婚活サイトでは詐欺に注意！被害に遭った際の返金の流れを解説

近年、SNSやマッチングアプリとともに婚活サイトの需要が増加しています。
婚活サイトでの詐欺被害も増加していることはご存じでしょうか。

詐欺師は、「自分は大丈夫」と思い込んでいる婚活サイトの利用者からお金を騙し取ります。婚活サイトで詐欺被害に遭わないために、詐欺師の手口や特徴を理解したうえでサービスを利用しましょう。

本記事では、詐欺師の手口や特徴に加え、婚活サイトにおける詐欺事例を解説します。

婚活サイトで横行している詐欺とは

婚活サイトでは、以下の詐欺が横行しています。

国際ロマンス詐欺	外国人を自称し、ターゲットと信頼関係を築いてからお金を要求する手口
投資詐欺	将来のために投資をしようと誘い、ターゲットからお金を騙し取る手口
結婚詐欺	結婚する意志がないのにターゲットに好意を寄せたふりをし、お金を騙し取る手口

婚活サイトでは、結婚詐欺だけに注意すればいいということはありません。

詐欺師はターゲットと信頼関係を築いたうえで、投資に勧誘したり金銭を要求したりするため、騙されていることに気付かずにお金を渡してしまう事例が多く存在します。

婚活サイトの詐欺師の手口とは

婚活サイトに潜む詐欺師は、以下のような手口を使用する点が共通しています。

婚活サイトでやりとりをしている相手に該当する部分があれば、詐欺師を疑いましょう。

好意を示し近づいてくる

婚活サイトに潜む詐欺師は、好意を示してターゲットに近づき、短期間で恋人関係になろうとします。詐欺師が短期間でターゲットと恋人関係になろうとするのは、一刻も早くお金の話に持ち込むためです。

詐欺師は、好印象な見た目で優しい人物を演じることで、ターゲットの気を引こうとします。

交際が始まると、詐欺師は高級レストランで食事をご馳走したり、優しくエスコートしたりして積極的にターゲットと交流を深めます。

知り合って間もないにもかかわらず好意を寄せてくる相手は、詐欺師の可能性があるため、注意しましょう。

結婚の話をちらつかせる

婚活サイト詐欺師はターゲットと恋人関係になると、結婚をちらつかせる言動をします。結婚を意識させることで、ターゲットの結婚願望を満たし、信用を得ようとします。

結婚をちらつかせる言動の具体例は、以下のようなものです。

両親への挨拶や結婚式場の下見は、ターゲットを信用させるために詐欺師が使用する典型的な手口です。

婚活サイトで出会った相手との交際があまりにも順調すぎたり、相手が結婚を意識した言動を突然しだしたら、詐欺を疑いましょう。

理由をつけてお金を要求する

婚活サイト詐欺師は、ターゲットが結婚を意識し始めた頃に、お金の話を持ち掛けたり、相談したりします。

詐欺師がお金の話をする頃には、ターゲットは相手を信用しきっており、騙されていることに気付きません。

具体的には、以下のような話をされます。

詐欺師は、「必ず返す」や「借金を返済しないと結婚できない」というフレーズを、よく使用します。詐欺師にお金を貸したり渡したりするたびに、要求してくる金額が増える傾向もあるため、注意が必要です。

婚活サイトで出会った相手の中に、様々な理由でお金を求めてくる人物がいたら、詐欺師の可能性が高いため、すぐにやりとりを止めましょう。

お金を貸せなくなると姿を消す

詐欺師は、婚活サイトで知り合ったターゲットに詐欺行為をし、お金を騙し取ったら、突然姿を消します。

連絡しても返事が来ることはありません。詐欺師は一度姿を消したら、二度と姿を見せないため、泣き寝入りする結果になるでしょう。

婚活サイトの詐欺師の特徴とは

婚活サイトに潜む詐欺師には、以下のような特徴があります。

特徴を知っておけば、婚活サイトで知り合った相手が詐欺師かどうか適切に判断できます。

ターゲットの理想の相手

詐欺師は、ターゲットの理想の異性を演じたりすることで、ターゲットから好意を寄せて貰うように仕向けます。また、以下のようにプロフィールを偽装していることがあります。

詐欺師は事前にターゲットの恋愛遍歴を調べ、ターゲットが好きなりやすい異性を演じることもあるため、非常に巧妙です。

自分の理想とあまりにも一致している異性からコンタクトがあったら、婚活サイト詐欺のターゲットとして狙われている可能性があります。

お金を要求するまでは頻繁に会う

詐欺師は、婚活サイトで出会った相手と恋人関係になり、信用を得るまでは頻繁に会おうとします。頻繫に会うのは、ターゲットの恋愛感情を利用し、怪しまれずにお金を要求できる関係を築くことが詐欺師の狙いだからです。

何度もデートに誘われたとしても、嬉しくなる気持ちを抑え、相手が信用できる人物かを冷静に観察しましょう。相手を安易に信じず、詐欺師だと疑うことが、被害に遭わないためのポイントです。

写真を一緒に撮らせてくれない

婚活サイトを使った詐欺を目的としている相手は、写真を一緒に撮らせてくれないという特徴があります。一緒に撮らないのは、写真は詐欺の証拠の一つとして詐欺師に不利に働くためです。

しかし、写真を一緒に撮らせてくれないからと言って、詐欺師とは限りません。写真に写るのが苦手なだけかもしれないため、詐欺師の特徴の1つとして押さえておきましょう。

プライベートを教えてくれない

詐欺師はターゲットに対し、最低限のプライベート情報しか与えません。詐欺師がプライベートについて詳しく教えないのは、お金を騙し取った後にいつでも姿をくらませられるようにするためです。

婚活サイトで知り合い、交際を始めた相手が以下に該当する場合は注意が必要です。

恋人関係になり、結婚の話が出ているのにもかかわらず、プライベートを全く教えてくれない相手は、詐欺師の可能性があります。

婚活サイトを利用した詐欺事例

婚活サイトを利用した詐欺事例は多数存在し、内容や手口はさまざまです。

婚活サイトを利用して、国際ロマンス詐欺や投資詐欺、結婚詐欺に遭った事例をそれぞれ紹介します。

事例1：外国人を名乗る相手に6,000万円以上騙し取られた事例

1つ目に紹介するのは、婚活サイトを利用して国際ロマンス詐欺に遭った事例です。

「じつは私、以前にFXの投資で失敗して、わりと大きいお金を失っていたんですね。あるときにその話を男にしたら、『そのくらいの金額ならすぐ取り戻せるよ』と仮想通貨の取引をすすめてきたんです。『僕の指示通りにやれば大丈夫』『仮想通貨で大儲けして、2人で世界中を旅行して楽しく暮らそう』って……」

男に紹介されたのは「C」という実在する大手仮想通貨取引所のオンラインサービス。王さんは男から指示された通り、取引所に口座を開設して、とりあえず350万円を入金した。

「さっそくその日の夜、男がLINEで指示してくる通りに仮想通貨の取引をしたら、たったの数分間で3000ドル以上の利益を出すことができた。すると男が『350万では儲けも少ない。大きく儲けるために2000万入金して』と言ってきたんです」

引用：〈6000万円以上の被害〉JPモルガンを名乗る若い男が「愛しているよ」「ふたりでハワイに住もう」国際ロマンス詐欺の“ヤバすぎる手口”｜文春オンライン

被害女性は、結果的に6000万円超のお金を送金してしまいました。

引用部分のみ見れば、怪しい話だと一目でわかります。しかし、詐欺師は投資話をするまでに何度もやりとりをして信用を重ね、ターゲットに恋愛感情を抱かせてからお金を騙し取ります。恋愛関係を利用し、ターゲットを騙すのは国際ロマンス詐欺師の大きな特徴です。

婚活サイトを利用する場合は相手の言動に着目し、違和感がないか確かめましょう。

詐欺被害に遭わないためには、怪しい相手とのやりとりをやめることが何より重要です。

事例2：婚活サイトで投資詐欺の被害に遭った事例

2つ目に紹介するのは、婚活サイトで投資詐欺に遭った事例です。

鳥栖市の４０代の男性は、女性を名乗る相手にＦＸ取引を持ちかけられておよそ１億円をだまし取られました。

また佐賀市の４０代の女性は、システムエンジニアの男性を名乗る人物からこちらもＦＸ取引を持ちかけられておよそ６０００万円の被害に遭いました。

県内のことしの被害状況をみますと、▽男性・女性どちらも、▽２０代から６０代まで幅広い世代の方が被害に遭っています。

引用：マッチングアプリ相手からの投資詐欺相次ぐ 巧妙な手口を紹介｜NHK

婚活サイトやマッチングアプリにおける投資詐欺では、「将来のために投資をしよう」とターゲットを勧誘するケースが多くみられます。

詐欺師は最初は少額の投資をさせ、利益が出たと伝えてターゲットを信用させた後で、何度も投資に勧誘します。投資の利益にかかる所得税が必要だと理由をつけてターゲットに支払いを要求する場合もありますが、詐欺師との間に信頼関係があると詐欺の疑いようがありません。

投資詐欺では、およそ数千万円の支払いをしたあたりで、詐欺師と連絡がつかなくなるケースがほとんどです。

マッチングアプリや婚活サイトで知り合った相手から投資話を持ち掛けられたら、詐欺を疑い、やりとりを止めましょう。

事例3：婚活アプリで結婚を仄めかしてお金を騙し取られた事例

3つ目に紹介するのは、婚活サイトを利用して結婚詐欺に遭った事例です。

発表によると、男は昨年５月、アプリを通じて出会った新宿区の４０歳代の女性に「自動車の修理が必要」などとうそを言い、計１３０万円をだまし取った疑い。「返そうと思っていた」と否認している。

男は独身で、タクシー会社の役員を名乗って女性に「君とは長い付き合いになる」と結婚を示唆。昨年５月以降の約３か月間で、外食費など計約５８０万円を女性のクレジットカードを使って支払ったほか、高級車を購入して約８００万円のローンを女性名義で組んでいたという。５人ほどの女性から同様の被害を受けたと相談があり、新宿署が関連を調べる。

引用：「タクシー会社役員」の５４歳男、結婚ほのめかし１３０万円詐取…女性名義で８００万円ローンも｜読売新聞オンライン

本事例の詐欺師は、複数の女性に同様の詐欺を行っていました。結婚を示唆してお金を要求するのは、結婚詐欺の典型的な手口です。お金を貸す際は、相手が詐欺師でないとしても、借用書を作成しておくと自分の身を守ることに繋がります。

恋愛や結婚に焦る気持ちもあるかもしれませんが、交際する相手に怪しい点はないか、しっかりと振り返ってみてください。

詐欺被害の相談先

婚活サイトで詐欺被害を受けたら、以下の相手に相談しましょう。

それぞれ解説します。

警察

警察では、詐欺被害の相談を受け付けています。

警察に相談することで、被害に遭った際の対処法や、適切な相談先を紹介してくれます。被害届を提出して刑事事件と認められれば、詐欺師を逮捕するために捜査を開始してくれます。

婚活サイトでやりとりをしている相手が詐欺師かもしれない場合は、警察窓口（9110）に迷わず相談しましょう。

弁護士

弁護士には、詐欺被害の相談や、騙し取られた被害額を取り戻すための手続きをしてもらえます。

弁護士は代理権があるため、返金請求や民事裁判の手続きを代理で行ってもらえます。手続き以外には、詐欺師と返金のやりとりを弁護士にしてもらうことも可能です。

詐欺で騙し取られたお金を取り戻したい方や、返金請求の手続きに自信がない方は、弁護士に相談することが重要です。

まとめ

本記事では、婚活サイトに潜む詐欺師の手口や特徴、詐欺の事例を紹介しました。

詐欺師には共通した手口や特徴があるため、婚活サイトで異性と知り合った相手が怪しくないか、冷静に判断しましょう。詐欺師に恋愛感情を持つと、詐欺だと気付く前にお金を騙し取られてしまいます。

婚活サイトを利用して詐欺に遭ったら、被害回復のために警察や弁護士に相談しましょう。

ART法律事務所では、婚活サイトで詐欺被害を受けた方からの依頼を受け付けております。依頼費用の分割支払が可能なため、詐欺被害に遭い、まとまったお金を用意できない場合でも安心して相談できます。

無料相談も受け付けているため、まずはART法律事務所のホームページをご覧ください。