詐欺の種類は数多く存在しますが、そのどれにも共通して言えるのは、人間の欲望を巧みに突いてくる、という点です。
そのような詐欺の中でも「出会い系詐欺」とは、主に恋愛感情に関する欲望を巧みに利用した詐欺といえます。
名前もよく耳にする「出会い系詐欺」ですが、では改めてこの詐欺とはいったいどのようなものなのでしょうか？
そこで今回は、出会い系詐欺の主な特徴や活動場所についてまず解説します。そして、詐欺師の見分け方の参考にもなるような出会い系詐欺師の特徴や、出会い系詐欺に遭ってしまった時の対処についても説明していきます。
出会い系詐欺とは？
「出会い系詐欺」は詐欺の中でもよく耳にするものですが、一体、どのような詐欺なのでしょうか。そして、どのような場所で詐欺をはたらいているのでしょうか。
以下では、出会い系詐欺の主な特徴と、その主な活動場所について解説いたします。
主な特徴
出会い系詐欺は、基本的にSNSやマッチングアプリ上のみでやり取りを行います。
詐欺師側は、「美男美女でお金を持っていて、しかも自分を大切にしてくれる」などのような、（騙す相手にとっての）理想的な異性を演じつつ、巧みに金銭を要求してきます。
この詐欺の大きな特徴として、恋愛感情に漬け込んでくるため、金銭的な被害だけでなく、精神的なダメージも大きいことがあげられます。
また、被害者は犯人の個人情報をほとんど知らない場合が多く、そもそも犯人の情報を確認しようともしていないケースも少なくありません。
サイトやアプリ自体が詐欺目的のケース
上でも述べたように出会い系詐欺が展開される場所は主にSNSやマッチングアプリ上ですが、まずそのサイトやアプリそのものが詐欺目的で作られ、運用されているケースもあります。
このようなケースでは、利用者はやりとりを行うためにポイントを購入させられ、やりとりを続けようとするとポイントをどんどん消費させられ、またポイントを購入させられる、という流れになります。
また、メールやLINEでのやりとりから、このような詐欺目的のアプリに勧誘され、そのまま大量のポイントを買わされるケースも見られます。
「遺産を譲りたい」「お金には不自由していないからあなたにお金を渡したい」などといった甘言を弄したり、芸能人であることを匂わせるなどして、あの手この手で会話を続けてこようとします。
正規のサイトやアプリで詐欺を行うケース
サイトやアプリが正規であっても油断してはいけません。一般的によく知られている大手マッチングサイトやアプリにもまた、一般の利用者に混じって詐欺師が紛れ込んでいる可能性があります。
正当なサイト・アプリの中で、一般の利用者に詐欺師が紛れ込んでいるため、純粋に出会いを求めているのか、詐欺なのか判断することは難しく、誰でもその被害に遭う危険性があります。
出会い系詐欺の詐欺師の特徴
出会い系詐欺をしている詐欺師の特徴として、主に以下の4つがあげられます。
- 顔写真がイケメンor美女
- 話をなかなか途切れさせない
- 急に下ネタなどを入れてくる
- 別のサイトに誘導する
全ての特徴が当てはまるとは限りませんが、相手がいくつかの特徴に当てはまる場合には注意が必要です。
特徴１：顔写真がイケメンor美女
なるべく多くの人とマッチングすることで詐欺の機会を狙うため、顔写真はイケメンや美女であることがほとんどです。
もちろんその顔写真はやりとりをしている本人のものではありません。インターネットから適当に拾ってきているケースも数多く見られます。
そのため、画像検索でプロフィール写真を検索して、同じ画像が別のサイトなどで出てきたら注意しましょう。
日本人に限らず人種はさまざまで、国籍や居住地が日本以外であることをうたっている場合もあります。
特徴２：話をなかなか途切れさせない
会話が途切れないというのも、出会い系詐欺の詐欺師の特徴の一つです。
挨拶や「ご飯食べた？」等の雑談からはじまり、「早く会いたいね」「愛してるよ」といった愛の言葉をささやいてきたりもします。
24時間いつでも話を続けてくれて、話題も豊富でどのような話題にもついてきてくれるため、延々と会話が続きます。
もちろんこれらは詐欺師のテクニックのひとつです。このような濃密なやりとりを続けることで、徐々に相手を信用させていく、というわけです。
特徴３：急に下ネタなどを入れてくる
やりとりを続けていくなかで、詐欺師は恋愛系の話に持ち込み、下ネタを入れてくることがあります。
これはセンシティブな話題を入れることで、親しい間柄であると感じさせるための一つの手法です。
日常会話などのたわいもない話から、このような少し込み入った話まで、緩急をつけて話をすることで徐々に一種の洗脳状態にしていきます。
特徴４：別のサイトに誘導する
詐欺師側が、もともと出会ったサイトやアプリとは別のサイトや会話ツールなどに誘導をしてくるケースがあります。
これには大きく3つの目的が考えられます。
- 誘導先のサイトやアプリでポイントを購入させる目的
- LINEなどの別の会話ツールの場合は、相手との関係性を深め信頼させる目的
- マッチングアプリのアカウントが凍結されて連絡が取れなくなるのを防ぐ目的
出会い系詐欺に遭ってしまった場合の対処法
では、出会い系詐欺の被害に遭ってしまった場合には、どうすればいいのでしょうか。
ここでは、詐欺による被害を回復したり、犯人を捕まえるためにできる対処法を3つご紹介いたします。
対処法１：法律のプロである弁護士や司法書士に相談する
出会い系詐欺の被害に遭った場合には、法律のプロである弁護士や司法書士に相談することが最善の策のひとつです。
法的にお金を取り返す方法をアドバイスしてもらえますし、それに必要な手続きも代行してくれます。その結果、失ったお金を取り戻すことができる可能性が出てきます。
警察へ被害相談に行く際にも、弁護士や司法書士に同席をしてもらうと、警察が話を聞いてくれる可能性が高くなります。
対処法２：消費生活センターに相談する
出会い系詐欺に巻き込まれた場合の対処法として、消費生活センターに相談をすることも考えられます。
消費生活センターでは、今後どのようにすればいいのか、詐欺から身を守るにはどうすればいいのか、といった情報を提供してくれます。
しかし、詐欺相手を特定してより具体的な解決に導くようなことはしてくれません。あくまでもアドバイスに留まる、ということを理解しておきましょう。
詐欺にあったばかりで混乱しており、どうすれば良いかなにもわからない場合の、とりあえずの相談先としてはおすすめできます。
対処法３：警察に相談する
出会い系詐欺の被害に遭った場合、警察に相談することも大切です。警察に相談をし、被害届を出すことで、捜査をしてくれますし、犯人が捕まる可能性もあります。
また、刑事裁判に持ち込むことができれば、相手との示談の交渉がしやすくなります。被害者と加害者の間で示談の成立があると、刑事裁判の判決では刑が軽くなる傾向にあります。そのため、警察へ相談をすることで、返金への道が開かれるケースもあります。
しかし、警察が行うのはあくまでも（被害届を受けた上での）捜査と逮捕であり、民事事件であるとなれば「民事不介入の原則」により、交渉に加わってくれることはありません。
金銭的な被害からの早急な回復を求めるならば、警察ではなく、弁護士や司法書士に相談するようにしましょう。
まとめ
今回は、出会い系詐欺の主な特徴や活動場所について解説しました。また、詐欺師の見分け方の参考にもなるような出会い系詐欺師の特徴や、出会い系詐欺に遭ってしまった時の対処についても説明してきました。
SNSやマッチングアプリを利用している人は誰でも、それらを主な活動の場所としている出会い系詐欺の脅威に晒されているともいえます。
「しまった、出会い系詐欺に引っかかってしまった……」そんな方はすぐに出会い系詐欺をはじめとする詐欺被害に強い弁護士に相談するようにしましょう。
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