる可能性があります。

他人の振り込みミスが原因で自分の銀行口座に振り込まれてきた場合、そのお金は返金しなければいけません。

自分からそのように言われる口実を作らないように、早まった判断はせずに、慎重に行動することが大切です。

闇金から押し貸しされたときの対処法

それでは、闇金からの押し貸しの被害に遭った場合、どのように対処すべきなのでしょうか。
こｋでは、その対処法として、以下の5つについて説明します。

無視する

結論から言えば、「無視する」という対処法は、何の解決にもならず、トラブルに巻き込まれかねないので、一番やってはいけない行動です。自身で判断して、無視をしてしまうと、闇金業者からの厳しい取り立てと執拗な嫌がらせが始まります。

無視をしていても、現状は何も改善されず、いつまでも闇金業者は取り立ててきます。また、それによって受けるストレスはとても大きくなります。
さらには、業者を刺激してしまう可能性もあります。無視は絶対にやめましょう。

警察に相談する

結論から言えば、闇金からの押し貸しに警察が対応してくれることは期待できません。理由として、警察には「民事不介入の原則」があることが挙げられます。

警察は借金問題やお金の貸し借り問題などの民事の内容については、介入しないケースがほとんどです。警察に対応してもらうには、今後刑事事件に発展しそうな内容や、暴力行為などの具体的な証拠を提出する必要があります。

よって、銀行にお金が勝手に振り込まれた状態や、暴力以外の取り立てや嫌がらせが起こっているだけの状態では、警察が介入してくれる可能性は少ないでしょう。

銀行に相談する

「銀行に相談する」というのは、対処法の一つとしては良い選択です。理由として、身に覚えのないお金が振り込まれてきたという段階において、それが誤送金である可能性もある場合は、銀行が対応してくれることが挙げられます。

誤送金の場合、その口座を管理している銀行に相談することで、振り込まれたお金を元の所有者に返金する振り戻し・組み戻しといった手続きが行われます。

なお、この際の振込手数料を負担する必要はありません。

しかし、闇金業者からの押し貸しであった場合、返金の手続きをしても、業者側の銀行口座がすでに凍結されていたり、業者側が相手にしてくれない可能性があります。
その場合はいくら銀行に相談しても、根本の解決にはなりません司法書士に相談することが、最善の策の一つでしょう。

携帯電話・銀行口座を解約する

今後の押し貸しを予防することを考えると、最善の策の一つと言えます。
闇金からの押し貸しが疑われる振込があった場合、今後も同じ被害に遭う可能性は少なくありません。闇金業者は、すでに掴んでいる人物をターゲットとして何度も狙う傾向があります。

デメリットとしては、解約後における各種料金支払いのための登録口座の更新などの手間がかかることが挙げられます。ですが、今後の押し貸しを予防するためには、闇金業者が把握している、銀行口座、携帯の解約をすることがおすすめです。

司法書士に相談する

「司法書士に相談する」という対処法は、結論、闇金からの押し貸しに限らず、最善の策の一つです。

闇金業者は繰り返し同じターゲットを狙ってきます。司法書士に相談することで、闇金業者と直接連絡を取り、最短即日で取り立てや嫌がらせ、押し貸しを止めてくれます。

闇押し貸しされたお金は、使わずに返金するのが最も安全ですが、返金先が分からないというケースもあります。過去の取引に用いた電話番号や銀行口座なども、凍結されている可能性も少なくありません。

しかしその場合も、司法書士であれば、「供託」という手法で返金できることがあります。

「供託」という制度に関しては、こちらを参考にしてみてください。
供託とは(法務省)

以下のような理由から、闇金から押し貸しの被害を受けた場合は、司法書士に相談することが最善の策の一つと言えます。

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まとめ

自身の口座に、身に覚えのないお金の振込があった場合、闇金からの押し貸しの可能性があります。

闇金から押し貸しをされる原因としては、以下の2つが挙げられます。

闇金からの押し貸しで振り込まれたお金は、返済義務はありませんが、振り込まれただけで誤送金・入金ミスだった場合、それによって得たお金を使い込んでしまうと、それは「窃盗罪」などの罪に問われる可能性があります。

万が一、返金先などがわからない場合でも、「供託」という手続きをしてもらうことで、振り込まれたお金に対する責任を回避することができます。
この辺りのことも、司法書士に依頼すれば、適切な対処をはかってくれます。