イーサリアム詐欺の手口7選！騙されたときの対処法と相談先について

イーサリアム詐欺の代表的な手口をご存じですか。

イーサリアム詐欺には、7つの代表的な手口があります。詐欺師に騙されないために手口や対策を確認しましょう。万が一、詐欺に遭った場合の対処法もあわせてご紹介します。

詐欺に遭ったときは、返金請求手続きをサポートしてくれる弁護士への相談がおすすめです。

イーサリアムの詐欺とは

イーサリアム詐欺とは、仮想通貨のイーサを悪用し、お金や個人情報を騙し取る詐欺です。

イーサは、世界中で多くの人が利用する仮想通貨であり、近年、暗号資産が注目を浴びたことで詐欺被害も急増しました。

イーサリアム詐欺の概要や被害が増加している理由を紹介します。

イーサリアムの概要

イーサリアムとは、ヴィタリック・ブテリン氏によって開発されたプラットフォームのことです。

日本では、プラットフォームを意味するイーサリアムと、仮想通貨を意味するイーサの両方を「イーサリアム」と表現しています。

イーサ（ETH）は、ビットコインに次ぐ人気があり、価格が高騰している暗号資産の1つです。

イーサリアムを悪用した詐欺とは

暗号資産のなかでも知名度の高いイーサを利用した詐欺を、イーサリアム詐欺といいます。詐欺師は、利用者を偽の取引サイトに誘導し、個人情報を盗み、イーサリアムを騙し取ります。

イーサリアム自体が詐欺というわけではありません。イーサリアムは、日本の金融庁が認めた暗号資産取引所でも取引されているので安心してください。

イーサリアム詐欺が増加している理由

イーサリアム詐欺が急増している理由は、以下の2点です。

仮想通貨はニュースや新聞、SNSなどのメディアで取り上げられ、若年層の利用者が増加しました。仮想通貨の仕組みや危険性をよく知らずに取引を始める人が多く、イーサリアム詐欺の被害が急増する原因となっています。

ICO（Initial Coin Offering）は、企業が仮想通貨を発行して投資家から資金を調達する行為です。詐欺まがいのICOを行い、仮想通貨イーサリアムを利用し、投資家から資金を騙し取る事例が増えました。

詐欺師は人の動向に敏感であり、仮想通貨が注目を集めていることを利用して詐欺を仕掛けます。現時点でのICOやトークン取引における取り決めが不十分なことも、投資家が詐欺に遭うリスクも高める要因となっています。

イーサリアム詐欺の手口7選

イーサリアム詐欺の手口は、以下の7点です。

イーサリアムを悪用する詐欺師に騙されないために、手口を確認しましょう。

1.フィッシング詐欺

イーサリアム詐欺の手口には、フィッシング詐欺があります。フィッシング詐欺は、メールやSMS、SNSなどを利用して偽のWebサイトに誘導し、個人情報や暗号資産を盗む手口です。

仮想通貨詐欺では、偽の取引所サイトにログインさせ、アカウント情報やパスワードを盗む事例が報告されています。

最近では、メールの送信者を偽造して実在する会社を装った文面を送ったり、正規サイトと区別できない偽サイトを作ったりなど、手口が巧妙化しています。

パソコンだけでなくスマートフォンでも、電子メールを使用してフィッシングサイトに誘導するケースが増えました。フィッシング詐欺にスマートフォンを使用することで、若年層の被害が拡大しています。

参考：フィッシング詐欺被害に遭いやすいのは20・30代男性｜ITmedia NEWS

2.偽のICO

イーサリアム詐欺で見られるのは、偽のICOを利用して金銭を騙し取る手口です。

近年、高いリターンを謳う偽のICOを利用し、投資家から金銭を騙し取る被害が増加しています。過去には、大手コミュニケーションツールであるLINEでも偽のICOサイトが公開され、話題になりました。

参考：「LINEが仮想通貨発行」かたる偽サイト　ICO装う詐欺か｜ITmedia
NEWS

投資を検討しているときは、偽のICOではないかを確認するために、信頼できるまとめサイトで情報収集を行いましょう。ホワイトペーパーで信憑性を確認する方法もあります。

3.ソーシャルエンジニアリング詐欺

イーサリアム詐欺の手口には、ソーシャルエンジニアリングもあります。ソーシャルエンジニアリングは、ユーザーの上司や取引先になりすましたり、不正アクセスをしたりして情報収集し、詐欺行為を行う手法です。

ソーシャルエンジニアリングの特徴は、「自分だけは騙されない」という心理につけ込み、ユーザーの社会的な立場を悪用する点です。詐欺師がユーザーの上司や取引先を装うことで、共通の趣味や話題でのやり取りができ、ターゲットの信用を得やすくなります。

参考：暗号資産（仮想通貨）詐欺とは？知っておくべき身を守る方法｜サイバーセキュリティ情報局

ソーシャルエンジニアリング詐欺でイーサリアム取引を持ちかけるケースも存在するため、常に警戒心を持ちましょう。

4.プレゼント詐欺

イーサリアムには、プレゼント詐欺という手口があります。

プレゼント詐欺は、詐欺師が指定した口座にイーサを送ると、送金した金額が2倍になって返ってくると謳い、仮想通貨を騙し取る手口です。
詐欺師は、プレゼントや特典に制限時間を設けることで、送金者の判断を鈍らせます。

詐欺師に送金した仮想通貨が戻ってくることはないため、甘い話には乗らないようにしましょう。

5.サポート詐欺

イーサリアムを利用した手口には、なりすましサポート詐欺があります。

なりすましサポート詐欺とは、ウォレットや取引所のサポート担当者に偽装し、援助を持ちかけ、情報や資金を騙し取る手法です。

サポート詐欺では、正規取引所のホームページに偽装したセキュリティ警告画面が表示されるケースがあります。

偽のサポートセンターに連絡すると、不具合を修正するように勧められ、有料プログラムに案内される恐れがあります。サポートの支払いにイーサを使用するように勧められた場合は、イーサリアム詐欺を疑いましょう。

支払い履歴や偽のセキュリティ警告画面などをスクリーンショットしておくと、詐欺の証拠になるため安心です。

6.トークン詐欺

イーサリアムを利用した手口には、トークン詐欺も含まれます。

トークンとは、企業や個人がブロックチェーン技術を用いて発行した仮想通貨のことです。ICOに関する法整備は不十分なため、トークン取引で金銭を騙し取る詐欺が横行しています。

正規の企業であれば、トークンを発行したときにホワイトペーパーと呼ばれる企画書が発行されます。投資前にホワイトペーパーをしっかりと確認しましょう。

7.エアドロップ詐欺

イーサリアムを利用した手口には、エアドロップ詐欺があります。

エアドロップ詐欺は、仮想通貨の無料入手を謳い、投資家から資金やパスワード、秘密鍵などの情報を盗む手法です。仮想通貨を偽サイトで受け取るときに、アカウントのパスワードや個人情報が流出する可能性があります。

エアドロップの申し込みに秘密鍵は必要ないため、むやみに開示しないようにしましょう。

イーサリアム詐欺に遭わないための対策

イーサリアム詐欺に遭わないための対策は、以下の6つです。

イーサリアム詐欺を防ぐために、対策を確認しましょう。

信頼できる取引所を選ぶ

イーサリアム詐欺に遭わないためには、信頼できる取引所を選ぶことが大切です。

投資をはじめるときは、仮想通貨取引所の信頼性やセキュリティ体制、口コミなどを調べ、安全性を確認しましょう。

インターネット上には、おすすめの取引所をわかりやすく整理したまとめサイトが数多くあります。おすすめランキングの上位に表示されている取引所は信頼できるでしょう。

取引所にログインするときは、公式サイトから行うことで偽サイトへの誘導を防げます。

二段階認証を設定する

イーサリアム詐欺に遭わないための対策として、二段階認証を設定することが挙げられます。

二段階認証とは、ログインに必要なパスワードに加え、取引所指定のアプリを使用した認証コードを入力することです。二段階認証を設定することで、より高度なセキュリティを確保できます。

二段階認証には「SMS認証」と「アプリ認証」の2種類があります。

SMS認証	・携帯電話番号に送られた認証コードをログイン画面へ入力することで認証を完了する方法
アプリ認証	・アプリで受け取った認証コードをログイン画面に入力することで認証を完了させる方法 ・SMS認証に比べて安全性が高いが、設定に手間がかかる

二段階認証はおすすめですが、設定に時間がかかる場合もあるため、余裕をもって準備することが重要です。

強固なパスワードを使用する

イーサリアムを取引する際には、パスワードを強固に設定することが大切です。「長め」かつ「複雑」で「使い回しでない」パスワードを設定しましょう。

総務省は、安全なパスワード管理として、以下の5点を推奨しています。

(1) 名前などの個人情報からは推測できないこと
(2) 英単語などをそのまま使用していないこと
(3) アルファベットと数字が混在していること
(4) 適切な長さの文字列であること
(5) 類推しやすい並び方やその安易な組合せにしないこと

引用：国民のための情報セキュリティサイト｜総務省

パスワードは、忘れたり、他人に知られたりしないように保管することが重要です。パスワードをメモした場合は、紛失に注意してください。

安全なパスワードを使用し、しっかりと保管することで、イーサリアム詐欺に遭う確率を低くしましょう。

暗号化通信を利用する

イーサリアム詐欺の対策として、取引所にログインする際は、SSL暗号化通信を利用することをおすすめします。

SSL暗号化通信とは、インターネット上でデータを安全に送受信するための仕組みです。個人情報の漏えいを防ぐための手段として、多くのWebサイトで採用されています。

SSL暗号化するメリットは、サイバー攻撃に備えられる点です。

ネット社会である現代は、すべての企業がサイバー攻撃に遭う可能性があります。SSL暗号化通信を利用していれば、データが流出しても解読されることを防げるため、最小限の被害で済むかもしれません。

ブラウザの拡張機能をアンインストールする

イーサリアム詐欺に遭わないために、不要なブラウザの拡張機能をアンインストールすることも重要です。

ブラウザの拡張機能とは、使用しているブラウザの機能を増やしたり、強化したりするプログラムのことです。

拡張機能は便利ですが、過去にリリースされたプログラムのなかには、サポート期間が終了しているものもあります。サポートが終了している場合はセキュリティーが甘く、詐欺師に狙われる可能性があるため危険です。

ウイルス対策ソフトを活用する

イーサリアム詐欺を防ぐ手段として、ウイルス対策ソフトをダウンロードしておくことが大切です。

ウイルス対策ソフトとは、有害なウイルスや不正アクセスなどによる攻撃からパソコンやネットワークを守るソフトウェアのことをいいます。

パソコンやスマートフォンをインターネットに接続することにより、外部からの脅威にさらされる可能性があります。情報漏えいや不正アクセスを防ぐためには、ウイルス対策ソフトを活用することがおすすめです。

イーサリアム詐欺に遭った場合の対処法

イーサリアム詐欺に遭った場合の対処法は、以下の3点です。

イーサリアム詐欺の被害に遭ったときに、適切に対応できるよう対処法を確認しましょう。

早急に取引所やウォレットサービスに連絡する

イーサリアム詐欺に遭った場合は、早急に取引所やウォレットサービスに連絡することが重要です。

詐欺かもしれないと不安に感じたら、履歴を確認して不正な送金が行われていないかを確かめましょう。イーサリアムの送金履歴はブロックチェーン上に記録されているため、簡単に確認できます。

不正な送金が行われていた場合は、詐欺に遭っている危険性が高いです。使用した取引所やウォレットサービスによっては、返金を受けられる場合があります。

詐欺師が同じ手口で犯行に及ぶ可能性もあるため、取引所やウォレットサービスに連絡することにより、同様の被害を未然に防ぐこともできます。

被害届を提出する

イーサリアム詐欺に遭った場合は、直ちに警察に被害届を提出しましょう。

詐欺被害に遭ってから時間が経つと、詐欺師が逃亡をはかる危険性があるため、なるべく早く被害届を出すことが望ましいです。

警察に被害届を提出することで、詐欺事件として捜査してもらえたり、被害の証明ができたりします。

被害に遭った証拠が不十分である場合は、被害届が受理されるとは限りません。警察に被害届が受理されたとしても、必ず捜査が開始されるわけではないことも把握しておきましょう。

参考：被害届を提出されたら逮捕される？逮捕されないケースや取り下げのための方法を解説｜法律相談ナビ

捜査が開始されると、参考人として取調べを受けたり、証拠の提出を求められたりと、事件への協力を求められます。

弁護士に相談する

イーサリアム詐欺に遭ったときは、法律の専門家である弁護士に相談することがおすすめです。

弁護士は、今後の対応についての助言や加害者への返金請求、場合によっては法的措置などを視野に入れて動いてくれます。

法的措置となった場合には、さまざまな書類の準備が必要となり労力や時間がかかります。法的措置の準備は被害者が個人で行うと精神的な負担が大きいですが、弁護士は複雑な手続きを代行してくれるため安心です。

弁護士への依頼にかかる費用は、対応時間や相談内容によって異なるため、事前に確認しましょう。

詐欺被害は、早期解決がなにより重要です。弁護士に相談することで、イーサリアム詐欺の被害回復について適切な助言をもらえるため、より早い解決が望めます。

イーサリアム詐欺に遭ったら弁護士に相談

イーサリアム詐欺に遭ったときは、弁護士へ相談することが最適な解決策です。

警察に相談し、事件性があると判断され、犯人が逮捕されたとしても、被害金を取り戻すことはできません。弁護士は、被害者の心に寄り添うだけでなく、返金請求や法的手続きなどさまざまな対応が行えます。

なかでもART法律事務所は、投資詐欺に強い弁護士が揃っており、多数の返金実績があります。相談はメールやLINEから無料で行えるため、イーサリアム詐欺に遭った可能性があれば、気軽に連絡してみてください。